(2018/1/14)
なぜ自分がラグビー好きなのか、改めて認識させられた本。
ラグビーは経営そのものなのだ。組織そのもの。
・・・自分は経営者では無く一介のサラリーマンだが、
自営業者だった父の影響もあってか、ずっと起業、経営に憧れてる。
いわれたことをそのままやるのではなく、状況を見て、判断して、工夫して、
課題に立ち向かう。トラブルに心折れることがあっても、自分を奮い立たせ、
自制心を持って立ち向かう。
そういう姿勢が大好きなのだ。
この本を読んでいると、ラグビー=オールブラックスがそれに重なる。
オールブラックスはただのいかつい男の集団ではない。
以下の15の規範をもって、常に偉大なオールブラックスを目指して行動する、
そういう人間たちの集まりなのだ。
2大会連続優勝のキャプテン、リッチー・マコウが、
記者会見も普段も同じスタイルでいい、というのはそのあらわれ。
気が抜けず、疲れるだろうなあと思わないではないが、
それが偉大なオールブラックスになる、ということなのだ。
勝率86%、、、ありえない。
このオールブラックスとて、歯車が狂い、負けがこんだ時期もあるという。
カーワンらがオールブラックスのあるべき姿を明文化し「ブラック・ブック」、
門外不出とし、立ち直ったという。
従来のハカ、カ・マテは単一民族の儀式で、様々な民族が集まる現在、それに合わせた新しい儀式、
カパ・オ・パンゴを生み出したという。
常に変化する。
凄い。
エディジャパンも岩出帝京も、「掃除」がキーワードになっている。
2015ワールドカップイングランド大会で南アフリカを倒し3勝と健闘したエディジャパンは、
試合に出場することが無かった元主将廣瀬が率先して掃除をしていたし、
岩出監督のもとV9を達成した帝京大学も、上級生が率先して掃除をしているという。
オールブラックスのやり方を真似していたか、自然とそうなるのか。
後者だと思う。
強いチーム、組織とはそういうものなのだろう。
もちろん掃除だけしていればいいわけではないが。
これは他のチームスポーツにも通用するし、
それこそビジネスの社会でも通用するはず。
いい組織は共通点があるのだ。
ジェイミーもオールブラックス。
当然それは頭にあるはず。
問題は日本代表候補にそれを植えつけられるかだ。
持っていて当然、と思っているかもしれない。
ニュージーランド人にとっては子どものころから
オールブラックスに憧れるのは当たり前のことだから。
でも日本代表、桜のエンブレムにはそこまでの力はない。
そう持っていかなくてはならない。
オーストラリア出身のエディが徹底的に植え付けたように。
日本代表、今年のスーパーラグビーが勝負だ。
2月から5月のチーム作りで、2019は決まる。
6月に全勝しないようではアウトだ。
フランス戦引き分けで満足していてはだめだ。
そういえばこの本、ジム・コリンズの「ビジョナリーカンパニー2」や
ダニエル・ピンクの「モチベーション3.0」、
ウォルター・アイザックソンの「スティーブ・ジョブズ」がやたら引用される。
ラグビーと経営論が密接につながっているからこそだ。
「リッチー・マコウ自伝」も。
そういえば、東芝が復活した原動力となったスティーブン・ドナルドが、
2011年ワールドカップでオールブラックスのフライハーフ、
ダン・カーター、コリン・スレイド、アーロン・クルーデンが
立て続けに負傷した際第4の男として呼ばれた、
ということがエピソードで出来たのは楽しかった。
(彼もダメならその時は当時三洋にいた私が大好きなトニー・ブラウン、という話もあったと記憶している。)
ラグビーファンにも、ビジネスマンにも、
いや、生きる勇気が欲しい人すべてに読んでほしい。
この本に出てくる数々の言葉の中で、心に響くものが必ずあるはず。
言葉は勇気を与えてくれる。行動のエネルギーを与えてくれる。
必読の書。
挑戦……1
1 品性……10 ロッカールームの掃除 決しておごることなく、小さなことを大事にしよう
2 適応……33 隙を突け ゲームを支配しているうちにゲームの方向を変える
3 目標……47 目標を掲げて戦う 〝なぜか〟と問う
4 責任……64 パスを回せ リーダーはリーダーを育てる
5 学習……78 学ぶ環境の創出 リーダーは教師である
6 ファーナウ……98
身勝手なやつはいらない 先頭に従え
7 期待……112 期待を抱け いちばん高い雲を目指せ
8 準備……127 勝つためのトレーニング プレッシャーのもとでの練習
9 圧力……142 ブルーヘッドの状態の維持 注意をコントロールする
10 真正……157 汝自身を知れ 自分自身に正直になれ
11 犠牲……169 チャンピオンは余分にやる 命を懸けられることを見つけ、それに自分のすべてを捧げろ
12 言葉……181 独自の言葉を見つけだす 歌の力で世界を創りあげていく
13 儀式……199 儀式化による実現 文化の創出
14 ファカパパ……212
良き先祖になれ 決して見ることのない木を植えろ
15 遺産……227 自分の遺産を書く ここが正念場だ
ファーナウ は 群れ という意味か。鳥が集団で飛んで負荷を減らすように。
ファカパパ は 系図