國重惇史のレビュー一覧

  • 住友銀行秘史

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    戦後最大の経済事件イトマン事件について、住友銀行側からの支店を記した本。國重氏が残したメモをベースに構成されている。イトマン事件に関しては一度概要を調べてから本書を読むと理解がより深まると思う。

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    2025年02月02日
  • 住友銀行秘史

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    学生時代、官庁訪問でいつくかの地検にいったときに、パンフレットや広報映像で代表的な経済事件として取り上げられていたのが、このイトマン事件でした。自分にとってはもの心つくかつかないかの「過去の話」だったわけで、現実感はあまりなかったのですが、それでも、検察が戦った「巨悪」、「社会の闇」の象徴として紹介されていたのが印象に残りました。
    さて、本書、さながらリアル半沢直樹の銀行内の権闘争が描かれるわけですが、件の主人公がときに自ら不正に加担したり、明らかに違法な「危ない橋」を渡るのに対して、本主人公は、怪文書「Letter」をだしたり、社長解任を主導したりと暗躍はするものの、一貫して自分の身はきれい

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    2022年08月11日
  • 住友銀行秘史

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    ジャーナリストや記者のルポではなく、当事者の目線で書かれていることから客観性に欠ける部分が多々あること、また著者がヒロイックに書かれ過ぎていることに目を瞑れば、日本を揺るがす経済事件の奇譚として評価が出来ると思う。本人のメモを中心にストーリーが展開していくがスピード感や良い意味での生々しさは特筆するものがある。

    上述した客観性を担保する為に本人のメモをベースに記者筆としていたらより高く評価されるノンフィクション作品となったのではないかと思う一方、著者の晩年を知るとそうしなかった理由を垣間見る気がする。

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    2025年09月20日
  • 住友銀行秘史

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    イトマン事件について、住友銀行側の”中の人”として対応にあたった当人による回想録&まさかの暴露も。ドラマか映画にでもできそうなスリリングな展開。銀行の幹部のおじさん達はなぜ子どものようにに内輪で群れたり権力闘争するんだろうって思って読んでいたら、”役員は自分の仕事を全部部下がやってくれるから暇”とのこと。なるほど。。

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    2024年09月29日
  • 住友銀行秘史

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    バブル絶頂期にまきおこった、住友銀行とイトマンを巡る事件に関する詳細が記されている。

    著者は元住友銀行の元取締役であり、組織内部から状況を伺い、逐一をメモとして残した。住友銀行という組織を護るただ一心に、陰に陽に行動し事件のおとしどころを探っていく姿は、感銘しかない。

    巨大組織の中とはいえ、実は組織の大小は問わず、実に人間臭いところで組織が動かされていくことが、手に取るように分かり非常に面白い。

    勤め人なら読んでおいて損はない、一冊だ。

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    2024年02月26日
  • 住友銀行秘史

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    ネタバレ

    当時の住銀中堅社員の目線から見たイトマン事件の記録。
    あくまでも当時の著者の立場から事件を振り返ったもの。

    ●危機を察知してからも行内は保身や派閥争いで動きが鈍い。そうこうするうちにイトマンの借金は劇的に膨れ上がる。銀行の危機察知から詐欺師たちの巻き返し、住銀のカネをしゃぶれるだけしゃぶり尽くそうとする詐欺師たち、それに操られる会長、幹部、イトマン、、。
    ●行内政治、イトマンでの多数派工作、社長の追い落とし、、財界の大物でもある磯田会長を篭絡していた詐欺師、会長や役員に直電する詐欺師、、これ恐ろしいのは事件の全貌はいまだに明らかになっていないということ。今後も明らかにはならない。数千億円が闇

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    2021年12月30日
  • 住友銀行秘史

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    本人のメモ書きを時系列に掲載したもので、所々に解説があるが、イトマン事件全体の説明はないので注意。自分は「堕ちたバンカー」の後に本書を読んだので、流れが理解できたが、これを最初に読んでいたらなんだかわからなかっただろう。
    しかし事件当事者の一次資料であり、臨場感があり流れさえわかっていれば大変面白い本だと思う。

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    2021年09月05日
  • 住友銀行秘史

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    実際に事案に関与した当事者の一人からの、詳細な記録。つぶつぶの事象の列挙が中心で、全体のストーリーが見えにくい面はあるが、迫力はある。実名で記載されており、大企業の派閥争いがうかがい知れる点も興味深い。

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    2019年01月01日
  • 住友銀行秘史

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    当時の住友銀行の部長が、イトマン事件について書いた本。ほとんどの登場人物が実名で書かれている。著者が当時つけていたメモを基に書かれているため、日付や場所、発言にも信憑性があり、説得力がある。巨大銀行、巨大企業の意思決定のやり方や、内部抗争の実態について理解できた。
    「(国会答弁補佐)野一色部長は想定問答集にあちこち付箋をつけて「これでもう完璧だ」と言う。私は「そんなに付箋だらけにしたら、どの付箋が何をさしているこかわからなくなってしまいますよ。こういうのは、自分の知識の範囲で答えるしかないんですよ」と応じた。実際、その場になって彼の担当分野について質問されると、彼はどの付箋だかわからなくなっ

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    2018年10月23日
  • 住友銀行秘史

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    ネタバレ

    四半世紀前の話だが、銀行員というより、ヤクザな世界だなぁと実感。メモばかりで時間の経過や流れが繋がらないのが残念。ネタはとても良いものなので、池井戸さんあたりが小説にしたら面白いのになぁ。。

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    2018年05月25日
  • 住友銀行秘史

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    これだけのメモをよく取っていたな、というのが第一印象。
    著者ご自身のバイタリティに感服。普通なら心が折れる状況でも、見失わずに貫徹した。
    バブルとは、驚きの時代だったということがよくわかる。今ではありえない。
    ただ、営業のやり方は参考になる。

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    2018年05月15日
  • 住友銀行秘史

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    イトマン事件の顛末を当時部長クラスの著者(トップ昇進組、転出後のちに楽天DLJ社長)が、自分の当時の詳細なメモをもとに日時単位で記録する。
    イトマンという中堅商社がバブルの最中不動産(ヤクザ絡み)でズブスブになってしまうところに、住友銀行が当時の天皇と呼ばれた会長がこれまた身内共々ズブズブに入り込んでしまい、銀行を巻き添えに総額5000億円の損失を出す。
    全く仕事(適正なサービス・商品を提供し対価をもらう)という話がなく、校内の争い、および外部からの圧力を使って内部に関わっていく話が繰り広げられていく。
    とても生々しく面白い。銀行が生き生きしていた時代ともいえるが、30年弱でこうも変わるのかと

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    2018年03月31日
  • 住友銀行秘史

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    汚職が発生したとき、人は正義感が自然と生まれてくる。
    でも同時に組織人としてのブレイクスルーを全うしなくてはならない。
    おまけにバンカーという特殊社会で生きる著者の熱い想いにはただただ頭が下がります。
    僕らが日々過ごす中でも起こりうることを刻銘に記述されているこの内容はとても興味深かった。
    自分が日々過ごす中で悩むことの解決の糸を教えてくれた気がする、貴重な一冊でした。

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    2018年02月06日
  • 住友銀行秘史

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    とても興味深く読めた。一流大学を出て、一流企業に勤めても欲と保身の塊である事が良くわかる。日経新聞の記事が企業や官庁の意向によって、記事として掲載されたり、されなかったり、癒着ではないかと思った。

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    2017年12月22日
  • 住友銀行秘史

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    イトマン事件を住友銀行内部から捉えた本。正直、登場人物の多さや専門的なスキーム、メモ書きがメインであるため読みやすい本ではない。ただ、社内政治の動きやメディア、官僚の対応などが詰め込まれており、巻頭の人物説明や相関図を参考に丁寧に読み解けば、ビジネスマンとして知見を広げられる一冊です。ので、がっつり読みたい人にオススメです!

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    2017年10月19日
  • 住友銀行秘史

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    まとまりのないメモなので、読みにくい。
    知っている人が何人か登場するし、興味がある事件ではあるけど、読むのに時間がかかってしまった。

    イトマン事件のことは全然知らなかったので、まずはどういう事件だったのか調べてから読む必要があった。

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    2024年10月16日
  • 住友銀行秘史

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    ちょっと銀行の方でないとわからないような用語があったり、断片的なメモが続いていくスタイルなのであらすじがつかめなかったり、読むのに少し苦労した。イトマン事件についてあらかじめ概要を知っておいてから読んだ方が楽しめたかなと思う。
    著者の正義感とかポリシーとかの良し悪しは置いておいて、大銀行相手に怪文書を使って撹乱したり、裏工作をしたりと、かなり充実した体験をされた方だなと思った。
    あとは、どちらかと言うと悪役が魅力的だった。保身に走る銀行役員らより欲望のままに行動していく伊藤氏などの方が惹かれるものがあった

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    2022年09月03日
  • 住友銀行秘史

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    当時イトマン事件があったという程度の知識しかなかったが、内情を記した本書は読んでいて期待以上に面白かった。

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    2020年02月12日
  • 住友銀行秘史

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    実名で住友銀行の裏側を描いています。筆者は頭取候補、エースと言われていたのに、この著書ですっかり評判を落としてしまいました。

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    2019年10月22日
  • 住友銀行秘史

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    ★本書の成り立ちが恐ろしい★住友銀行秘史というよりはイトマン事件の深層といった方が正しいだろう。新聞記者を巻き込み、著者のいう正義感からイトマン事件を世に訴えた力業がすごい。当時のメモを並べているのが内容の中心なので物語としての深みに欠けるが、著者からみた当時の人間模様は天皇・磯田氏を軸に面白くは読める。なぜ社内の人間の行動をこれだけつかめていたのかというと、磯田会長の秘書を愛人にしていたからという。本書には直接は書いていないが、そこが一番、闇が深い。

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    2018年11月07日