ーー海水から水素を取り出し、核融合反応によりヘリウムに変えることにより得られる莫大かつクリーンなエネルギーが、核融合エネルギーです。
核融合エネルギーが実現化することで、私たちの生活が大きく変わり、環境問題にもたいへん大きなインパクトを与えることができます。
「核」と名の付くことから危険なイメージを持たれますが、ウラン等を使う核分裂炉に比べて安全性も高く、かつ宇宙時代の惑星間航行など、将来の技術革新には欠かせない技術であることから、2050年の運用を目指して、世界の研究機関で協力しながら、あるいは野心的なベンチャー企業によって、開発が進められてします。
本書は、核融合という言葉は知っていても、どのようなものか具体的には知らない人、またエネルギー問題に興味のある人、将来の研究者およびその教育者、ビジネスチャンスを狙う人など、多くの人に読んでいただけるよう、様々な方面から核融合エネルギーについて解説します。ーー
機動戦士ガンダムや2001年宇宙の旅でも登場する核融合(炉)、夢物語のような技術だと思われがちですが、2050年を目途に実用化を目指しています。これが本格稼働すれば、エネルギー問題や環境問題が一挙に解決できる優れものです。
太陽では強大な重力によって当たり前に起こる核融合ですが、地球上では1億度の温度環境が必要。(既に日本では5.2億度を達成!ギネス認定)
核分裂の原子力発電との安全性の差は歴然。(燃料供給を止めれば数秒で停止、電気系統などに問題が起こってもすぐ停止、燃料サイクルも所内で閉じる、運用終了後の放射性廃棄物も現行原子炉と比べ100年で100万分の1まで減退)P103
また、核融合に必要な原料、重水素とリチウムは海水中から無尽蔵に取り出せ、技術的にもクリア。(P107)
核融合炉自体が水爆のように爆発することは点火の仕組みが違うので起こりえない。(P111)
自然エネルギーとの協調性もある。(P113)
原子力発電と核融合発電を比べると、新規技術だけにコストに弱点はあるものの、環境負荷や安定供給、特に安全性に対する優位性は明らか。(P133)宇宙太陽光発電システムとともに国策として推進すべき。
基本がまとめられた良書です。