稲場雅紀のレビュー一覧
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SDGsがどのような交渉過程を経て、2015年9月25日に成立したかなどを、日本の首席交渉官だった南さんとNGOの取りまとめ役として政府との交渉に関わった稲葉さんによる共著で書かれていた。SDGsはコロンビアの1人の役人がまず訴えたことから始まり、ゴールの数や内容で途上国や先進国の主張のぶつかり合いなど、多くの交渉と妥協を経ていたことがとてもわかった。外交をやっている中での、作者の感情も綴られていて、意外とガチガチではなくお互い様子を見ながら交渉していることがわかり面白いかった。
SDGsは2030年までなので意外と時間はないが、少しでも何か貢献できたら嬉しい。 -
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ネタバレ日本政府の元SDGs交渉官である南氏と、現役NGO職員で民間セクターからSDGs策定に貢献した稲場氏の共著。稲場氏には前職でお世話になったこともあり、本を物したと聞いて即購入。
南氏の立場と経験を活かし、SDGsの成り立ちや交渉の裏話を楽しむことができるのが面白い点の一つ。他のSDGs解説の本では、こういった各国のSDGs策定における思惑や経緯を知ることは難しいと思われる。
中盤以降は、稲葉氏と南氏の人脈や経験に基づく、SDGs達成に向けた様々なアクターの取り組みの実例が紹介されていく。SDGsを絵空事にしないためには、地方自治体や個人といった「下からの力」が必要なのだということがよく分かる -
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ここ数年「SDGs」という言葉をよく耳にする。私の職場でもSDGsの取り組み例を募集!みたいな案内が来ていたっけ。
SDGsは「持続可能な開発目標」と翻訳されるものだが、2030年を期限とする17のゴールと169のターゲット、および232の指標を示して、地球の再生能力を超えない持続可能な世界を目指すという国際的な取り組みである。
本書はSDGsの概要、日本での取り組みなどが簡潔にまとめられているので、大人向けではあるけれども入門書としてはよく整理されていると思う。
SDGsをテーマにした本が数多く出版されている中で、本書のオリジナリティとして挙げたいのは、日本政府代表として国連で交渉にあたった -
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SDGs策定までの道のりや、SDGsの活用例等が掲載されている。
個人的に面白いと感じたのはSDGsのそれぞれのゴールの関連性と地方創生のお話である。SDGsのそれぞれのゴールは相関しているが、それはあまり世の中に周知されていない感覚がある。SDGsの投資基準等の概念であるESGでは、Eの環境問題への取り組みや脱炭素に関しては理解できるのであるが、Sの不平等の是正や、GのガバナンスがEにすぐには結びつかないと考える人もいるであろう。本書では、この部分についてレジリエンスを高めるためと説明している。資源が不均等、非効率に配分されている社会は、気候変動などの地球の限界に関わる危機や急性感染症などの -
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SDGsについての入門書。SDGsとは何か、どのような経緯で策定され、どんな内容なのか、課題は何かといったことがざっくりわかります。
策定の経緯については、実際に交渉を担当した外交官が執筆しており、多国間交渉の裏話などもあって興味深いです。SDGsが、策定に3年かけたという、大変な努力のな賜物ということがわかりました。
その他に、NGO関係者との共同執筆で、日本での行動事例、経済界で必要な対応などが述べられています。
最後に、期限となる2030年までの道のりがSDGsの5つのグループ(People,Prosperity,Planet,Peace,Partnership)ごとに提言されています。 -
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外交官とNGO活動家による共著。SDGsがそもそも何か、ポーラ・カバジェロの発案から合意に至るまでの交渉、日本での受容や活動、官民での取り組みなどわかりやすく説明されている。
現状に妥協せずあるべき目標を立てそのギャップを埋めるための政策を総動員するというバックキャスティングという考え方。資源の枯渇や汚染が閾値を超えるために強制的な人口減少が始まる時期が2030-40年の間。国連での交渉においてG77+中国が発揮するダイナミズム。2年半の交渉において各国がオーナーシップを持ち始め、これまでかけた時間と労力の成果を失いたくないという思惑から合意に向かっていった。国連の持つ意味としてのコンビーニン -
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日本政府のSDGs首席交渉官であった南氏が、国連や各国政府の立場や思惑が交錯しながら合意に至った背景を、SDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)から市民社会で取り組みを続けている稲葉氏が、地方自治体や民間企業等で自分たちの課題に取り組む人々の行動や思いを、それぞれリアルに描いています。
SDGsの「内容」を解説する書籍は、本書より大判でカラー図解入りのものが多く出ていますが、諸問題を統合的に捉え、あらゆる人々が参加し、そのつながりをエンジンにして解決に取組む、というSDGsの「精神」を理解するには、本書は最適の一冊と言えます。
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最近耳にするSDGs、なぜこんなに盛んに言及されるようになったのか、
自分達はSDGsにどう向き合っていけばいいのか、そういうことを考えてしまう人にはおすすめしたい。
近年の自然災害規模の甚大さを受けて、我々が環境に対する関心が高まっているというのも環境問題への取り組みを含んだSDGsのブームの一因ではある。
が、ESG投資の興隆に伴い、ビジネスとして環境への取り組みが真ん中に据えられたことが大きい。同じような取り組みとしてCSRもあったが、それはどちらかというと、ビジネスの周縁の取り組みのような存在だったように思う。
民間企業が本腰をいれるようになったのが、SDGsのブームの大きな一因であ