山口育子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
医師や医療に対して多くの人が不信感や不満を抱くと思うが、患者として現実的にとり得る方策を提示してくれる。医師や医療機関にどのように接すれば、望ましい医療を受けることができるか……。その提言は「新・医療にかかる10箇条」に集約する。▼(1) 伝えたいことはメモして準備(2) 対話の始まりはあいさつから(3) よりよい関係づくりはあなたにも責任が(4) 自覚症状と病歴はあなたの伝える大切な情報(5) これからの見通しを聞きましょう(治療スケジュール、治療の目標 、予想される日常生活への影響、治療中・後にできなくなること)(6) その後の変化も伝える努力を(7) 大事なことはメモをとって確認(8)
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Posted by ブクログ
昨年の手術以来、当分継続的に病院のお世話になる身になった。
今一番、自分に必要な本だと思い、手にした。
患者が医療と向き合うサポートをするNPO、COMLで積み上げられてきた成果がまとめられている。
学んだことは、患者も、医療者との良好なコミュニケーションを取るべく努力することだ。
自覚症状と病歴はきちんとメモをして受診すること。
これからの見通しを聞き、体の変化はよい変化も伝えること。
話はメモに取り、分からなければ何度でも聞いてよいということ。
こんな内容だ。
しかし、そういうことより何より圧倒されるのは、著者とCOML創設者の辻本好子さんの生き方だ。
著者の山口さんは二十代で卵巣が -
Posted by ブクログ
医療現場で患者側の知る権利を確保したり患者自身への啓発活動などを行っているNPOの主催者による本。この30年あまりの医療現場の変化の一端はこういった活動によってもたらされてきたのであろう。しかしながら他者をサポートする場合と、自身が当事者になった場合はそのまま一致しない、非対称的な部分がある。自身が死に直面した場合に自らの理論がそのまま適用されなかったというキューブラー・ロスの例なども有名であるが、こういったNPOの主催者であってもやはり例外ではないことは、第7章の記述からもわかる。むしろそういった矛盾と率直に向き合う姿勢が重要なのだろう。