水野一晴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
地理は人文科学の中でも、理論と知識の融合という側面が大きく、恥ずかしながら全体像が分かるというほどまでに学んだ経験はほぼない。類書は何冊か目を通したことがあるのだが、個々の論点は分かりやすい、といった範囲にとどまっていた。
本書の特徴の一つは、作者の現地での経験が豊富に記述されており、昔、地理で習った知識がリアルに想像できるところにある。様々な習俗や生活の知恵も、「なるほど」と頷きながら読みすすめることができ、まるで冒険をしているかのように没入させてくれる。
多少の高校地理の知識は前提として必要であるが、地理学はこんなにも楽しいと思わせてくれる点で、本書は入門書でもあり、優秀なガイドブッ -
Posted by ブクログ
大学生のときに著者の自然地理学の講義を受けたことがあったので購入しました。
第1部・第2部の内容(1990年代~2000年)は今となっては古いものになっていると思いますが、著者の講義もこの書籍も、この広い世界への興味や認識を広げてくれるものには変わりないと思います。
ケニア山やキリマンジャロでの調査の話、ペルーでズボンの足首に財布を縫い付けて間一髪助かった話など、今でも講義の内容を自分で覚えていたような話が出てきてとても懐かしい気持ちになりました。
研究の細分化・専門化が進んでいる中で、著者のように幅広い地域の研究を行っている人(行える環境にある人)も現在はなかなかいないのだろうなぁとも思って -
Posted by ブクログ
少し専門的な話題もあるからか?
ずいぶん読み終わるまでに時間がかかってしまった。
著者は、「ブラタモリ」の京都・大原の回で出てきた「先生」。
ホルンフェルスという変成岩の話をしていたような…。
ちゃんと覚えていないのが申し訳ない。
その水野先生の、研究者人生初期からの調査旅行記が本書である。
専門は植生地理学という分野で、著者は植生分布に気候変動や環境変化の影響がどのように現れるのかを研究してきた人だそうだ。
日本国内と比較するには、熱帯を調査しよう!と、機会をとらえてアフリカ(ケニア・エチオピア・ウガンダ)に、そして南米(ボリビア・ペルー)へ。
その後、文部省(当時)の在外研究でドイツ、