早川健治のレビュー一覧

  • 「進歩」を疑う なぜ私たちは発展しながら自滅へ向かうのか

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    進歩主義を疑う視点を身につけられる。
    様々な思想は、良い面もあれば。欠点もある。どれだけ素晴らしいものでも、その性質があるが故に、陥る穴がある。そして、その弱点は、その思想が見落としている側面による。

    ファシズム系の展望には保守的な近代化がある。伝統的イデオロギーが出てくると厄介

    科学が環境問題を生み出しているが、科学を捨てて問題解決はない
    地球工学という考え方があるが、地球規模の協調が必要
    大文字をうたがうさいには、ソクラテスに帰れ
    右派ポピュリズムの悪循環もきりがはれるときがある
    既存の枠内では、運命が予め決まっているかのように見えるが、それでもこの枠組みを変えることはできる。
    →今の

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    2025年09月15日
  • 「進歩」を疑う なぜ私たちは発展しながら自滅へ向かうのか

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    ジジェクの時事的な文章を集めたもの。アジテーション的な文章のため、訳者も言及しているようにところどころ危うい解釈も入り混じる。特にいまさら量子力学的な解釈に寄りかかって比喩的に使う必要なんてないだろうに。まあそんなことは委細構わず突き進む強さがジジェクの文章にはあり、稀代のアジテーターだけあるという感じ。特に最終章の否認の概念には共感できるところがあり、ダメかもしれないと思いつつも変えるべく動くという考え方はいま求められている思想なんだと思う。
    その他、多くの新しい思想にも言及されていてその意味でもいい紹介になっている。

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    2025年09月15日
  • 「進歩」を疑う なぜ私たちは発展しながら自滅へ向かうのか

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    イアン・ブルマと並行して読んでいると、ジジェクの言う「メビウスの輪」というのが実感できる。植民地主義への批判は真っ当だが、ポストコロニアルの現地の政府が横暴な専制、暴政を行う。「悪手かより悪い手か(前門の虎、後門の狼)という選択しかないように見える」。なるほど。惨事の脅威に立ち向かうよう求められている現代、同時に「管理された世界の一見正常な構造やリズムこそが究極の惨事であるという点を念頭に置く必要もある」と。

    人類が目指しうる唯一の疑いなき「進歩的」目標は単純な生存なのだ、というのは深く納得。
    ソクラテス革命が必要。詭弁家(ソフィスト)たちが演じる空虚な詐術がポリス(都市国家)の伝統をもっと

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    2025年09月01日
  • 「進歩」を疑う なぜ私たちは発展しながら自滅へ向かうのか

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    訳者によるとジジェク思想は次の3つの要素を柱としている。
    1.哲学~ヘーゲルとラカンを筆頭に、カント、ハイデガー、マルクス、フロイトからの概念群が用いられる。西洋哲学の古典や近代哲学、ポストモダニズム思想の各潮流にも頻繁に言及がある。
    2.時事~原稿執筆当時から1年以内くらいの範囲で起こった出来事が分析される。
    3.文化~映画や音楽、小説や美術に加え、ジョークや政治、宗教や歴史を含む広義の文化が参照される。加えて、近年では量子物理学や進化生物学のような、自然科学の分野への言及、そして西洋以外(特にアジア)の文化や宗教への言及も増えてきた。
    感想としては以下の通り。
    ・ヘーゲルやラカンに言及する

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    2025年09月09日
  • 人新世の人間の条件

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    人新世とは人類による活動が共時的に地球規模の痕跡を残し、層序学的に地質営力として認められるような地質代の名称

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    2023年02月24日