幸村しゅうのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
施設育ちではないが母親からの愛情に恵まれずに育った筆者が、ただ一つ頼れるものとしてカレー作りで紡ぎ出した心をうつ人間模様。施設の後輩で憎めないが飲食業をともに営むことは難しいトロ子、大学生を名乗りお店のつなぎを果たしてくれたが決結局は横領に手を染めた草野くん、御局マウントをとる江戸川さんという恵まれない人々に囲まれても成実さんはへこたれない。暖かく見守ってくれた店長と奈津さん、口は悪いがどこまでも支えてくれたトヨエツ、支えてくれる人も世の中には存在する。これらには具体的なロールモデルがいるのであろう。第二弾はかけないかもしれないが、質素でそれでいてとても満たされたカレーライフ、珠玉の小説として
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Posted by ブクログ
間違いなく本格的なスパイスカレーのお店に行きたくなる作品。個人的には究極のカツカレーが食べたい、、、。
お客さんをホッコリさせたり癒す話ではなく、カレーを愛する主人公がカレーを作りながらたくさんの災難に見舞われ、成長していく話。
災難すぎる。私だったら人間不信になりそうだけど、世の中には変わった人、平気でずるいことをする人もたくさんいる。その人は信用に足る人物か、見極めるのってすごく難しいことだよなぁ。
でも、どんな人でも、そのがんばりを見てくれている人はどこかに必ずいる。いろんなことを教えてくれる作品。
好きを仕事にできるって羨ましい! -
Posted by ブクログ
美味しそうな食べ物が出てくる小説が好きで、たくさん読んできましたが、大概は悩んだりしている人が美味しいものを食べて元気になったり癒されたり…みたいなものが多いので、この作品もそうかと思って読んだら、全然違いました。
主人公が作るカレーは美味しそうなのですが、その主人公がお店をやっていると次から次へとトラブルに見舞われます。
人のイヤな所をこれでもかと見させられました。
でもある意味、こういう話がの方がリアルなんだろうなと思います。
読み進めるにつれて、想像もしていない方にどんどん話は進んでいき、ラストはどうなるんだろうとおもいましたが、いい終わり方で良かったです。