相川英輔のレビュー一覧

  • ハンナのいない10月は
    テンポの良いストーリーテリング。中規模大学とその関連で起きるできごとに巻き込まれる主人公や登場人物。ご都合主義といえばそうだが,人生の奇縁もそんなもの。物語の背景にあるライバル大学からの攻撃?は解決されないが,発生する出来事を通して登場人物が少しずつ成長するので,読後が爽やかで希望がある。伏線は回収...続きを読む
  • 黄金蝶を追って
    過去、現在、未来。様々な時代を舞台に描かれるSF短編集。
    しばらくSFから離れていたが、この本を読んでSFの面白さを再認識した。
    いずれも日本が舞台なので想像しやすい一方で、現実から少し浮いたような、ふわふわする感覚がある。
    夏休み、少しいつもと違う雰囲気の中で、この浮遊感を楽しむのも面白いのでは。
  • 名著奇変
    「SNSの中の手紙/柊サナカ」
    「影喰い/奥野じゅん」
    「Under the Cherry Tree/相川英輔」
    「カムパネルラの復讐/明良悠生」
    「せりなを書け/大林利江子」
    「山月奇譚/山口 優」
    六話収録の短編集。

    『銀河鉄道の夜』や『走れメロス』等の名作を現代風に進化させたホラーミステリ。...続きを読む
  • ハンナのいない10月は
    ラノベっぽいキャラクター重視の作品なのかな、と期待せず読んでみたら、そんなことはなかった。二人以上の登場人物が「事件に巻き込まれる」ためにはそれぞれ理由が必要で、とくに連作ものだと、「一つ目の話の事件関係者」が二つ目でも三つ目でもずるずる関わっていたらさすがに違和感がある。そういう点でも、特に学生ふ...続きを読む