辻次夕日郎のレビュー一覧
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世界観はすごい、が…
既視感ありありではあるが、この世界観自体はすごい。
冒頭は「トップをねらえ!」シリーズの影響を強く感じる。
次いで怪獣のデザインはご存知「シン・ゴジラ」の第二形態「蒲田くん」のもの。
その他、「呪術廻戦」や「怪獣8号」、弐瓶勉の作品群と似たイメージも多い。
ただ、地球がスノーボール(氷結状態)になっているという発想はすごい。
キャラ絵も抜群で、これが初めての作品とはとても思えないレベル。
ただし、メカ描写はクセが強すぎ(このあたりもトップをねらえやシドニアの騎士のイメージ)で、ここは好き嫌いが分かれると思う。
個人的にはこのメカは苦手な部類。
設定や展開にツメの甘い部分があったり、キャラのクセが強すぎる(強調され過ぎている)面などは少年マンガ系に良くあるパターンだとは思うが、初めての作品でこの出来はすごいと思う。
弐瓶勉作品が好きな人なら、恐らく気に入るんじゃないだろうか。
もう少し先まで読んでみたいと思わせるレベルの作品。 -
Posted by ブクログ
10年前の地球凍結から、生き残った人々が三島へたどり着いた顛末を語る乃木蒼。
人類が絶滅寸前の世界で、過酷な現在を強く生き抜こうとしている人々がいる一方で、手に入れた力を利用して独自の思想で動いている人間もいる。
かつての地球防衛組織だった「E-RDE」の名を継ぐ「E-RDEの灯」と名乗る集団。彼らの目的は怪獣撃滅。なのですが、そのための戦力強化のために、他人の生活を犠牲にすることが当然と考えている節がある。選民思想なのかな。
敵であった怪獣とつながることで異能力を獲得した人間の集団なので、そうなってしまうのも仕方がないことなのか。と思わないでもないが、三島改めミシマ・モールが居住地になっているのは、怪獣の力を武器でなくインフラとして使用しているからであって、綺麗事かもしれないけど、共存の道は開かれているのではないかと思う。
怪獣と繋がった人間の思考や精神によって、大きく左右されそうなことか。
鉄男の友達100人計画も、怪獣との共存はあるんじゃないだろうか。
「E-RDEの灯」の襲撃を受けるミシマ・モールと鉄男。鉄男が前線に孤立してしまった中、襲撃を受けるミシマ・モールは助かるのか蹂躙されるのか。
温泉と石焼きスープが非常にずるかったので、あの場所が悲惨な目に遭うのは避けてほしいところです。体の芯からあったまるのは、何よりのごちそう。 -
Posted by ブクログ
宇宙から地球へと襲来する怪獣の大群。迎え撃つは決戦兵器スノウマンと、そのパイロット鉄男。全方位無限レーザーで怪獣を殲滅する時間を稼ぐために、囮となって単騎突入。
全方位無限レーザーが発射されれば、勝利は確定。作戦に不備はなく、後はレーザー撃つだけという余裕綽々のはずだったのに、まさかまさかの不発。
たぶん、不発の理由はネーミングかな。全方位無限レーザーって、超ミラクルスーパーなんちゃらと同じ匂いがするもの。あと、レーザー戦艦のクルーが死亡フラグ建てすぎ。
そんなこんなで作戦失敗。必死に戦ったスノウマンと鉄男ですが、侵攻を止めることはできずに敗北。鉄男が地球に脱出し、10年経った時点から物語が始まります。
敗北から立ち上がれ人類、ということか。その旗手となるはずの主人公が鉄男なのだけど、重度のコミュ障という体たらく。敗北前は組織の一員として行動していたので、広報の人とかに守られていた面もあるのでしょうが、崩壊してしまった世界で孤軍奮闘できるのか。ちなみに、敗北し崩壊した地球は全球凍結してます。それがタイトルです。
鉄男が唯一コミュニケイトできていたのが、決戦兵器スノウマンのAI・ユキオ。
戦いを通じて、機械と人間が感情を交わすという物語であるのですが、その経過はプロローグであっさり語られます。おそらく、鉄男の方がコミュ障だからでしょうね。
鉄男が今後の戦いの中で、さまざまな人や敵と出会い成長してゆくのが描かれるためなんでしょう。
スノウマンなので雪男、ユキオ。
これって、雪女の物語が下敷きになっていたりするのかなぁ。雪女は、正体を知った男が逃げ出してゆく。人間のコミュニティに入れずに、置き去りにされてしまう話。
鉄男のコミュ障が改善されて人間社会になじむ。ユキオはその変化を喜ぶけども、少しずつ距離感を感じ出してしまう。みたいな暗い想像してしまった。
ユキオでなくて、スノウマンと呼び出したりはしないよなぁ。雪女も、最後は愛した女性を化け物と呼んで逃げていったパターンがあった記憶。うしとらかな。
全方位無限レーザー失敗後や、凍結した地球での再会のシーンなど、鉄男とユキオの関係性は心を撃つものがあるので、積み重ねてきたものが反転崩壊するのはしんどいぞ。
そんな不安を感じてしまった1巻でした。歪んどる。
その自分の歪みからくる不安を吹き飛ばすほどに震えたのが、
「大丈夫だ……」
「だ…大丈夫だよ!大丈夫だ!そうだろ?オレたちは……この光景を知っている‼︎」
反撃の一撃炸裂の場面です。いい!反攻の一撃!希望の一撃!
これだよ、この鬱屈した感情、閉鎖された状況をぶっ飛ばす解放感。
青い空!
白い雲!
高くそびえる鉄塔!
襲いかかる怪獣!
勝利を確信して歓声を挙げる人々!
まさに放たれんとする必殺技‼︎
いいっ‼︎これだっ‼︎これだよっ‼︎
いずれ、鉄男とユキオの別れは来るとは思うのだけど、最後の言葉は「友だちを作る」でなくて「友だち、たくさんできたよ」でありますように。ユキオの「よかった」が安堵でなく歓喜でありますように。 -
Posted by ブクログ
「しますネ、自爆。」
「うん、ユキオ。二人で地球を救おうな。」
外銀河での最終決戦から戻った主人公が見たのは、全球凍結した地球だった。というハードっぽいSF漫画の第1巻です。
まずタイトルが良い。過去にこの地球でもあった全球凍結=スノウボールアースという言葉はSF好きな人には馴染みのある言葉と思いますがまあカッコいい!ですよね~。
そして「事後」が舞台のお話楽しい。「葬送のフリーレン」もそうですが、めでたしめでたし、の後のお話って面白いですよね。
それがポストアポカリプス物だっていうのが二重にお得(?)です。
さらにさらに、銀河怪獣のデザインが「蒲田君(シン・ゴジラ)」なところも良いし、無敵のロボがいなくなった後どう戦うの?というハラハラ感も良い。最終形態での必殺技ロボ7刀流が使えなくなってロボ1刀流からまた始まるの燃え展開です。
文明が壊滅した社会で怪獣が資源として利用されてる描写も大好物です。
主人公がコミュ障で友だちいないあたりは今どきな設定ですね。
ドカンと広げた風呂敷も大きくて、これは今後の期待が大きい良作です。
なぜ最終兵器が使えなかったのか、なぜ地球は凍結したのか。銀河怪獣がヒト型に変化しているのはなぜなのか(このへん「怪獣8号」っぽい)。
ともあれSFファンは要チェックですよ!