「自分の音楽と言葉が誰かに傷を与えると気づいた。より良い人になるためには、自分の行動にせきにんを負い、考えを改め、多くの人の話に耳を傾けなければならない」この言葉は、BTSのリーダーRMが、自分たちの楽曲の歌詞にあった女性嫌悪と取れる歌詞への批判を受けて、自分が感じた思いを明かした時のもの。
BTSを知ったのはつい最近なのでにわかファンに過ぎない私だが、彼らに惹かれる理由は、ただ歌がうまいとかダンスがかっこいいとかルックスとかだけではない何かがあるのではと思っていた。
この本を読んで、やはり裏付けされる理由があったことがわかった。
彼らの謙虚で、真摯に学ぶ姿勢、自分自身を愛そうというメッセージは、彼らを支え、彼らをトップアーティストへと押し上げたARMYと呼ばれるファンたちを成長させ続けている。そしてARMYの成長がまた、BTSを成長させているという、そんな話聞いたことないよ、と思わさせる現象が起きているのだ。
BTSは2017年末に、アルバムの一部売り上げとグッズの収益全額を寄附し、ユニセフと暴力をなくすための活動を始めたという。その姿を見てARMYたちもチャリティ活動を始めたという。世界中の小さな、あまり知られていない慈善活動に参加し始めたのだとか。
「ナムルの家」にも寄附をしているそうだ。
何より、BTSの互いを認め合い、自分自身を愛そうというメッセージが、言葉を超え、人種を超え、性差を超え、多くの人の心を震えさせたのだという。
私が彼らの歌や姿から感じていたものは、そうだったのかもしれない。
一人ひとりの強い個性が光る彼らのパフォーマンスから、知らずとそんなメッセージを受け取っていたのかもしれない。
私はARMYにはなり得ない(そこまで時間的にも物理的にも力を注ぐのは今はできないため)が、BTSが発信し続けるメッセージを受けていきたいし、彼らの活躍を陰ながら応援したいなと改めて思った。
音楽はやはりその人を写すもので、それは受け取る側にも伝わるのだな。
規模は違えど、その真摯さに私も学びたい。