上村勝彦のレビュー一覧

  • バガヴァッド・ギーター
    まずもって、一読したくらいで全容を理解できるような書物ではない。いや、理解できる日など来るのだろうか。それでも、このバガヴァッド・ギーターには現代を生きる私達にとっても活きる教訓のかけらたちが散りばめられている。
    たとえばサンニャーサ(放擲)行為者は行為にのみ意識を注ぎ、行為の結果は行為の根源である...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
     インドラ神を父に持つ英雄・アルジュナが一大戦闘で戦意を喪失した際、傍らにいたバガヴァッドたるクリシュナと話し、鼓舞される様子を、サンジャヤがドリタラーシトラに尋ねられる形で描かれている。
     この『バガヴァッド・ギーター』は『マハーバーラタ』の一部なので、それまでの経緯を詳細に知ることが出来ない点に...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    『バガヴァッド・ギーター』(श्रीमद्भगवद्गीता)は、700行(シュローカ)の韻文詩からなるヒンドゥー教の聖典のひとつであり,ヒンドゥーの叙事詩『マハーバーラタ』第6巻にその一部として収められている。パーンダヴァ軍の王子アルジュナと,彼の導き手であり御者を務めているクリシュナとの間に織り...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    バガヴァッド・ギーターそれ自体が面白いのに加え、最初の導入部分、巻末の注釈、解説が非常によく、大変分かりやすい構成になっていると思った。
  • バガヴァッド・ギーター
    訳者による解説書(「バガヴァッド・ギーターの世界」ちくま学芸文庫)を併せ読むことで,より理解できるようになったと思います。
  • バガヴァッド・ギーター
    インドの古典哲学。ここに東洋哲学の源がみられる。多くの僧が学んできたことはここに礎があるように思う。ここには、色即是空に通じるものもあればポアの思想として悪用された原形もある。それくらい幅広く東洋的な哲学が展開されている。仏教徒にとっての旧約聖書のように思う。これが、あの思想や教えに繋がったのかたく...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    クリシュナの教えには度肝を抜かれる。そして、インドのスピリチュアルな教えを理解するためには一度は読むべき本
  • バガヴァッド・ギーター
    確かに魅力的な聖典で、短いおかげで何度も再読したくなる。ヨーガやってる人は読んでおいて損はないし、インド文化、インド哲学における「実践」ということを考察するには必読。
  • バガヴァッド・ギーター
    ガンジーの愛読書だったそう。
    要約すると、戦争で親戚と戦うことに戸惑うアルジュナをクリシュナが戦うように勧めるという話。対話形式。
    ただその進め方が深くて面白い。
    生命の永遠性や、放擲・捨離の観点、無始無終、過去現在未来に偏在する神(ここではブラフマン)
    仏教とすごく近いと感じた。
    アルジュナの束縛...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    空洞化のうそ、ザ・フィフティーズおよびタオ自然学など、リファレンス多数。「神の歌」と訳されるタイトルのついた本書は、十八巻よりなる大叙事詩 マハーバーラタの第六巻に編入される、ヒンドゥ教でもっとも有名なインド古典とされている。

    まえがき部分からどんどん神様が出てきて、がんがん子孫を産んでいく展開に...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    王子アルジュナが、戦いの地に赴き、敵軍の中に、自らの血縁や、同朋の姿を見て、そのあまりの空しさに、戦いを放棄しようとする。

    しかし、そのとき、御者に身をやつした、最高神ヴィシュヌの化身である、クリシュナが、肉体は討たれても、魂の不死不滅を説き、武人としての責務を全うするよう、叱咤激励する……。

    ...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    難解だが興味深かった。「行為の『放擲』」、すなわち行為の結果にあれこれ期待したり思いめぐらせたりしないことが善であり、また、行為は、成されることが決まってあるからその行為に専心すべしという考え方は、私の勝手な結びつけだけれど、ライプニッツと少しだけ通ずるものがある気がする。そしてこのギーターにてクリ...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    「私は決して存在しなかったことはない。あなたもここにいる王たちも…。また我々はすべてこれから先存在しなくなることもない」輪廻転生を説くヒンドゥー教典のひとつ。敵に親族がいることで躊躇う戦士アルジュナに、クリシュナは言う。殺しても肉体が消えるだけで本性は消えない。だから殺すことを躊躇う必要はない、と。...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    聞き慣れない言葉と格闘しながらなんとか読み進めた。解説、さらに松岡正剛氏のサイトを読んで、ようやく内容がこなれて理解できてきたところ。大切なのは誠実に生きること。古典は良い。
  • バガヴァッド・ギーター
    まえがきの家系図の理解に半日以上かかり挫折しそうになったけれど、時間をかけた甲斐があった。身体がある以上行動しなければならない。その中で結果や欲望や執着を手放すことが大切なんだなぁ。ヨーガを健康のためにやりたいと思っているけれど、心の垢を手放すためにやってみたいと思った。もう少し理解できるようになっ...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    ヴァルナ、ジャーティー、ダルマ、ヨーガ、アートマン、ブラフマン、ニルヴァーナ、バクティ、カルマ、プルシャ、マナス、等々、仏教を含むインドの思想で学ぶ言葉が、ヒンドゥー教の聖典では実際にはどのように用いられるのか。それを垣間見ることができる。内容は繰り返しが多いので、言わんとしていることの大枠が理解で...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    この世に生まれたからには、定められた行為に専念する事。

    あらゆる者の身体にあるこの主体(個我)は、常に殺されることがない。それ故、あなたは万物について嘆くべきではない。

    もしあなたが義務に基づく戦いを行わなければ、自己の義務と名誉を捨て、罪悪を得るであろう。

    相対を離れ、常に純質に立脚し、獲得...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    有名なインド叙事詩『マハーバーラタ』の一部。インド思想は多様で複雑だけれど、ここにエッセンスがギュッと凝縮されています。
    ヒンドゥー教と聞くととっつきにくいけれど、行為の結果に執着することをやめよ、ただ神のために心を注ぎ、正しい行いをせよ、という教えは、仏教よりも分かりやすく受け入れやすいもののよう...続きを読む
  • バガヴァッド・ギーター
    これを読んで人生を考え直すことは思いつかないが、主張を授業で話すことは可能。解説部分や、ドッグイヤーの部分に主張の根幹がある
  • バガヴァッド・ギーター
    行為に専心することに人の幸福があるという哲学を説いたインド思想の名著。
    詩的表現の美しさとあいまって不思議な魅力を放っている。
    ある種カースト制度の維持に欠かせない根本思想となっていた側面もあり、批判的な言説も多いが、ここまで人を魅きつけるのは一定の普遍性を帯びたメッセージがあったからであろう。
    ...続きを読む