今現在、どれくらいの、警察系の漫画が世にあるのか、それは浅学な私には分かりかねる
ただ、一漫画読みとして、断固たる自信を込めて言えるのは、この『ドロ刑』は、確実に上位に入れる作品だってこと
こうやって書くと、『ドロ刑』が、この(4)で完結してしまった、と誤解されてしまうかもしれないな
安心してほしい
...続きを読む、まだ、週刊ヤングジャンプで大好評連載中である。順位までは、さすがに分からないが、質が安定しているので、毎週ベスト5には入っているんじゃないだろうか、そう、ファンとしちゃ推測している
刑事と泥棒のバディ、ありそうでなさそう、そのあやふやさが面白さを強くしているのは、ほとんどのファンが認めている所だろう
その上で、あえて、私はコミカルさとシリアスさのバランスが良い、と言いたい
正確に言えば、順番がよく考えてある、だろうか
コミカルな表現や、アグレッシブな動きで、読み手を笑わせ、無意識に油断してしまった所に、刑事と泥棒の間に、真実の絆は芽生えないのか、そんな不安が滲む、シリアスな展開をブチ込んでくるのだ、福田先生は
攻撃の組み立て方が、非常に、よく考えてある
まだまだ、遠く及ばないだろうが、『銀魂』の空知英秋先生に似た才能を感じる事はある、私的に
もちろん、福田先生は画力やストーリーを考えるセンス、キャラを暴走させない制御力も優れている
これからも、福田先生の、どこから、いつ、飛んでくるか、分からぬ強烈な一撃に無様なKOを奪われないように注意しつつ、楽しんでいきたい
この(4)もグッと来るシリーズばかりだが、個人的に一推しなのが、靴泥棒編
福田先生、このシリーズを描く為に、色々と勉強したんだろうな、と感じられるシリーズなのだが、同時に、班目刑事の男前っぷりも光っている
確かに、武骨で朴念仁だけど、下心抜きで、いつも全力で、相手の事を想って行動できる裏表のなさは、確実に、女性のハートを射抜く
しかし、ただ、それだけじゃ、お勧めとは言えない
どこが面白いかって、跪いた班目刑事が靴泥棒の男に、オープントゥのハイヒールを履かせるくだり
誰得の絵面だ、と思うくらいに、インパクトがある
週刊ヤングジャンプで読んでいた時にも、つい、噴き出してしまったってのに、この(4)でも、やられてしまった
しかし、班目刑事ほど、良い男にハイヒールを履かせてもらえるとなりゃ、私もトキめいちまうかもしれん
この台詞を引用に選んだのは、確かに、と頷けるだけの説得力があるので
物の言い方は手厳しいけど、間違っちゃいない
人が使ってこその道具、道具の便利さに人が振り回され、真価を発揮させてやれないようじゃ、笑い話にもならない
班目刑事なら、自分の期待に応えてくれる、と疑っていないからこそ、ハルトさんは遠慮なく、彼を囮に使えたんだろうな
こういうクレバーさは、私も見習いたいなぁ
「まぁ、『馬鹿とはさみは使いよう』ってね」(byハルトさん)