宮下紘のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
個人情報保護の問題については、この数年、日本では個人情報保護法の改正、EUのGDPRの施行等、大きな変化が生じている。
本書は、全体を通して、プライバシーの保護、個人情報の保護はなぜ求められるのか、その核心は何なのかについて、主に法学的観点からの考察がされている。興味深いのは、第四章「プライバシー保護法制の国際動向」で、EUと米国の取組姿勢の違いや具体的な規制の在り方に関して、政府からの「個人の自由」を確保することに主眼を置くアメリカに対し、「個人の尊厳」を重視するEU、両者の対象が論じられている。
個人情報の保護と、データの有効な利活用、両者のバランスをどう図るのか。個人個人でも考 -
Posted by ブクログ
2013年に国家による個人情報の監視の実態をメディアにリークしたエドワード・スノーデンが、亡命先のロシアから日本に向けたメッセージ(警告)です。
技術の進歩によって、以前とは比較にならないほど簡単に・低コストで国家が個人を監視することが可能になりました。
そして2001年9月11日にアメリカで起こった同時多発テロをきっかけに、ムスリムの監視強化という形で現実のものになります。
問題は国家による監視が適切に行われていることを監視する仕組みがないまま、なし崩し的に個人の監視が常態化してしまったことです。そして、同様のことが日本でも行われる可能性があるということです。
執筆されたのがトランプ大統 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ政府による監視の在り方は9.11を境に変わった。事後的な捜査から事前の監視へ、特定の容疑者への狙い撃ちから不特定多数の一般市民を含めた無差別な監視へ、対象を人物からデータへ。
プライバシーと安全のバランスをとる(特にセキュリティについて適切な評価がなされる)ことが必要であり、政府による監視に対する現状の有効策は市民による監視(監督)と言える(それが有効に機能するように仕組みを構築することも必要)。また、捜査機関に協力/情報提供する主体(企業等)の透明性確保の問題も重要。
また、そもそもマス・サーベイランスにおけるAIの活用はフォルス・ポジティブ(偽陽性)比率が高いため、テロリスト判定の役に立っ -
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