朴一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
パク・イルさんの講演をだいぶ前に聞いたことがある。そのとき聞いた内容のうち、小学生時代、日本人の友だちを自宅に呼ぶ前に家の中から在日とわかるものを必死で隠してキムチのにおいを消したという話や、女子学生が提出したレポートに、自分と付き合っている彼が実は在日コリアンだったことを偶然知ったときの心の中での葛藤についての赤裸々な告白がびっしりと書かれているのを読み、与えた課題に関するレポートとはまったく違っていたにもかかわらず思わず「優」を付けたという話があったのを覚えている。
私自身の話もしておきたい。私は在日コリアンではないものの、小学生時代、苗字に“金”が付く同級生がいたが、同じ学校の上級生が -
Posted by ブクログ
1956年生まれ、在日韓国人三世、朴一(パクイル)著「在日コリアンってなんでんねん?」、2005.11発行。敗戦時、在日の人口は236万人、170万人が帰国、60数万人が日本に。そして二世、三世、四世として定住。1910~1945年の植民地時代、1950年の分断、在日コリアンの侮蔑と差別の歴史が紹介され、これからの展望が描かれています。在日コリアンで民族名(本名)を名乗るのは8%、80%以上は日本名(通名)だそうです。民族名では、学校に行けない、仕事ができない、家が借りられない・・・。金田正一氏、張本勲氏は知ってましたが、玉の海、三重ノ海は知りませんでした。
-
Posted by ブクログ
◆1945年時点 日本帝国崩壊・植民地支配終結
236万人
170万人 帰国
↓
50年戦争
60万人 帰国断念
◆金嬉老事件
感想
★★★★⭐︎
小説『ある男』で登場していた人物が在日三世であり、かつ、授業のレポート作成のために手に取った。
映画『ラーゲリから愛を込めて』で、第二次世界大戦後にロシアで在留することとなった日本人の物語について描かれていた。この本も第二次世界大戦後の日本に残った韓国人、いわゆる在日の現状について述べたものであった。当然だが戦争が終結させれて終わりというわけではないのだなと改めて考えされられるものだった。
日本政府の在日に対する対応狂ってるなと感じさせるものも -
Posted by ブクログ
最初はタイトルがタイトルだし、たまたま開いたページが「あの大物芸能人も実は在日」みたいなところだったから、そんな罪なミーハー心もあって読み始めた。ところがこれはなかなか骨太な本。在日コリアンの人々の古今の位置づけを詳しくわかりやすく解説してくれる。
しかし、読んでも読んでも日本という国の在日コリアンに対するひどい仕打ちにはいまさらながら愕然するというか、あきれるというか……。彼らが生まれた背景をつくったのは日本だというのに。ほかの国の人々に対してもこういうことが起きているのだろうか。寡聞にして知らないけれど、外国人労働者の受け入れなどに関するこの国の政策などみてもさもありなんって感じ。この国の -
Posted by ブクログ
エスニック・マイノリティとして日本社会を生きる在日コリアンたちの世界を、彼らの「生き方」という視点から読み解いている本です。第1部では在日コリアンの歴史が簡単に解説され、第2部では力道山、重光武雄、新井将敬、孫正義らのライフ・ヒストリーがたどられています。
在日コリアンと一口にいっても、現在では同族結婚より国際結婚をするひとのほうが圧倒的に多く、また日本国籍をもつ者と韓国・朝鮮籍をもつ者、さらに日本名を名乗る者と民族名を名乗る者など、多様化が著しくなっています。また、彼らのあいだでの在日コリアンとしてのアイデンティティにも大きな幅が存在しています。
著者はこうした状況を踏まえて、在日コリア