チョン・イヒョンのレビュー一覧

  • 優しい暴力の時代

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    ネタバレ

    島崎和歌子さんが出てませんが、めっちゃくちゃ面白かった!!

    何か奇をてらった派手な表現をしてるわけじゃなく、丁寧に書かれた小説、小説を読んでる!小説って面白い!って鮮烈に感じました。

    筆箱くらいの大きさの肉の塊に黒板消しくらいバターを乗せました、みたいな料理ももちろん好きだし良いんだけど、結局ちゃんと出汁とってちゃんと丁寧に作られた美味しいお味噌汁飲むとうわっこりゃ敵わないな、ファーストインパクトとか過激な何かに頼らない、筋肉隆々な人よりもパッと見強そうじゃなくて強い人ってもうそんじょそこらの生命体じゃ勝てないみたいな、私が例えれば例えるほど伝わりづらくなっている気がしますが、とにかく、小

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    2024年07月27日
  • 優しい暴力の時代

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    韓国を代表する女性作家の短編集(+おまけ)
    チョンセ賃貸や、競争社会、受験戦争、地区毎の貧困格差が背景にあり、物語に湿った影を落としている。
    絶妙な言葉選びや、複雑な心情の言語化が所々にあり、うんうんと頷いてしまう。
    例えば、タイトルの「優しい暴力の時代」は、SNSをみていると分かる気がする。
    「あなたのため」「世間のため」と他者を思いやるような言葉や情報で、誰かの劣等感や罪悪感を刺激しようとする。
    優しい、けれど緩やかに負担になっていく。
    物理的な暴力や、直接的な言葉の暴力は厳しく咎められるようになった現代。
    安心で生きやすくなったはずなのに、周りくどく傷つけられてる気がする。
    それが優しい

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    2024年07月08日
  • 優しい暴力の時代

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    韓国語原書『사냥한 폭력의 시대』

    生活の底の方にじっとりと横たわっているけれども見て見ぬふりをしてやり過ごしている、そういう悪意や諦めをすくい上げたような短編集。全体的に重たくて、わかりやすい救いもないし明るい読後感ではないが、こんなふうに生活は続いていくし人間は暮らしていくものだよなという妙な納得があった。こういう痛みをちゃんと見て書いてくれる作家は信頼できて好きだ。


    "사람에게는 사람이 필요하다. 원망하기 위해서, 욕망하기 위해서, 털어놓기 위해서."(p.216『안나』)


    "예의 바른 악수를 위해 손을 잡았다 놓으면 손바닥이 칼날에

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    2025年08月24日
  • 優しい暴力の時代

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    親切な表情で傷つけあう人々の時代
    本の中に80年代〜90年代の韓国の歴史(民主化、IMF危機)が刻まれており、格差社会の深刻化を知ることができる
    三豊百貨店事故の話を読むとセウォル号沈没事故のことを思い出し、多くの家族、親友などの尊い命が亡くなっていったことを忘れてはならない

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    2025年02月09日
  • 優しい暴力の時代

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    習慣で寄った本屋でなんとなく選んだ短編集が完璧にClassicだった。これは本当に凄いと思った。という体験を以前にもしたことがある、と思い出す。あのときも同じ本屋で同じ出版社、同じ翻訳者の文庫本を買ったのだった。電車で読み始めた最初の頁でこれは読みたかった本だ、と“分かった”ときの喜びも同じだったように思う。

    帰り道の終点駅のホームで読んだ最初の一編の最後のページ、そこに書かれた印象的な涙を読んで、泣きそうに、いや、彼と同じように「まだ起きていないできごとと永遠に起きないできごとを思い浮かべて」泣きたいと思った。
    物語られる幾つもの人

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    2025年01月11日
  • 優しい暴力の時代

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    家族や恋人、同級生などの閉ざされた関係性の中にある苦痛を社会問題や階級社会、韓国独特の不動産制度を交えながら書かれててすごかった…

    ちょっと読んだ後疲れた…「ずうっと、夏」が一番好き。

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    2024年10月22日
  • 優しい暴力の時代

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    読後、何とも言えない気持ちになる短編集。人の中には優しさと残酷さが共存してるよなーと思う。そんな中でも、割と爽やかな「ずうっと、夏」が1番好きかな

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    2024年08月22日
  • 優しい暴力の時代

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    ・自分は彼の国、韓国の事を映画、ドラマ、音楽等エンタメを通じて知る事が殆どなのだけど、それらに触れる度にほんと、羨ましいなぁと思う事が多い。
    ・端的に言ってどれも非常に元気に感じる。表現として健全で外向きのエネルギーを強く感じる。日本の今の表現のどこか閉塞感を感じる(明るい表現でも)のと対照的だな、と思ってる。
    ・果たして、この小説も凄いLOWなトーンの日常と心情を描きながらも、受け取った印象はやはり表現としての健全さだ。日本に住む自分も非常に「分かる」と感じた。
    ・日本でも個々で格闘している表現者の方達はいるのだけど、そこから自分が感じてしまうのは「何処にもいけない」感じだ。
    ・なんか羨まし

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    2024年06月23日
  • 優しい暴力の時代

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    優しい暴力の時代というタイトルのインパクト

    手抜き工事によるデパート崩落事故の「三豊百貨店」北朝鮮と韓国の少女たちが異国で出会う「ずうっと夏」
    が印象に残った

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    2025年08月24日
  • 優しい暴力の時代

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    暴力の連鎖は止まらない__
    絶望的な世界で生きる痛みを記録した短編集。
    生きているから傷つき、傷つける。被害者意識が強くなりがちだが加害者でもあることを忘れてはいけない。優しいと暴力の組み合わせに違和感を感じたがあとがきを読んで納得した。

    すっと入ってくる内容ではなかったので、読み進めるのに時間がかかりました。

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    2025年05月24日
  • 優しい暴力の時代

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    故意ではなく誰かを傷つけたり、傷つけられたりする日常を切り取った短編集。
    物語を読み進めていくと、この『傷』を『優しい暴力』と表現されていることに納得がいきました。『何でもないこと』という作品で、10代の妊娠と出産に直面した母親が大きなショックを受けつつも、自分たちの日常を止めることが出来ず、産まれた未熟児の生をなかったことにする様子がとても生々しい痛みに感じました。
    誰にでも起こり得て、自分も加害者になっていることに気付かされる作品でした。

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    2025年03月20日