渡邉昭夫のレビュー一覧

  • 戦後日本の宰相たち

    Posted by ブクログ

    第二次世界大戦の終戦から昭和の終わりまで、激動の時代を生きた日本の内閣総理大臣を一人ずつ時系列順に、こちらも一人ずつ各論者が、そのリーダーたちの出自・経歴・人物像・業績(と不行跡)を仔細に解説した力作。
    「敗戦処理→新体制(民主化政策)→逆コース→55年体制→政治の季節→高度経済成長→公害問題→諸外国との外交折衝→バブル前夜→冷戦構造の終焉」と、このように、この国の昭和時代の政治的・経済的歩みを一瞥しただけでも、なんとまあ激しい動きがあったことか!この劇的な、あまりにも劇的な極東の小国の舵取りを担った首相たちの活躍とその悲喜こもごもを、この本の読者たちは追体験できる。
    各章に首相一人ずつが論評されていくスタイルだが、執筆者たちの顔ぶれも絢爛豪華。猪木武徳が石橋湛山を、北岡伸一が岸信介を、高坂正堯が佐藤栄作を、御厨貴が田中角栄を、それぞれ個性的な文体と着眼点から縦横無尽に論じていく。個人的には、およそ15名の論者の中でも北岡伸一氏と高坂正堯氏の文章が読みやすかった。
    ところで、吉田茂や佐藤栄作、田中角栄、中曽根康弘らの論考が分量的に長くなるのは色々と合点がいくが、福田赳夫にこれほどまでに多くのページを割くのにどこか違和感を覚えてしまうのは私だけだろうか。執筆担当者たちの割り振りや力関係など、本書編集の舞台裏も気になるところ。

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    2025年04月26日