ゾランドヴェンカーのレビュー一覧

  • 文庫 沈黙の少女

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     読み終えた途端に、「彼ら」に関する叙述をすべて読み返した。これまで読んでいたものは自分の読んだと思っていたものと全く違っていたことを知る。それが終盤になってわかる。いわゆるどんでん返し。トリック。叙述と構成がもたらすストーリー・テリングの奇妙に捻じれた世界。

     饒舌な小説ではない。ある緊張感が全編を満たす。日常生活からアウトランドにはみ出した者たち。自由意志であろうと、強制された形であろうと、登場人物のほぼすべてがそのようにカテゴライズできる。

     非日常生活を象徴するのが、冬という季節、凍りついた湖と、その周囲に広がる森、そして古びた小屋。小屋には狭い地下蔵が用意されている。

     小説を

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    2019年07月20日
  • 文庫 沈黙の少女

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    「きみ」「わたし」「彼ら」この3つのパートを繰り返し物語が進む。冒頭の「きみ」で何が起こったの???と引き込まれる。
    「きみ」で語られる登場人物の謎が解き明かされる時、その状況に唖然とする。
    原題は「STILL」。ぴったしだ。

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    2023年08月04日
  • 文庫 沈黙の少女

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    サスペンスなのに文章が格調高くて純文学のよう。ドイツの冬の厳しさが浮かぶようです。でも、そのために結末に来てもすっきりしない感があります。きみ、にとってはラストは良い結末なのでしょうね。

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    2019年08月21日
  • 文庫 沈黙の少女

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    「わたし」と「きみ」と「彼ら」の3つの視点を切り替えることで、「狩り」の話が進む。「狩るもの」と「狩られるもの」が幾重もの重なり、逆転する。
    その構成の巧みさには、敬服する。
    ただ、登場人物に思い入れするのは難しかった。

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    2019年08月15日
  • 文庫 沈黙の少女

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    一気に読んだのだからページターナーであるには違いないのだけれど、いやあもう年々暴力がつらくなってきてまして。。。

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    2019年08月14日
  • 文庫 沈黙の少女

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    ネタバレ

    2年ほど前に書評をみて、気になっていた本をようやく読んだが、後味が悪い。
    ペドフィリアがまず受け入れられない、子供の誘拐も殺人ゲームも読んでいて辛かった。

    パパの場面はたしかにショックだったけど、話題になったほど、自分には響かない本だった。
    ラジオ、というのはひっかけだったのね。
    ずっと犯人だと思っていた人たちがただの模倣犯だったというのも拍子抜け、、、。
    主人公だけが何も知らない世界。

    ペドフィリアのおじさんの一人が、自分も子供の頃に被害者だったというのは苦しい。

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    2020年07月17日
  • 文庫 沈黙の少女

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    実際にこんなカルト集団のような者が存在したらと想像するだけでも怖い.3つのパートで進行しながらだんだん真相に近づいていくところは格調高い文章の力もあって怖いもの見たさでワクワクするところもあったが,最後のきみであるルチアにとって希望のある幕切れとも言えるが,なんら邪悪で自分勝手な存在は失われていないのがなんとも後味の悪い読後感になった.

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    2019年12月01日
  • 文庫 沈黙の少女

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     最後まで読むと、ある部分を読む返すことになるだろう。「わたし」、「きみ」、「彼ら」の三つの人称で語られる物語は、鬱展開で胸くそが悪くなる。でも、先を読みたくなる作品。裏表紙には、「黒々とした衝撃が胸を貫き、腹を震わせる」とある。そうとおり。

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    2019年11月17日
  • 文庫 沈黙の少女

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    両親が留守の雪の夜、何者かに誘拐されたルチアと弟。2週間後雪の夜道で保護されたルチアは沈黙を続ける。
    同じように娘を誘拐されたミカは、謎の男たちに近づいていく。誘拐犯たちは子どもたちをどうしたのか?

    ミカの立場からかかれる「わたし」の章と、ルチアを描く「きみ」の章、男たちを描く「彼ら」の章が交互にストーリーを進めていく。徐々に明かされる真相に驚く。そして、とにかく怖い。
    いろいろな意味で衝撃のはしる小説だった。疲れた。

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    2019年09月24日