十三木考のレビュー一覧
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匿名
ネタバレ 購入済み最強ゆえに宮廷を追放された植物魔導師リィト。
宮廷での生活に疲れ果てていたため辺境の荒地を購入し、念願のスローライフをスタートさせる!
フラウ達と仲良くなり、水不足などの問題も見えてきた頃、宮廷から名誉騎士団長である第6皇女が現れる。
彼女目的はリィトを連れ戻すことだが…!? -
Posted by ブクログ
本作は巻が進む毎に小日向真や千路田、それを取り巻く周囲の環境への印象が変わっていったのだけど、この最終巻はそういった混乱の果てに相応しいものであったように感じられた
果たして小日向真は男なのか女なのか。もしそこに嘘があるならばどのような意味があるのか。それを登場人物たちが一生懸命に悩み藻掻いた様子が感じられる最終巻だった
というか、真の性別については完全に騙されたと言うか、良くも悪くも術中に嵌っていたと言うか
そもそも真は最初から男の娘であると明言されていたけれど、そこに数々の思い込みが重なっていった事で真の正体を判らなくさせ、千路田を惑わしてきた。でも、女だと思ったから千路田は告白したし、逆に男だと判ってしまうと感情の行き場が無くなってしまった
よく「男女の間に友情は成立するのか?」なんて命題を聞く。3巻まではその点を問いかけるような内容であるように思えた
逆にこの最終巻では「男と男の間に恋愛は成立するのか?」と問い掛けているように感じられた。勿論、近年において同性愛なんて珍しいものではないしそれを否定的に描けば論争が生じてしまうのだけど、取り敢えず本作において千路田は真が男であると知ってショックを受けてしまった
それは一般論などではどうしようもない感情だね
受け入れられず、受け入れて貰えないなら2人は一緒に居られない。そのタイミングでやってきた拓美は逆に今の真と向き合える人間だから尚の事、受け入れていない千路田がおかしいように思えてしまう構図が憎いね
そんな最中に始まった『ロミオとジュリエット』の舞台劇
ここで面白おかしいのはジュリエットが男であると設定改変され、そのジュリエット役に真が推されてしまう点だね
真扮するジュリエットを女として見るのか、それとも男として見るのか。それは拷問のように千路田を責め苛む疑問となってしまう
一方でこの疑問は千路田だけでなく真をも苦しめていたというのが本作の終盤に織り成される課題としてあげられているわけだね
自分を女だと思うから女の格好をするのか、それとも全く別の理由から女の格好をするのか。自分を男であると知っている真も、千路田と同じように性別について重く悩んでいたという事が舞台劇に被せるようにして判ってくる
でも、千路田も真も似たようなポイントで苦しんでいるのなら、解決策も2人して同じポイントに求められないわけなじゃないんだよね
千路田が『女の小日向』に恋してしまったことから始まった関係性。でも、そこに恋愛以外の感情が無かったわけではないんだよね
そうして『楽しかった思い出』を基に2人は一時的に仲直りできた
その後に明かされる真の心理描写は凄かったな……
可愛いから女の子の服を着て、女装する事で許される自分が居て、だからこそ許されない日が来るのを恐れてしまう。
そんな真にとって千路田や皆と過ごす日々は嘘に満ちていて、そして女装して舞台に上がるのは一種の死刑台のようなものだったのかもしれないな……
呼ばれても居ないのに舞台に舞い降りた千路田。彼が真に伝えるのは台本に有る台詞でも予定調和の台詞でもなくて、たどたどしい言葉達
この場面で千路田は何かを判っているわけでも伝えられるだけの何かを持っていたわけでもないんだよね。ただ、真と同じ楽しさを味わった千路田だからこそ無鉄砲に吠え立てられる言葉がそこにあった
互いに好意を抱いてしまったし、それを知ってしまった。その上で2人は友達として付き合っていく道を選んだ。その選択はとても尊いものであり、彷徨い続けた真にとって最大の救いとなるものなのだろうと思えた
許される子供時代の終わりは唐突にやってきて、二人のその後はほぼ描かれない。けれど、本作が男の娘という存在に対して真摯に取り組んだ上でこのような終わり方を選んだのならそれはそれで有りだったのだろうなと思ってしまう
待った甲斐のある最終巻だったと迷いなく言える代物だったね -
Posted by ブクログ
本作の方向性って大分変則的だと前々から思っていたのだけど、それがどのようなものかは自分の中で曖昧なままだった。けど、17話の華の発言で色々とはっきりしたような気がする
小日向ってここまで話が進めばその正体はかなり見えてくるんだけど、本人は変わらず男として振る舞っている。でも見た目はどう見ても女
女子からは女友達のように扱われ、男子からは男友達として扱われる。水着は女物を着るのに寝る際は男部屋
そのどっちつかずな在り方はとても狡いものであると同時に、人間関係に雁字搦めになっている者からすれば確かに「格好良い」と映るものなのかもしれない
そんな小日向に対して千路田はずっと男友達として接してきた。これはそもそも小日向が望んだから
でもそれは完璧に思い込んだ上での態度ではなくて、海で小日向が攻めた水着を着ていると聞いた際には性的なものを想像してしまうし、肝試しで押し倒した際には関係を壊しかねない発言をしてしまう
そういった諸々を見るに千路田の中で小日向を男友達と思い込む限界点は既に訪れていたのだろうね。
だから小日向が花丸の代わりに試合をすると聞けば、男友達相手であればしないような態度を取り、小日向を止めようとする。苛つきをぶつけてしまう
そのようにして千路田と小日向の関係性が壊れかけた空気の中で、「ちゃんと友達になりたい」と言葉に出し、その上で小日向を助けるために手を尽くした華の行動はとても良かったなぁ
小日向への友達発言、花丸への助言、伊藤との混浴。他人を拒絶してきた華が自分を変えるために、誰かを変えるために精一杯頑張った
それは千路田に対する一つのアドバイスになる。
「嘘」によって自分や他人を傷つけたと後悔する小日向。そんな小日向に対して千路田は自分の中に確かにあった、でも小日向のために封印していた想いを遂に吐露するのか
次巻で最終巻ということだけれど、この変則的な方向性を持った物語がどのような結末を迎えるのか楽しみで仕方ない -
Posted by ブクログ
他の方々の感想を読み、更に第二巻を読んで小日向の正体って……とようやく思えるようになったのだけど、実際のところ小日向の性別がどちらであるかってそこまで大切な要素ではないのではないかと思える第二巻だった
話をかき回す役として登場した穂月華。第一巻を読んだ時は「もしかしてこの少女も男の娘なんじゃ……」と疑ってしまった瞬間があったが、実際の正体はもっとえげつないものだった
彼女が小日向にしようとした事は酷いものだし、勝負の後に華が皆から敬遠されるシーンにはスカッとするものを感じたのは事実。けれど、作中で彼女が小日向へ向けた疑惑と同じようなものを多くの読者は持っていたのではないだろうか?
小日向は実際は男の娘ではなく本当に女ではないかと、もし女ならそれを証明するシーンを見たい、小日向の存在によって千路田始め多くのクラスメイトが混乱させられているのではないかと。
今回、華がした行為は許されるものではないけど、読者が疑っていたことを代弁するような行為だったのではないだろうか?だからこそ、諍いの終わりに小日向が「僕は男だよ」と華に言い、「だって、僕たち…友達でしょ?」と千路田に告げるシーンが描かれることで読者としてもこの疑惑について一区切り付けることが出来る
小日向真は男であり、同時に千路田の男友達なのだろうと。だから本作に置いて小日向の性別は重要ではなく女のように見える小日向とどのように交友関係を結んでいくのかが重要になっていくのではないだろうか?
そうして千路田が認識を新たにしたというのに、その後に描かれるのが看病イベントで再び千路田の覚悟が試されるとはなんてえげつない構成だろう -
ネタバレ 無料版購入済み
面倒事の予感が…
いきなりの英雄のその後の展開。うんうん、それはスローライフに憧れるよね。でも、せっかく誰も自分を知らない場所に来たのに、この後、面倒事の予感がするよね。
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Posted by ブクログ
王道的男の娘モノ。
かと言ってヒロイン(?)である真の言動にあたふたするだけに終わっていない点が良い所
序盤は主人公である千路田のトラウマや二人の距離感の関係で男の娘モノ特有の千路田を勘違いさせるような展開が続くものの、二人の間にある程度の関係性が生まれてからの展開が面白い
見た目は男女の関係なんだけど、千路田が自分たちは男同士だと宣言した辺りから二人の間に確かな信頼感が感じられるようになる。真の心情に配慮を見せるようになる
そして男であると公言しながらも女子の格好を続ける真。その理由や「多分最後になるから」との言葉にはどのような意味が隠されているのだろう?
それにしても……。中盤から登場する穂月華はどう見ても女性なんだけど、千路田のトラウマの件や真の存在が頭をよぎって「まさかこの人も実は男なんじゃ……」と考えてしまう自分が居る