神宮司いずみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
高校三年生の来光福音のもとへ届いたのは、自殺した同級生からの手紙だった。彼は、「東高三人の天才」の1人で、成績はもとより運動も芸術も見た目も人柄も完璧な男の子。
「僕を殺した犯人を見つけてほしい。犯人は東高の人間です」と書かれた手紙に導かれ、福音はもう一人の天才である沙耶夏と事件を調べることに……。
自殺した「天才」である同級生の死の謎を調べるため、もう一人の天才少女と調査をすることになった「普通」の少女の話です。
ミステリ小説っぽいストーリー紹介ですし、実際その側面もあるのですが、主題はどちらかと言えば青春小説かなと思います。
今まで関りのなかった天才少女と文学少女の交流や、異端(天才)であることの悲哀や孤独、同じ人間なのに互いを理解できないもどかしさなど、爽やかかつ物悲し気な雰囲気で、個人的にはなかなか好きな空気感でした。
悲劇ではあるのでしょうが、冷たい場所にさしこんだ陽だまりのようなほのかな暖かさのあるラストシーンは、淡白ではありますが希望がもててよかったです。
こちらは作者さんのデビュー作で、今の所本として出しているのはこの1冊だけのようですが、作者さんの他の本が出たらぜひ読んでみたいです。