学生時代に坂爪さんのibayaブログを読んで心震わせたことを思い出す。
美しい装丁に彼らしいこだわりを感じる。
相変わらず、美しく、心を打つ文章を書く人だ。というよりも、言葉を紡ぐために命を燃やしてきた人だと思う。
以下、心に留まったポイント。
・「1日1F」1日に一度は恐怖心(FEAR)を覚えることを実行すれば、来年の今頃は今よりもずっとタフな自分になれる。勇気を出して何かを行えば、必ず何かが変化する。
・イライラしないコツは「すべてはベストタイミングである」と信じることだ。雨が降ることの中にも、電車に乗り遅れることの中にも、苦手な人と同じ空間を共にすることの中にも、多分、何かしらのヒントは隠されている。神様からの謎解きみたいなものだと思えば、毎瞬間は宝探しみたいなものだ。
・他人を信じる(自分を信じる)ことができるのは強さであり、他人を疑うことなら誰でもできる。
・人間の生き方は連鎖する。怠惰な姿勢は、怠惰な心を連鎖させる。前向きに生きる姿勢は、前向きな心を連鎖させる。
自分がここまで生きてこられたのは、周囲に「前向きに生きようとする人間」がいたからだ。環境に恵まれていたからではなく、過酷な状況の中で、それでもなお「俺はやるぞ」と前を向くことを諦めなかった人間たちに、私は、励まされてきたように思う。
貧しさは、人間をダメにすることもある。しかし、貧しさが人間を鍛えることもある。あらゆる環境は、その環境を「人間自身が、どのように生かしていくか」によって、良い環境にもなれば、悪い環境にもなるのだろう。
恵まれた環境とか、恵まれた社会とか、恵まれた能力とか、きっと、全部幻想だ。大事なことは、自分が「それをどう生かすか」なのだろう。
それは、今、ここにある自分を「これが自分という人間なのだから、さて、どういう風に生かしていくか」と、できる限り本気で考えて、失敗を恐れず、無理解を恐れず、できる限り本気で実践することなのだろう。
真面目に生きようとすることは、かっこ悪いことなのかもしれない。もっとさらっと、もっと余裕で、もっとなんでもないことのように、何かをやれることの方がかっこ良いことなのかもしれない。
ただ、私は、無様でも、不器用でも、真面目に生きようとする人間のかっこ悪さや愚直さに、生きることのひたむきさ、生きることの尊さを見る。