ノンケでイケメンでモテモテな「ひこ」と、そんなひこに恋する「けん」。
ひこの「友達」の一番はけんで、けんの「好きな人」一番はひこ。
この友達と好きな人という交わらないようなそれぞれの「一番」のお話。
ひこにとってけんは失いたくない友達として大好きな人。
けんにとってひこは恋人になりたい失いたくない
...続きを読む大好きな人。
「友達から恋人へ」はよくあるけど、固定概念を持つととたんにがんじがらめになってどうしようもなく動けなくなってしまうものですね。
ひこのことを理解して尊重しようとするけど、気持ちに嘘がつけないけんは、とうとうひこに告白してしまいます。困らせるってわかっていても。
ひこはけんの気持ちに気づいていながらも友達のけんを失いたくなくてやんわり断って友達に戻って欲しいと思っています。泣かせたくないと思っていても。
好きだけど恋愛ではない。ともよく聞くけど、けんからしたら「好きだから友達には戻れない」ひこにしたら「好きだけど恋人にはなれない」
1話のひことけんが見てられなくて胸が痛んだけど…。けんよ、この痛んだ胸の痛みどうしてくれる(笑)すごいな…けんよ…。
そして、ひこの固定概念とひこへの気持ちが一番に表れた6話。
あの「想い」の文字一つ一つがたまらなかった。あぁ…って涙が溢れた。
人の感情って相反するものが一挙に押し寄せたり理屈で説明できないようなこともあるけど、ひこのこの「想い」は本当にぐちゃぐちゃで汚くて歪んでて、そして人間らしい。
軽い気持ちで手にした一冊だけど、ここまで深く刺さってくるとは思っていませんでした。
買って良かったです。