大島和人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
著者の綿密な取材によって執筆された日本バスケの国際舞台からの締め出しという極限の危機からの脱却と生存、成長の過程が生々しく読み応えがあった。Jリーグでの実績は承知しながらも、プロリーグの2リーグ併合という全く違うタスクを、当時は自分を含む多くの人がなぜ川淵さんなのかと訝ったがこの本を読んで納得できた。
「バスケ界には口を出す人は多かったけれど、実際に汗をかく人が少なかった」「会議は踊る、されど進まず」と書かれているように当時の澱んだ空気感が安易に想像でき、これをまとめて改革できるのは川淵さんにような外部から強烈なリーダーシップのある人だけなのだと思う。 -
Posted by ブクログ
日本バスケットのトップリーグの過去からB/LEAGUEまでの運営の歴史が詳細に書かれていて、どこでそんなに揉めたのかというのがよくわかった。B.LEAGUEが誕生したのもかなりの綱渡りで、奇跡といってもいい。
川淵三郎さんは、人の心を読むことに行動が伴っていて、どこに話をしたらいいか、いつ話をしたらいいかがわかっている。直感なのか経験なのか。人たらしであることも重要。
誕生の舞台裏も詳細に書かれていて、緊張感が伝わってきた。ただ、本書で選手の声をもっと拾っても良かったんじゃないかとは思う。
47チームを3部に分ける検討や、リーグ加入の条件、経営状況への言及もあり、読み応えがあった。
JBL -
Posted by ブクログ
日本バスケの夜明け
生存者バイアスがあるにせよ、Bリーグ創設に当時関わった色んな人に取材しているので、偏った事実ではなく歴史を多面的に学べる。
■概要
Bリーグのようなプロ化がなぜできなかったのか、誰がどう揉めたのか、何をきっかけに解決に向かったのかがよく分かる。FIBAの外圧と川淵さんのリーダーシップが全てなんだけれども、それまでの試みや頓挫してしまった顛末も知ることができ、光と闇の両方が垣間見える良書。
■所感
協会とリーグのガバナンスの大切さを葦原さんの本で学びつつ、具体的な事象と顛末をこちらで補足。
当時の協会関係者だけでなく、企業チームの葛藤やBjクラブ(滋賀の創業者の坂井さん