ウィリアム・H・マクニールのレビュー一覧

  • 疫病と世界史(下)
    「ペスト」を読んだので、感染症の認知度とか、予防・免疫について、どこまで分かってた時代なのか知りたくて読みました。難しかったですが、面白かったです。戦争と感染症が、お互いに人口の割合を自然操作しているものってところが凄いなと思いました。人の意思とは、世界の意思から逸脱できないなんだなと。神様信じてな...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
    書かれてのが、エイズが流行してた時代という古いのはともかく、なんか文章が読みにくい。
    あと、題名から想像できる内容とは若干違う。
    世界史じゃ無くて、「人類史における、権力の発展と感染症との相互作用と、その歴史」とでもいうべきなのか、
    まあ、「ミクロ寄生とマクロ寄生という概念を用いて、ミクロ寄生とは感...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
    実証的な裏付けをさほど重視していない点で時代を感じるところはあるが、それにしても40年前にこんなものが書かれていたとは。
  • 疫病と世界史(上)
    天然痘がインド生まれだなんて、よくわかるものだなと感心した。病気の伝染と人類史を絡めるという視点が新しいと思った。なおかつ、説得力もある。
  • 疫病と世界史(下)
    感染症の観点からみた世界史
    関連リンクの「感染症の歴史」について先駆的に叙述したもの
    同著者による『世界史』と同じく
    ひとつの確固たる視点から人類の歴史を概観している優れた歴史書だが
    未開の分野で先立つものの少なさからか
    説明がばらけすぎていて読みにくいところがあり中途半端
    疫病の場合は人間の歴史と...続きを読む
  • 疫病と世界史(下)
    下巻では3つの章に分かれていて、紀元前1200年から1500年まで、1500年から1700年まで、最後は1700年以降の医学の発達に伴う生態的な影響について述べられています。世界史の教科書を紐解くと殆んどと言っていいほど疫病についての記述がありません。唯一、14世紀にユーラシア大陸全体に流行した黒死...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
    著者のマクニール氏は当然歴史家ですが、これを読むと科学者でもあると思うのです。
    この本では「世界史」で詳細に触れていない疫病について述べているのですが、数少ない古書を紐解くにしても医学や生物学などの自然科学の知識がないと、感染症ついては到底推測できないからです。グローバル化した現代社会では地球の裏側...続きを読む
  • 疫病と世界史(下)
    こんなすごい本が、この金額で読めるってすごい。

    不条理な、救いのない大量の死が神さえも駆逐する。
    高校生のころ、歴史を勉強していたときに、急に強くなったり滅びたりする権力の原因が全然分からなかったけれど、確かに疫病という視点はなかなかなかった。

    とてもいい本であったが、日本語訳がときどき???な...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
    ときどき日本語が変なんだけど、そこは仕方ない。
    歴史を学んでいると、よほどでないと病気の話ってでてこなくて、この本を読んで震えた。
    地政学を読んだ時、自然の境界を越えたとき、国は滅亡するってあったんだけど…これ、病気もあるんだろうなぁ。
  • 疫病と世界史(下)
    (上巻より続く)

    本筋は、
    人類は病原体によるミクロ寄生と、他の肉食動物、つまり同じ人類、のちには征服者、支配者によるマクロ寄生のはざまで、つかの間の無事を保っている存在だ、
    ということですかね?

    確かに、人類誕生以来の疫病との戦いを読んでいると、
    食物連鎖のヒエラルキーの頂点にいるのは、
    人間...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
    経済雑誌のおすすめ。

    決して難解な文章ではない。
    ただ、あまりに膨大な情報量、
    反語表現の多さ、
    時空を超えた例示にキャパオーバーになってしまう。
    自分がどこにいるのか、いつの何の話を読んでいるかを
    見失いがち、とでも言うか。

    そしてついつい、本筋を離れて、枝葉末節の話を拾ってしまう。
    英国海軍...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
    世界中で長く読み続けられている中公文庫の「世界史」を書き上げたマクニールが、『疫病』という観点から歴史を紐解いた本。


    最近文庫化して中公文庫「世界史」の隣においてある「銃・病原菌・鉄」と似たテーマであり、病気というものが如何に人類に影響を与えてきたのかがよく分かる。


    人類を最も多く殺したのは...続きを読む
  • 疫病と世界史(下)
    下巻は、モンゴル帝国~現代までが対象である。

    文化という人類共通の遺産のおかげで、「宿主」たる人間が食べられるパイ自体も大きくなったし、寄生体に対しても強気の姿勢を示せるようになった。

    そもそも宿主-寄生体モデルは、両者に対して働くポピュレーション抑制機能である。だとすれば、文明の名のもとに既存...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
    ウイルスや細菌などによる疫病と人類は切っても切れない関係にありますが、その疫病の蔓延が歴史に及ぼした影響を、ときに少々強引とも思える論により展開されてゆきます。
    それにしても内容は幅広く、人類の黎明期から現代、しかも全地球規模にわたって丹念に述べられています。日本もちょっぴり。
    「ミクロ寄生」「マク...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
    疫病と人間との関係、さらに疫病が歴史に及ぼした影響まで考察した好著。「マクロ寄生」と「ミクロ寄生」の概念は非常に面白い。
  • 疫病と世界史(下)
     下巻はモンゴル進出以降の疫病の歴史。黒死病と言われたヨーロッパのペスト禍。この間を含めローマ帝国最盛期からルネッサンス期まで、ヨーロッパの人口は殆ど増加しなかった。そして、新大陸到達におけるインディオの低免疫によるユーラシア・アフリカの疫病禍。絶望的ともいえる人口の減少は数百年かけて奥地の小部族を...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
     人類に寄生、感染発病する疾病、捕食者を地域と時系列で追った社会学的著書。現生人類の誕生前の樹上生活時から、世界各地に文明が栄える12世紀までを上巻で取り上げている。

     著者は寄生を広義にとらえ、ライオン・オオカミなどによる捕食、ヒトによる寄生(略奪・支配)をマクロ寄生とし、微生物についてはミクロ...続きを読む
  • 疫病と世界史(上)
    初稿1974年。本書は疫病がいかに世界史に大きく影響し続けてきたのか、その可能性を提示するものであり、それを裏付ける証拠については、筆者自らが語るように十分ではない。

    疫病による世界への影響が改めて確信された2022年現在においては、その主張の全てを受け入れてしまいそうになるが、『熱帯アフリカから...続きを読む
  • 疫病と世界史(下)
    下巻はモンゴル帝国から近代までを取り扱う。著者の世界観が、ウィルスとのバランスの上に人類の社会構造が成り立っているという点は一貫している。
  • 疫病と世界史(上)
    人類と疫病について。
    人類発症の地アフリカは長く人類と疫病が共存することで均衡に達し、人類の人口を爆発的増加を抑止する強力な風土病が多いという視座は興味深い。
    本書のテーマだから仕方ないかもしれないが、歴史の流れを全て疫病で説明しようとしているため、どこか論理的な無理を感じる。