YKBXのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこの人は明らかに、作品、作品で自分の作風、文体を自在に変化させている。おそらく遠慮なく物語を書かせれば、とんでもないものを書くのではないか富と思うのです。
ゾンビという設定を科学の中に落とし込み、それが出現した社会の法体制、揺らいでしまった「死の基準」を司法がどうするのかということまで書いていきます。そしてキャラの設定も抜群。主人公キャラについてはある短編を読まないこと。それから、なんでこんな表紙絵にしたんだ!ということで表紙絵をあまり見ないこと。これが大事です!
理系出身で博覧強記の方だと思います。そしてその知識をドブにすてない。知識が邪魔になるような読者対象を想定している場合、持っている知 -
Posted by ブクログ
ネタバレゾンビウイルスがまん延した世界。
描写がグロテスクで飛ばし読みしてしまったところもありましたが、遺体活性化現象、活性化遺体とゾンビという言葉を用いず、これ以上うまい表現があるだろうかと変なところに感心してしまいました。
ゾンビウイルスが世界に与えた影響、経済や特に食料問題などのことも細かく設定としてしっかり描かれており、実際に同じようなことが起こったらこうなるんだろうなあと思いながら読んでいました。
瑠璃のキャラクターも魅力的でした。
瑠璃と沙羅の2人が話す内容から、瑠璃は沙羅のもう一つの人格なのではないかと思っていたのですが、彼を家に招いたシーンで彼の肘が瑠璃の顔に触れた的な描写があり、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ根幹を成すネタバレになるけど、これピノコの話だ。彼女の存在意識して読むと、すべての感動がネタバレになってしまうので言いたくはないけど、ピノコの話だ。
ゾンビの存在が認知されている社会。その認知が食料として浸透している社会。食人という倫理観が崩れていく過程が淡々語られている部分に、静かな恐怖感じます。あぁ、人間ってどんなタブーでも理屈さえつければ、それがマジョリティになってしまえば、順応していくんだなあ、という怖さ。
自分たちとは違った倫理観の社会の中でも、さらにきわどい感覚を持つゾンビイーター。ただ、そんな感覚の持ち主でも殺人犯に対しては持つ恐怖感は変わらないというのに、殺人を犯すということ -
Posted by ブクログ
ネタバレ〈140文字要約〉
ゾンビ化した一人の男を「彼は殺されたのだ」と主張する八つ頭瑠璃。〈体の一部がゾンビ化する〉パーシャルゾンビが事件に関わっていると確信した瑠璃は、ゾンビの研究を行う公的機関や、ゾンビの踊り食いを楽しむ女性に接触し推理を組み立てていく。両親の仇を打つために真実を暴いた瑠璃は涙を流す。
〈140文字感想〉
ゾンビとミステリが切っても切れぬ時代に突入していこうとしているのか、と。そもそもゾンビと密室は相性がいいし、なんならゾンビ自体密室のようなものだし、と思いきや意外にも密室で殺されたのはゾンビの方だ。あれよあれよと展開も推理も進むうち、気づけば僕はゾンビのように文字を貪るのでし -
Posted by ブクログ
人類・・というか生物がウイルスに侵され死ぬとゾンビ化する世界。そこで発生した・・まあタイトル通りの殺人事件的ななにか。
相変わらず不思議なというか奇妙なというかおもしろい世界観や設定を書く作家さんですね。それを下敷きにしたミステリというちょっと変化球なのが魅力です。今回も・・・世界観は実に面白く興味深いです。実際の真相とかはイマイチなところはあるんですが、そこはやっぱり世界観がかなりぶっ飛んで奇抜なのでそれに比べると「なんか普通だな」と思ってしまうのもやむを得ないんじゃないかと。。。
あと、ゾンビゾンビした話なのでどうしてもグロい場面も結構あるから苦手な人は注意ですね。