稲場雅紀のレビュー一覧

  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    SDGsがどのような交渉過程を経て、2015年9月25日に成立したかなどを、日本の首席交渉官だった南さんとNGOの取りまとめ役として政府との交渉に関わった稲葉さんによる共著で書かれていた。SDGsはコロンビアの1人の役人がまず訴えたことから始まり、ゴールの数や内容で途上国や先進国の主張のぶつかり合いなど、多くの交渉と妥協を経ていたことがとてもわかった。外交をやっている中での、作者の感情も綴られていて、意外とガチガチではなくお互い様子を見ながら交渉していることがわかり面白いかった。
    SDGsは2030年までなので意外と時間はないが、少しでも何か貢献できたら嬉しい。

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    2022年01月26日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    国内も海外も悲鳴をあげたくなる地域がある。打開に取り組もうと尽力される方の声や知恵は凄いものだと感じる出来事(事例)を本書でいくつか知った。本当は入門書的な本を手にしたかったのだが、結果として頭より胸で感じた良質なSDGs読本だった◎

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    2021年10月02日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    ネタバレ

    日本政府の元SDGs交渉官である南氏と、現役NGO職員で民間セクターからSDGs策定に貢献した稲場氏の共著。稲場氏には前職でお世話になったこともあり、本を物したと聞いて即購入。

    南氏の立場と経験を活かし、SDGsの成り立ちや交渉の裏話を楽しむことができるのが面白い点の一つ。他のSDGs解説の本では、こういった各国のSDGs策定における思惑や経緯を知ることは難しいと思われる。
    中盤以降は、稲葉氏と南氏の人脈や経験に基づく、SDGs達成に向けた様々なアクターの取り組みの実例が紹介されていく。SDGsを絵空事にしないためには、地方自治体や個人といった「下からの力」が必要なのだということがよく分かる

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    2020年12月30日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    ここ数年「SDGs」という言葉をよく耳にする。私の職場でもSDGsの取り組み例を募集!みたいな案内が来ていたっけ。
    SDGsは「持続可能な開発目標」と翻訳されるものだが、2030年を期限とする17のゴールと169のターゲット、および232の指標を示して、地球の再生能力を超えない持続可能な世界を目指すという国際的な取り組みである。
    本書はSDGsの概要、日本での取り組みなどが簡潔にまとめられているので、大人向けではあるけれども入門書としてはよく整理されていると思う。
    SDGsをテーマにした本が数多く出版されている中で、本書のオリジナリティとして挙げたいのは、日本政府代表として国連で交渉にあたった

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    2022年11月29日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    SDGs策定までの道のりや、SDGsの活用例等が掲載されている。
    個人的に面白いと感じたのはSDGsのそれぞれのゴールの関連性と地方創生のお話である。SDGsのそれぞれのゴールは相関しているが、それはあまり世の中に周知されていない感覚がある。SDGsの投資基準等の概念であるESGでは、Eの環境問題への取り組みや脱炭素に関しては理解できるのであるが、Sの不平等の是正や、GのガバナンスがEにすぐには結びつかないと考える人もいるであろう。本書では、この部分についてレジリエンスを高めるためと説明している。資源が不均等、非効率に配分されている社会は、気候変動などの地球の限界に関わる危機や急性感染症などの

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    2022年03月13日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    SDGsについての入門書。SDGsとは何か、どのような経緯で策定され、どんな内容なのか、課題は何かといったことがざっくりわかります。
    策定の経緯については、実際に交渉を担当した外交官が執筆しており、多国間交渉の裏話などもあって興味深いです。SDGsが、策定に3年かけたという、大変な努力のな賜物ということがわかりました。
    その他に、NGO関係者との共同執筆で、日本での行動事例、経済界で必要な対応などが述べられています。
    最後に、期限となる2030年までの道のりがSDGsの5つのグループ(People,Prosperity,Planet,Peace,Partnership)ごとに提言されています。

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    2021年03月27日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    外交官とNGO活動家による共著。SDGsがそもそも何か、ポーラ・カバジェロの発案から合意に至るまでの交渉、日本での受容や活動、官民での取り組みなどわかりやすく説明されている。
    現状に妥協せずあるべき目標を立てそのギャップを埋めるための政策を総動員するというバックキャスティングという考え方。資源の枯渇や汚染が閾値を超えるために強制的な人口減少が始まる時期が2030-40年の間。国連での交渉においてG77+中国が発揮するダイナミズム。2年半の交渉において各国がオーナーシップを持ち始め、これまでかけた時間と労力の成果を失いたくないという思惑から合意に向かっていった。国連の持つ意味としてのコンビーニン

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    2020年12月29日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    日本政府のSDGs首席交渉官であった南氏が、国連や各国政府の立場や思惑が交錯しながら合意に至った背景を、SDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)から市民社会で取り組みを続けている稲葉氏が、地方自治体や民間企業等で自分たちの課題に取り組む人々の行動や思いを、それぞれリアルに描いています。

    SDGsの「内容」を解説する書籍は、本書より大判でカラー図解入りのものが多く出ていますが、諸問題を統合的に捉え、あらゆる人々が参加し、そのつながりをエンジンにして解決に取組む、というSDGsの「精神」を理解するには、本書は最適の一冊と言えます。

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    2020年12月11日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    SDGについての研究書ではなく、政治的説明の本であった。民間運動についても少しは説明されている。卒論で研究するために、SDGについて政治的な説明としてはいいかもしれない。グレタさんについても少しは言及しているが、ほんのわずかに触れているだけでその説明はほとんどない。グレタさんについてはNHKのテレビ番組で見た方がいいと思われる。

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    2022年05月19日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    最近耳にするSDGs、なぜこんなに盛んに言及されるようになったのか、
    自分達はSDGsにどう向き合っていけばいいのか、そういうことを考えてしまう人にはおすすめしたい。

    近年の自然災害規模の甚大さを受けて、我々が環境に対する関心が高まっているというのも環境問題への取り組みを含んだSDGsのブームの一因ではある。
    が、ESG投資の興隆に伴い、ビジネスとして環境への取り組みが真ん中に据えられたことが大きい。同じような取り組みとしてCSRもあったが、それはどちらかというと、ビジネスの周縁の取り組みのような存在だったように思う。
    民間企業が本腰をいれるようになったのが、SDGsのブームの大きな一因であ

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    2022年04月10日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    SDGsのスローガンは経済、健康、環境、あらゆる分野に共通して「誰一人取り残さない」こと。一歩踏み込んで、広い概念での福祉の視点から突き詰めると、あらゆる人には固有の価値があり、高齢者や障害者も弱者だから支援される者とただ位置付けるのは正しい判断ではない。古村氏の「取り残さない、取り残されない」という関係ではなく、『すべての人が主人公になれる社会こそ目指される必要がある』との発言は本当に素晴らしい。

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    2021年01月28日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    2013年から2014年にかけて議論、調整され、やっと2015年にまとまったSDGs 。苦労してまとめた割に認知度度が低く、政府な企業による取り組みも鈍い。
    一刻と早く解決しなければならない問題が山積されていることが、ここで明確にされたにもかかわらず、それを推進する側にも熱意があまり感じられないのが残念である。
    もちろん、草の根レベルでの活動の報告などもあったが、あまりにも目標達成とのギャップがあり、暗い気持ちにならざるを得ない報告だったのが、残念である。

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    2021年01月19日
  • SDGs 危機の時代の羅針盤

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    これからSDGsに関わる機会がありそうなので、とりあえず読んでみた。
    どういう経緯で誕生したのか、どういう思想が根底にあるかなどが書いていた。
    その上でどうするか。まだまだいろんなことを知った上で考え行動していかないといけないのだろうと感じる。
    個人的に興味のある貧困や教育に関して記述はあるが、これは概説書といった感じなので、そこまで深くはない。
    あくまできっかけの一冊だったように思う。

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    2020年11月30日