出口弘親のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
デジタル技術を活用しながらも、古いやり方をただ捨てるのではなく、必要なものはきちんと残して成果につなげている点だった。新しいか古いかではなく、課題に対して何が本当に有効かを見極める姿勢が一貫していて、その考え方に強く惹かれた。
一方で、iPadの全社員配布やRPA活用など、先進的な取り組みも積極的に進めているのが面白い。アナログを大事にしつつ、デジタルも手段としてしっかり使う。このバランス感覚こそが強さなのだと思った。
細かい取り組みの中では、飲みニケーションの考え方も印象的だった。特に上司と部下のサシ飲みをルール化しているのはかなり独特だが、関係づくりを仕組みとして支えている点に納得感があった。挨拶の徹底や経営戦略の浸透も同じで、ルールを作るだけで終わらせず、形骸化させないところにこの会社の強さがある。
有給取得率の高さを良い企業の指標と捉えている点にも共感した。社員が安心して休める環境は、社員を大切にしている証拠でもある。そのために上司が率先して有給を取り、さらに一つの業務を複数人が担える体制を作るという考え方もとても実践的だった。
人員は余剰のほうがいい、という発想も印象深い。人件費を抑えることを優先してギリギリで回すのではなく、余裕があることで人間関係の余白や新しい仕事を生み出す余地が生まれる。その好循環を意図して作ろうとしているところに、この本の面白さがあった。効率だけではなく、組織の空気や働く人の余裕まで含めて考えることの大切さを感じた。