國重惇史のレビュー一覧

  • 住友銀行秘史
    学生時代、官庁訪問でいつくかの地検にいったときに、パンフレットや広報映像で代表的な経済事件として取り上げられていたのが、このイトマン事件でした。自分にとってはもの心つくかつかないかの「過去の話」だったわけで、現実感はあまりなかったのですが、それでも、検察が戦った「巨悪」、「社会の闇」の象徴として紹介...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    イトマン事件を当時住友銀行内で対応した、筆者のメモとコメントである。

    非常に緊迫したやりとりや、リスクを負ってまで会社を動かそうとする筆者の姿勢が描かれている。

    しかしながら、イトマン事件の真相には十分切り込めなかったことや、そもそものイトマン事件を知らない私からすると、ややおいて行かれる印象。...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    バブル絶頂期にまきおこった、住友銀行とイトマンを巡る事件に関する詳細が記されている。

    著者は元住友銀行の元取締役であり、組織内部から状況を伺い、逐一をメモとして残した。住友銀行という組織を護るただ一心に、陰に陽に行動し事件のおとしどころを探っていく姿は、感銘しかない。

    巨大組織の中とはいえ、実は...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    当時の住銀中堅社員の目線から見たイトマン事件の記録。
    あくまでも当時の著者の立場から事件を振り返ったもの。

    ●危機を察知してからも行内は保身や派閥争いで動きが鈍い。そうこうするうちにイトマンの借金は劇的に膨れ上がる。銀行の危機察知から詐欺師たちの巻き返し、住銀のカネをしゃぶれるだけしゃぶり尽くそう...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    本人のメモ書きを時系列に掲載したもので、所々に解説があるが、イトマン事件全体の説明はないので注意。自分は「堕ちたバンカー」の後に本書を読んだので、流れが理解できたが、これを最初に読んでいたらなんだかわからなかっただろう。
    しかし事件当事者の一次資料であり、臨場感があり流れさえわかっていれば大変面白い...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    実際に事案に関与した当事者の一人からの、詳細な記録。つぶつぶの事象の列挙が中心で、全体のストーリーが見えにくい面はあるが、迫力はある。実名で記載されており、大企業の派閥争いがうかがい知れる点も興味深い。
  • 住友銀行秘史
    当時の住友銀行の部長が、イトマン事件について書いた本。ほとんどの登場人物が実名で書かれている。著者が当時つけていたメモを基に書かれているため、日付や場所、発言にも信憑性があり、説得力がある。巨大銀行、巨大企業の意思決定のやり方や、内部抗争の実態について理解できた。
    「(国会答弁補佐)野一色部長は想...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    四半世紀前の話だが、銀行員というより、ヤクザな世界だなぁと実感。メモばかりで時間の経過や流れが繋がらないのが残念。ネタはとても良いものなので、池井戸さんあたりが小説にしたら面白いのになぁ。。
  • 住友銀行秘史
    これだけのメモをよく取っていたな、というのが第一印象。
    著者ご自身のバイタリティに感服。普通なら心が折れる状況でも、見失わずに貫徹した。
    バブルとは、驚きの時代だったということがよくわかる。今ではありえない。
    ただ、営業のやり方は参考になる。
  • 住友銀行秘史
    イトマン事件の顛末を当時部長クラスの著者(トップ昇進組、転出後のちに楽天DLJ社長)が、自分の当時の詳細なメモをもとに日時単位で記録する。
    イトマンという中堅商社がバブルの最中不動産(ヤクザ絡み)でズブスブになってしまうところに、住友銀行が当時の天皇と呼ばれた会長がこれまた身内共々ズブズブに入り込ん...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    汚職が発生したとき、人は正義感が自然と生まれてくる。
    でも同時に組織人としてのブレイクスルーを全うしなくてはならない。
    おまけにバンカーという特殊社会で生きる著者の熱い想いにはただただ頭が下がります。
    僕らが日々過ごす中でも起こりうることを刻銘に記述されているこの内容はとても興味深かった。
    自分が日...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    とても興味深く読めた。一流大学を出て、一流企業に勤めても欲と保身の塊である事が良くわかる。日経新聞の記事が企業や官庁の意向によって、記事として掲載されたり、されなかったり、癒着ではないかと思った。
  • 住友銀行秘史
    イトマン事件を住友銀行内部から捉えた本。正直、登場人物の多さや専門的なスキーム、メモ書きがメインであるため読みやすい本ではない。ただ、社内政治の動きやメディア、官僚の対応などが詰め込まれており、巻頭の人物説明や相関図を参考に丁寧に読み解けば、ビジネスマンとして知見を広げられる一冊です。ので、がっつり...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    1990年、バブル真っ只中の日本金融界で起こったイトマン事件。本事件は経営不振のイトマンを立て直すために住友銀行から派遣された河村社長による不正経理事件だ。莫大な負債を隠すために絵画取引を利用するなど、当時としてはその意外な手段が注目された。

    一躍時の悪役となったイトマンのメインバンク住友銀行はこ...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    ちょっと銀行の方でないとわからないような用語があったり、断片的なメモが続いていくスタイルなのであらすじがつかめなかったり、読むのに少し苦労した。イトマン事件についてあらかじめ概要を知っておいてから読んだ方が楽しめたかなと思う。
    著者の正義感とかポリシーとかの良し悪しは置いておいて、大銀行相手に怪文書...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    当時イトマン事件があったという程度の知識しかなかったが、内情を記した本書は読んでいて期待以上に面白かった。
  • 住友銀行秘史
    実名で住友銀行の裏側を描いています。筆者は頭取候補、エースと言われていたのに、この著書ですっかり評判を落としてしまいました。
  • 住友銀行秘史
    ★本書の成り立ちが恐ろしい★住友銀行秘史というよりはイトマン事件の深層といった方が正しいだろう。新聞記者を巻き込み、著者のいう正義感からイトマン事件を世に訴えた力業がすごい。当時のメモを並べているのが内容の中心なので物語としての深みに欠けるが、著者からみた当時の人間模様は天皇・磯田氏を軸に面白くは読...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    タイトルに惹かれ(笑)
    秘史というほど・・・確かに登場する人物は行内はもちろん大蔵省など固有名詞バンバンで、臨場感はあるものの、読み進めていくと、時間軸に迷子になってしまい、このイトマン事件ってどのくらい続いたのか???
    でしたが、巻末に年表があり、1990年1月から1991年4月とわずか1年ちょっ...続きを読む
  • 住友銀行秘史
    いまだ謎の多いイトマン事件を、銀行内部の目線で当時の記録と共に公開されている/ 雅叙園観光、コスモポリタン池田、五えんや、川崎定徳、宅見組、南青山三丁目、とバブル史に残るワードがでてきて面白い/ 非常に興味深いし、貴重な資料であると思う/ しかしこれを読んだ伊藤寿永光がデタラメも多いと反論している/...続きを読む