ポール・ギャリコのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ長いこと積読してたけど読み始めたらびっくりするぐらい面白かった。魔術師名称ギルドに加入するための試験にはるばる山を越えてやってきた主人公アダムとしゃべれる犬のモプシー。しかし魔術師名称ギルドは魔術師とは名ばかりの手品師が所属するギルド。ほんものの魔法が使えるアダムはその予選で行った演技について周りからトリックを教えて欲しいと詰め寄られたり(ほんものの魔法なのでタネも何もない)、黒魔術師!危険!と狙われたり…というストーリー。アダムからしたら魔法は当たり前のもので、オタマジャクシがカエルになること、種が木に育つこと、私達が目を閉じて頭で想像すれば楽しかった場所や過去、未来へ一瞬で行けることも魔法。見方を変えれば世界には魔法が溢れてるし誰もが使える。ロマンチックな話の中に所々皮肉っぽい社会風刺的な表現も含まれてる感じがあった。ファンタジー好きなら是非読んで欲しい!
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Posted by ブクログ
昔々読んで、ものすごく影響を受けた作品。再販されたとの情報に喜び勇んで再読した。
盲点を突かれたようなすてきな設定で、ワクワクするというよりはハラハラする展開で、気がつくと主人公たちを心から応援している自分がいる。主人公が語る「ほんものの魔法」がとても魅力的で、若い頃に読んだのと同じように心を持っていかれた。
優しい語り口で美しく理想を描き出してくれるけれど、一方で現実に対する風刺も鋭く、自分自身がどちらかと言えば敵役や俗物の部類ではないかと思うと、読んでいてつらくなる。そういう点では、ドジな魔法使いの若者の存在が、一番僕にとっては身近で、ラストにほっとさせられ、もう一度旅に出ようと思わせてくれる。
もう手放すことなく、折に触れて読み直したい本である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ魔法の都とよばれる都市マジェイアにストレーン山脈を越えてグリモアからアダムという青年がやってきます。
アダムはマジェイアの手品師や奇術師が加入する魔術師名匠組合に加入する試験を受けるつもりでした。
百人の魔術師が受けて合格するのは3名のみ。
そこでアダムはマジェイアの市長にして魔術師の統領のロベールの娘で11歳のジェインと知り合い仲良くなります。
ロベールは息子のピーターを後継ぎにしようと可愛がりジェインのことは放っておいていました。
そしてアダムは無二無双ニニアンという下手くそな魔術師を助けてやります。
その時の魔術があまりにも鮮やかでロベールはアダムに手品の種を教えて欲しいと言い出します。
しかしアダムがやっているのは、魔術(手品)ではなく、どうも本物の魔法使いではないかという噂になってきます。
アダムはジェインとニニアンとものいう犬のモプシーとピクニックに出掛けてジェインに語ります。
「わからないかいジェイン。われわれのまわりには魔法がみちみちてるってことが。(中略)牝牛はこれをミルクに変えることができるんだ。そのミルクからクリームやバターやチーズができて、われわれがそれを食べたり飲んだりして大きくなるんだ」
「にわとりは偉大な手品師だよ。割った卵をもとへ戻すことならぼくにもできるがね。しかし卵を一つでも生み出すことはできやしない」
「それからまだひとつ、のこっているものがある」
「それはきみの魔法だ」
「眼をつむってごらん」
「さあ、どこか他の場所のことを考えるんだ。ーまえに行ったことのある、楽しかったところをいってごらん」
「海辺だわ!とてもよかった」
「きみはいま海辺にいる。そうだろう?」
「そうよ」
「じゃあ、眼をあけろ!」
「さあ、もうこうしてここにいる。けれどもたったいま、何百マイルも旅行に行ってきたんだ」
「何もかもこの中につまっているんだよ」
アダムは長い指で彼女の額にそっとふれた。
このシーンが一番、印象的でした。
以下、ネタバレですが、試験日に天井から金貨を降らせて悪い魔術師の手から逃れてそのままモプシーとともにいなくなってしまったアダム。
13歳になったジェインはばったり出会ったニニアンとともにアダムを探しにいこうとしますが、ジェインはあのピクニックの日の魔法を思い出しいくのを思いとどまります。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ普段海外の作家さんの本をあまり読まないのもあってか、翻訳家の語彙力が凄い、って思いました。
イギリスやフランスの昔の生活を学べそうと思って読み始めましたが、現代では聞かないような日本語の言い回しが沢山出てきて、むしろ日本語の勉強になりました。笑
ハリスさんは貧しくても心が豊かだから(ちょっとずるくて頑固なところもあるけど)、本音を隠した交流が多くて素直になれないパリの人たちに必要とされたのかなとおもいました?
ドレスの関税はちょっとずるいが過ぎるけど。笑
エイダ・アリスには失望しました…。
私も応援してたのに、謝罪もしないで逃げるなんて非常識。
だけど、この一件で人生の無常を悟って、ハリスさんの心がより豊かになった気がして、必要な事件だったんだろうなと思いました。
あとがきを読んで、作者が男性でびっくりしました。
今考えてみればバターフィールドさんとの関係とか、ちょっと男同士の友達みたいな雰囲気があったなと。 -
Posted by ブクログ
「雪のひとひら」が良かったので、同じ著者の作品で面白そうなものを手に取った。読んでいくうち、子どもの頃に読んだやつか??と。詳細は忘れていたけど、結末同じだった。幸運なめぐり逢い。
お掃除おばさんがディオールに憧れて、、、という話ですが、ちょっぴりおとぎ話風だけど、一つひとつの場面にしっかりリアリティがあり、なんならお店をまとめるマダム・コルベールは、いまのわたしの年齢や状況からしてすごく感情移入しやすく、ちょうど職場で同じようなことがあり、マダムと一緒に自分が赤面してしまった。
昔読んだ時はただ楽しかったのだけど、いまは場面やキャラクターごとの温かみや煌めきが心に染みて、このラストにこれだけ感激できたのは、いまの年齢と経験があるからかな。理解が深まった。いまの段階で読み直すことができて、良かったと思います。元気になれた。
物語自体もコンパクトで分かりやすく、示唆に満ちているけど説教くさくない。意外な仕掛けや難解な展開はなく、昔の2時間ドラマにちょうど良いくらいの感じで、重すぎないのも良かった。シリーズものなので、続きも読んでみよう。 -
Posted by ブクログ
角川文庫で出されたのを読んだのですが
こんなワクワク、ハラハラする物語が
児童文学として出回っていたとは!
「よみもの」から一足飛びにミステリに
走った子供時代の自分に教えたい気分。
ただ、内容的には特に子供向けではないねぇ。
ロンドンで通いの家政婦をしている
ハリスおばさんは、ある日
雇用主のひとりの家でディオールのドレスを見て
その美しさのとりこになる。
自分も手に入れたい一心で
くじの賞金を元手にコツコツ稼ぎ
ついにパリへ旅立つのだが。
海外旅行ははじめてで
フランス語だってたいしてわかるわけでもない。
そんな彼女と出会ったパリの人たちが
最初こそ小馬鹿にしたりするものの
おばさんの情熱に当てられたかのように
どんどんハッピーなほうへと引き寄せられていく。
このあとニューヨークへ行ったり
モスクワへ行ったりするらしいので
またいつか読みたいな。