2巻までも素晴らしいものがあったが、今巻は特に唸った。劇中のセリフに至るまでの新たなシーンを書き足すことで、セリフの意味が鮮やかに生まれ変わるのが見事。具体的には、ボコランドでみほが愛里寿に投げる「また来るから」という言葉、みほを迎えたときの、まほの「おかえり」。
そして何より、大学選抜戦を「約束」させた後の、劇中では描かれなかったしほと会長のやり取りにグッと来る。会長は劇中だと常に狂言回しであり、時に道化のような存在で、その本心は伺いにくい。ここに書かれたことが、彼女の真意だったのだとすれば、本当に救われた思いがする。