福田利之のレビュー一覧
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遊園地「ほたるいしマジカルランド」で働く老若男女を描いた連作短編集。
アトラクションのキャストをはじめ、清掃のスタッフ、園芸スタッフ等、様々な仕事をする人々が主人公となって描かれている。
読む前の時点で遊園地で働く人々を描いた作品だということは知っていたつもりだった。
けれど読み進めるうちに、自分はアトラクションのキャストのみをイメージしていて清掃や園芸のスタッフの物語を想定していなかったことに気づいた。
仕事内容だけでなく、働く人々の背景も様々であることが描かれている。
この作品で特徴的だと思ったのは、それぞれの背景や思いを他の登場人物に吐露するような場面が少なかったこと。
それぞれの思い -
Posted by ブクログ
ほたるいしマジカルランドはひらパー、社長はアパホテルの社長のイメージを頭に浮かべながら読んだ。
1週間日替わりで、主人公となる従業員が変わっていく。寺地さん、ちょっと影がある普通の人を書くのがやっぱり上手いなと思う。
楽しい遊園地が舞台だけど、読んでいる間は遊園地自体に気を取られることなく、「人」に意識が向いていた。働く人の目線で描かれ、あくまでそこは職場という風に映っていたからかな。
こういうバックヤード側からの見せ方が面白いなと思った。
登場人物それぞれの日常や心の内を、ちょっと覗き見したような気分。
そこで働く人のタイプはバラバラなんだけど、気がついたらみんな一生懸命仕事をしているし、同 -
Posted by ブクログ
芳枝は、太陽を見ることがない世界のなかにいた。
それは、40歳を目前に突然亡くなった息子を荼毘に付してからだ。
その日から闇の世界だったが、ひとりの少年がドアを叩いてから外へ出る。
そこから物語が変化する。
芳枝が出会った豹と物語を作っていくようでありながらすべては、彼女の意識のなかで過去を振り返っているようでもあり、不思議な感覚を味わった。
子どもに帰ればすべてを素直に表すことができるような…。
気になっていることをもう一度再現しているような…。
最後には希望を与えてくれるようで。
それは、明るい太陽を見ること。
詩的で美しく、穏やかに染み込んでくるような物語
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Posted by ブクログ
その遊園地で働く人々を描く。
〔萩原紗英〕インフォメーション。《仕事ですから》p.40、自分自身の言葉が彼女を変えた。
〔村瀬草〕パールのドールハウス担当。メリーゴーラウンド好き。
〔篠塚八重子〕清掃スタッフ。離婚され息子に会えない。
〔山田勝頼〕ガーデナー。もうすぐ退職する。娘との関係構築に失敗したと思っている。
〔国村佐門〕社長の息子という立場が負担でもある。コミュ強な佑にいくばくかの劣等感を抱いている。
〔三沢星哉〕アルバイト。メリーゴーラウンド担当。イヤなヤツやったけど…
〔すべての働くひと〕それぞれのほたるいしマジカルランド。
〔感想〕佑の視点も欲しかった気がする。
〔感想〕架空の