瀬戸晴海のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
警察は総合診療科、麻取は最先端の医療チーム。ほかに税関と海上保安庁も薬物捜査権限を持つ。麻取の総員は300人と極めて少ない。
麻薬の世界市場規模を50兆円とする統計も存在する。これはフィリピン国家予算の約6倍である。
諸外国の麻薬はヘロイン、コカインが主であり、覚醒剤が8割を超えている日本は世界的に珍しい。フィリピンでは覚醒剤かシャブと呼ばれている。覚醒剤は日本で初めて合成されたことに由来していると思われる。
シャブの語源は、戦後ヒロポン取引を行っていた男サブが変化した説、骨までシャブられ死ぬという説などがある。
原料の植物を栽培する必要がなく化学部室の合成のみで製造可能なため、製造が割と簡単 -
Posted by ブクログ
非常に面白い本です。
そもそもマトリ=麻薬取締官が厚生労働省に
属していることを、どれだけの人が知っている
のでしょうか。
警察ではないのです。
戦後間も無くのヒロポンから、最近の危険ドラ
ッグまで、いわゆる薬物に関わる事例が全て
網羅されています。
こういう本を読むと、今までは新聞やニュース
で何となくスルーしていた情報に対しても、
「おっ、彼らマトリはまた大きな事案の検挙を
成し遂げたのだな」と、関心を持つようになり
ます。
社会に対する目が広がります。
もう一つ彼らの仕事に対する姿勢には感動しま
した。
昨今の麻薬取引はIT化されていることは想像に
難くないと思います。ネット -
Posted by ブクログ
厚労省管轄下の薬物犯罪と捜査を担う、麻薬取締官、通称「マトリ」の実態に迫る一冊。
そもそも一般人にとって麻薬に関わる犯罪は警察の範疇なのでは?と思っていたが、日本では、警察、マトリの他に税関、海保の4つの機関が関わっていて互いに連携しながら活動しているという。
マトリの特徴としては、捜査官、行政官、薬剤師の顔を併せ持ち、300名程度の少数精鋭組織。それで全国をカバーしてるのは驚き。
戦後ヒロポンの乱用に対応すべく組織が発足し、取り締まる薬物も大麻、ヘロイン、向精神薬、脱法ドラッグ、流通経路も時代によって変遷し、逸れに毅然と立ち向かってきた「マトリ」による激動の軌跡。
淡々とした文面の本書の裏に -
Posted by ブクログ
薬物についての過去から現在について勉強になった。
昨年、オランダに行き大麻を吸ってから合成カンナビノイドについて調べることがあった。
幸い、日本で大麻や合成カンナビノイドを使用するほど中毒に陥らなかった。個人的には大麻の依存性はあまり高くないんじゃないか?と思い、海外の文献を調べた結果やはりそうだった。依存という観点では、アルコールやタバコ、カフェインよりも低いことが科学的に証明されていた。だからと言って推奨するものではないが、日本において大麻の医療研究はすべきだなとは思う。
まとまりのない文章になってしまいましたが、危険ドラッグの全滅。素晴らしいと思います。
また時がきたら読みたい。 -
Posted by ブクログ
◯漢らしい文章、熱い、マトリ24時。話を戻そう。
◯著者は人事院総裁賞を何度も受賞している。こんな賞、誰がどうしたら受賞できるんだ?と思ったことがあるが、なるほど、こういう組織、人たちが受賞するのだと思えば納得である。
◯厚生労働省といえば、今で言えば感染症対策、少子化対策して、介護政策、年金政策などなど、我々の生活に密着した政策が多い中、麻薬取締もやっている。幅広過ぎる。しかも麻薬取締官は拳銃所持しているという。よほど行政に詳しくないと、これは知らないのではないか。
◯働いている人は主に薬剤師さん。病院、薬局、ドラッグストアに勤めているイメージしかない。資格取る人でこの仕事選ぼうという人はど -
Posted by ブクログ
【目的】
「マトリ」とはどんな職業なのか
なぜ、薬物逮捕者が減らないのか
どのようにして薬物と接してしまうのか
【内容】
知らぬ間に「運び屋」にされたり動く「薬物コンビニ」が存在し、売る人も普通の人がほとんど
日本で麻薬を取り締まる組織としては、薬物取締りを任務とする「マトリ」、「警察」(警視庁等地方警察の薬物捜査専門部署)、「税関」(各税関の禁制品取締部門)、及び「海上保安庁」(各海上保安本部の密輸事犯取締本部署)の4機関があり、それぞれが専門性を生かした対策を講じている(p.19)
国連等国際機関の調査結果や各国の分析資料から、その取引総額は優に50兆円を超えていると推計できる(p.31 -
Posted by ブクログ
薬物犯罪捜査と医療麻薬等のコントロールに特化した専門家的公務員であり、約300名の精鋭からなるおそらく世界最小の捜査機関である厚生労働省麻薬取締官、通称「マトリ」。本書は、その実質上の本部である関東信越厚生局麻薬取締部部長等を歴任した著者が、知られざるマトリの実像を紹介。日本の薬物犯罪を時系列で振り返りながら、それぞれの時代に麻薬取締官がどのような捜査を行ってきたのかを、著者の実体験からのエピソードを交えつつ解説している。
日本の薬物犯罪がどのように変遷してきたのかや、麻薬取締官はどのような捜査をしているのかなどについて、普段薬物犯罪があったときの新聞報道くらいでしか知らなかったので、とても理