鮫島浩のレビュー一覧
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明石市長として、「5つの無料化」などの充実した子ども施策や、弱者に寄り添った先進的な条例の制定などで名を馳したが、「暴言」問題でも注目され、現在は明石市長を退任して全国に明石モデルを広めることに尽力している泉房穂氏が、ジャーナリストの鮫島浩氏を聞き手として、これまでの闘いの日々、議会論、政党論、役所論、宗教・業界団体論、マスコミ論、リーダーシップ論について本音を語る。
「私は故郷・明石のことを心から憎み、心から愛しているんです。まだ消えない理不尽に対して、誰よりも強い憎しみを抱いている」という強い思いを抱いて政治家となったこと、口で言うだけでなく具体的に問題を解決してこそ政治家という信念の下で -
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泉市長が退任した翌日に発売された本。
肩書を外し、政治をケンカだと言い切るタイトルから、強烈な内容を想像したが、ある程度想像範囲内の内容。
ただ、実際の市役所と議員の関係などは生々しく、読んでいて想像力をかきたてられた。
既存のシステムに従わないことや、既得権益を持つ人たちと戦うということは、文字にしている以上の戦いだったと思う。今となっては泉市政は評価されているが、戦っている最中は評価も見えない状態で、そんななか信念を貫きとおすことができるのは、政治家といえども数多くはないだろう。
対話形式の本だからこそ、話が盛り上がり熱くなっていく様子もよく分かる。
泉さんの想いは良く伝わった。
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戦後、日本の政治報道やオピニオンを先導し続けてきた朝日新聞政治部。その最後の栄光と滅びゆく日々が、登場人物すべて実名で生々しく描かれる。
吉田調書のことは記憶にはあるが、当時は恥ずかしながらさほど関心を持っていなかったので、結構叩かれていたな・・・くらいの認識だった。それより個人的には池上コラムの方が気になっていたので、本来はそちらが問題だったという著者の解説が腑に落ちた。しかしここまで組織の内部を赤裸々に書いてくるのもすごい。臨場感がそのまま伝わってきて面白かったけど、この人命を狙われたりしないのか心配になるレベル。上司として尊敬していた人が豹変するってとても傷つくこと。それでも自分にできる -
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【感想】
新聞社を含むマスコミが権力に忖度し始めたのは、安倍政権になってからだ。東京新聞の望月記者が「記者会見が出来レースになった」と指摘しているとおり、菅官房長官の就任以降、質問は事前通告しか受け付けず、ぶらさがり取材も無視されるようになった。だが、政治の暴走を許すようになったマスコミも同罪である。官邸からの圧力を受けた新聞社同士が、互いに相互監視をするような空気を形成し、枠から外れた記事を書くことを避けるようになった。マスコミは、権力者に擦り寄りすぎてしまったのだ。
本書は元朝日新聞記者の鮫島浩による「内部告発本」である。鮫島氏は1994年に朝日新聞に入社してから、主に野党(民主党)を担 -
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時代は変わっていく。しかも加速度的に。しっかり仕事をして、頭を使っていれば、分かるはずなのに、その変化を見ようとしない人たちが実に多い。気づいても気づかないふりをして、変わりたくない人たちが実に多い。
朝日新聞は崩壊のカウントダウンを始めた。ひょっとしたら会社は残るかもしれないが、良質なジャーナリストが集う媒体ではなくなるのは必至だろう。しっかりした人ほどやめていく。そういう現実が、この本ではっきりと描かれている。
さて、この手の「新聞社崩壊」系の本は最近よく出てきたけれども、問題はその先だろう。玉石混交となった政治報道・社会報道のその先に、健全な民主主義社会とか、あるいは秩序があって自由