引用文献リストが分厚い。一つ一つの論文に目を通すことは難しいけれど、こういうリストがきちんと付いているかいないかで、読むに足る本かそうでないか指針にはなる。
第1章は妊婦さん向けの章なので飛ばした。摂取することにより効果が証明されているサプリメントは、妊娠期の葉酸くらいと岩田先生も言ってたけど、本
...続きを読む書でも葉酸は推奨されている。胎児の神経管閉鎖障害の予防、および妊娠率向上のため。
第2章、母乳まわりの話。これが一番読みたかった章。自分が乳腺炎を繰り返すので、糖分・油分を厳禁にするか否か、ネットや医療機関でも意見が分かれていたため。
結論から言えば、糖分・油分を厳禁にする必要はない。食事によって乳腺炎を発症するというエビデンスはない。
母乳の「美味しい、まずい」にも食事内容は影響しない。ただし、においは変わる。なお、ニンニクの匂いが強い方の母乳を赤ちゃんは好んだ。
では、赤ちゃんの好きなにおいは何か?羊水の匂い。で、この羊水の匂いは、母親の食事内容に影響を受ける。
★食事という1つの条件だけを抽出して、母乳の質や乳腺炎の発症という結論に結びつけることは、いささか暴論。
乳腺炎の発生についていえば、①食事、②生活の余裕という2つの条件が必要だと思った。
和食をつくるという手間暇をかけられるということは、時間的余裕があり、過重なストレスもかかっていない可能性が高い。だから乳腺炎を発生しづらい傾向があるということは言えるかもしれない。
…というのもあくまで仮説なのだけど、なにか結論を導こうとするときに、AだからB というように、「1条件だけで決まる結論」には注意してかかった方が良い。Aを取り巻く背景、隠れている条件が無いかは要確認。
育児まわりの言説にはこういうことがたくさんあると思う。