林容子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
認知症の当事者が家族、介護者と共に、アートコンダクターとの対話をしながら1枚の絵を見る。認知機能が低下した人でも、絵を見て対話することで脳の活性化や気分の向上が期待できるというアートリップ。印象的だったのは、もし描かれている犬を認知症の人が「猫だ」と言っても、否定するのではなく「なぜそう思ったのですか?」と尋ねるというエピソード。そう問うことで、「昔買っていた猫と眼の色が同じだから」という、本人なりの理由が出てくる。「どう見たって犬だ」とか「何でそんなことわからないんだ」という否定的、悲観的な返答をするのではなく、なぜそう思ったのか、というところに視点を合わせることが重要だと感じる。絵を鑑賞す