ジェイン ハーパーのレビュー一覧

  • 潤みと翳り

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    オーストラリアの連邦警察官フォークが主人公のシリーズ第二作。

    前作「渇きと偽り」は、オーストラリア特有の干魃の季節の中で土地も心も渇ききったヒリヒリするようなサスペンスを描いてあったが、今回は逆に雨が降り注ぐ森の中をさまよう女たちに何があったのかを描く。

    前作ではフォークの警察官としてというよりは自分自身のプライベートな問題と向き合う話だったので忘れていたが、元々フォークは経済犯罪、資金洗浄とか企業の不正取引とかそういう犯罪を担当しているらしい。
    今回、企業の合宿研修中に森で行方不明となった女性アリスはフォークが捜査をしている企業の内部協力者として、企業の様々な極秘文書やデータを渡してくれ

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    2020年02月04日
  • 潤みと翳り

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    企業の研修キャンプで女性5人のグループが遭難し、4人だけが帰還する。キャンプで何があり行方不明の女性はどうなったのか、連邦警察官フォークのシリーズ第2作。

    森のなかで遭難し食料もなく寒さに凍えるうちに、女性たちの本性があらわになっていくさまと、捜索にあたる警察の様子とが交互に語られる手法が、うまく緊張感を高めている。
    前作では、干ばつの熱波とともに主人公の過去にまつわる苦悩が濃厚に描かれていて重い読後感だったが、今回そのあたりは添え物程度で事件の謎解きに重きが置かれている。

    タイトルは第1作でも感じたのだが、原題の『Force of Nature』のほうが深みがあっていいと思う。
    物語とし

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    2020年02月04日
  • 渇きと偽り

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    オーストラリアの農村地帯で起きた殺人事件。かつての親友が絡むこの事件の真相を、休暇中の警察官が追っていく。

    閉鎖的な人間関係と極度の干ばつによって、住人は誰もがストレスを抱えてイライラし、その捌け口を弱者に求めている。原題が「The Dry」とあるように、息苦しいほどの熱波に覆われた貧しい町という設定がじつに効果的。
    意外な犯人もさることながら、数十年経っても過去の事件の呪縛から逃れられない主人公の、うんざりするような日々が印象深い作品だった。ただ、翻訳の技術的な問題なのか、文章は味気なく読みにくい。
    でも、続編も読んでみよう。

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    2019年11月07日
  • 潤みと翳り

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    ネタバレ

    「渇きと偽り」の続編。
    森での合宿研修の5人の女性。脱出していた時には1人が消えていた。
    設定は面白く、合宿中の描写と、その後の救援時の描写が交互に書かれており、なかなか面白く読めた。
    続編に期待。

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    2019年09月14日
  • 渇きと偽り

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    星3.5という感じだろうか。主人公フォークは昔の親友ルークの葬儀に出るために、20年振りに故郷に行くことになった。20年前の少女の自殺事件と今回のルークとその妻とその子供の殺害事件が、交差しながら進んでいく。広い大地の中の小さな村の閉鎖的で排他的なコミニティーは、仲間から外れると生きていけない。
    それぞれの秘密と嘘が絡みあっていく。
    出来ればもっとルークの内面を書いて欲しかった。

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    2017年12月24日