藤原多伽夫のレビュー一覧

  • ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか
    進化の本かなと思って読んだけど、徐々に差別や分断の話へと変わっていった。
    最後の謝辞に『(二〇一六年の)大統領選の後、第一稿の半分を没にした』とある。政治に疎い私でも前後の文から、トランプ大統領が当選したときの話だと分かった。

    人間は『ずっと子供のまま』というのは、何かのテレビで見た気がする。これ...続きを読む
  • 昆虫は最強の生物である 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略
    現在に至る昆虫誕生の歴史を書いた本。カンブリア大爆発から白亜紀までの記述でページ数の大半が埋まっている。イモムシに卵を産み付けるカリバチが社会性を獲得する過程や翅のソーラーパネル説など他で聞いたことのない説に触れられてよかった。
    また、難しい話だけでなくナショナルジオグラフィックを小馬鹿にしたり、過...続きを読む
  • ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか
    ヒトが他の人類と違って繁栄できたのは、自己家畜化によって進化した協力的コミュニケーションという友好性を有していたから。一方でこの友好性は他者を非人間化し残虐に扱うことができるという負の側面もある。
    協力的コミュニケーションの能力はイヌにはあるがチンパンジーにはない。友好的なキツネだけを交配すると認知...続きを読む
  • ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか
    ヒトの家畜化?誰に家畜化された?と思いながら読み始めた。
    なるほど、サブテーマに書かれているように「なぜ寛容でありながら残酷な生き物に進化した」かが、自己家畜化と言うヒトを捕食者の頂点に押し上げ文明をつくらせた進化圧が、同時に他者に対しての残虐さにもつながっていることが、とても分かりやすく書かれてお...続きを読む
  • 「協力」の生命全史―進化と淘汰がもたらした集団の力学
    まず、読み始めて最初に思ったのは、日本語のタイトルがミスリードかもしれない、ということ。『「協力」の生命全史」』とあるから、社会学や人類学のような視点かと思うと、筆者の専門は進化論や行動学のような生物学寄り。(「生命全史」という箇所からそれを読み取らないといけなかったかも。)

    とはいえ、第4部など...続きを読む
  • 生命進化の物理法則
    前半退屈すぎて読むのやめるところだった。特にP = F / Aという圧力の法則をもちだして、「モグラの体は見事に地中生活に適応している!動物の体の構造は物理法則に支配される!」みたいな話。P = F / Aが関係するのどこやねんと。爪のことを言ってるのか?結論ありきで物理の話をねじ込んでるようにしか...続きを読む
  • 生命進化の物理法則
    生物の進化は完全なランダムでなく、物理法則の制約の中で進化してきた、というもの。確かな足が3本や5本の生物はいない。そう考えてみるとよく言われる遺伝子以上で生まれた個体が環境に適応し生き延びて進化した、という話は無理があると思えてきた。
    本書では、物理法則から生物を考えると地球外の生命体も同じような...続きを読む
  • サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」
    昆虫がこんなに減少しているとは思わなかった。想像を遥かに超えるスピードで減少しているようだ。
    農薬が最大の問題ではあるが、犬ネコのノミ駆除剤が回り回って他の昆虫にも大きな影響を与えているとは驚きだ。
    グローバル化が進み、適地生産が進んでいるがその事が、農産物輸出国の植物の多様性を失わせ、昆虫も減少す...続きを読む
  • サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」
    <目次>
    第1部  なぜ昆虫が大事なのか
     第1章  昆虫についての短い歴史
     第2章  昆虫の重要性
     第3章  昆虫の不思議
    第2部  昆虫の減少
     第4章  データで見る昆虫減少
     第5章  移り変わる基準
    第3部  昆虫が減少した原因
     第6章  すみかの喪失
     第7章  汚染された土地
     ...続きを読む
  • ヒトは〈家畜化〉して進化した 私たちはなぜ寛容で残酷な生き物になったのか
    友好的なキツネの交配を重ねると、キツネの性質も変わり、見た目にも変化が現れるらしい。
    ホモサピエンスは自己家畜化によって友好的になり、見知らぬ人とも協力できるように進化した。反面、他の集団に脅かされたと感じると、相手を非人間化し、残虐な行為をする。
    とても興味深い視点だった。
  • サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」
    膨大な文献と研究のもと著した著書だと思う。小生も小学生の頃夏休みになると昆虫採集をしたものだ。標本にし作品を学校に提出した覚えがある。秋には赤トンボが群をなして青空に舞い、夜には松虫や鈴虫を取りに行き甕に泥を敷きその中で飼ったものだ。轡虫やキリギリスを探し虫かごに飼った覚えがある。今はそんな昆虫達を...続きを読む
  • 生命進化の物理法則
    生命が無限のパターンから淘汰/進化によって現在に至ったと思っていたが、多様性はあるもの物理法則によってパターンがかなり限定されていたという話。宇宙レベルで拡張すると仮にどこかで生物が存在したとして、それが突拍子の無いものではなく、地球上の生物とかなり類似点がある(=物理法則に制約される)ことが想像で...続きを読む
  • 昆虫は最強の生物である 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略
    あとがきが染みる。生物の多様性現象に目を向けず、地球外生命探査を優先する人類とは何なのか。まずはこの地球の昆虫を驚きの目で見つめようじゃないか、と。人間中心生命史観を覆す昆虫生命史観は傾聴に値する。

    外骨格、小さな体、翅、変態のすごさ。

    ・殺虫剤への耐性を発達させた昆虫は数百種類にも及ぶが、20...続きを読む
  • 昆虫は最強の生物である 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略
    「最強」と聞いて読まずにはいられないのが男の性です。

    とは言っても、本書は『テラ・フォーマーズ』の「クモイトカイコガの糸は鋼鉄の強度を持つ」のように固有種の能力を解説するものではなく、進化の歴史をたどりながらどうやって昆虫が地球一の多様性を手に入れたかを解説した一冊です。

    そういった意味では雑学...続きを読む
  • サイレント・アース 昆虫たちの「沈黙の春」
    昆虫
     頭部、胸部、腹部、足が六本で胸部についている
     飛行能力  変態(バッタやゴキブリを除く)
     アリの固体数は世界人口の100万倍、重量は同等

    食用コオロギ
     育てるための飼料や水が牛の10倍以上効率が良い
     共通の病気がない メタン出さない 成長が早い 密集状態で養殖可能

    役割
     昆虫に...続きを読む
  • 7つの人類化石の物語 古人類界のスターが生まれるまで
    世界的に「有名な」人類化石はいかにして、今のスターの地位を手に入れたのかを、7つの人類化石を例に取り考察していく。7つの中で正直日本人に馴染みがあるのは北京原人くらいだけど、むかーしに死んだ何もしていない化石(見つかっただけ!)が、あるものは人気者になり、あるものはならない、その要素と過程の差が興味...続きを読む
  • 昆虫は最強の生物である 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略
    普通、人々は動物というと、脊椎動物のことを言うが、節足動物も動物である。脊椎動物が地上に現れる数千年前から存在していた。昆虫もその節足動物の中のひとつである。・・・というような、現代の昆虫のことではなく、地球の歴史からみた昆虫の話が中心。
  • 昆虫は最強の生物である 4億年の進化がもたらした驚異の生存戦略
    カンブリア爆発以降現在まで、4億年に渡る昆虫の歴史を「見てきたか」の様に語るが本著だが、実はほとんどが化石の解析だというのがすごい。 確かに、種の多様性と個体数という観点から見れは、ホモ・サピエンスなどは人類の中で1種しか残っていない訳で、サピエンスが絶滅すれば人類が絶滅するという脆弱な種な訳で、大...続きを読む