菅原克也のレビュー一覧

  • 英語と日本語のあいだ

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    ネタバレ

    英語学習について、筆者の体験を元にまともに分析している。
    統計的なデータ、研究をしこたま引用して主張を強めるというより、筆者がたさ「体感」していることを丁寧にまとめているという印象。

    特に、母語として英語を学ぶ場合と外国語として学ぶ場合を明確に区別し、さらに、学習者のおかれている環境にも着目している。そして、それぞれの場合で、英語の学習方法は違うことを明確にする。英語を話さずとも生きていける(学校の外に英語を話す場がない)日本で生まれ育った日本人にとって、最適な学習方法は何か、という問に体し、文法的基礎を身につけることが先決だ、という結論を導いている。
    よく聞く英語学習法とは、この点で大きく

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    2013年03月07日
  • 英語と日本語のあいだ

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    2013年度から高校の英語の授業は英語で行うことが決まったようだ.なんと馬鹿な事を文科省は考えているのか.これについで穏やかな反論が本書の内容だ.共感することが多かったが例を一つ.p 203に次のような記述がある. 「英語を書く機会が増えると,自分が日本語で書いた文章をそのまま英語に直そうとしても,うまくいかないことがわかってくる.それより,はじめから英語で書いた方が,はるかに手間が省ける.」 その通りだ!私論だが,中高で英語を必修にする必要はないと思っている.日本の社会で英語を必要とする人はわずかだ.英語の授業は英語嫌いを増やしているだけだ.

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    2011年09月14日
  • 英語と日本語のあいだ

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    深く深く共感できた。
    英語教育について語る時、「学校英語なんて使えない」という論調が声高に言われることに、私は以前から「それは違う!」と思っていた。
    「英語は英語で理解する」。これはもちろん大事なことだけれど、日本で生まれ育つ子どもたちがそこにたどり着くまでに、日本語を介して英語を理解する段階があることに対して、英語教育について考える人たちはもっと寛容であるべきではないか。
    「あとがき」は本書のとてもよいダイジェストだと思う。

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    2011年03月01日
  • 英語と日本語のあいだ

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    ネタバレ

    英語を勉強しようと決めたとき
    英語の文法を覚えたとき
    英語を読むのに慣れたとき
    英語を話せなければならなくなったとき
    英語を教えるとき

    自信の英語のレベル、使用目的、状況などが変わったとき
    そのたびごとに読み返したい本です。

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    2012年04月08日
  • 英語と日本語のあいだ

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    名著。高校の英語の授業を英語で行うという国の方針への反論に始まり、文法学習と訳読練習の大切さを訴える。とても重要なことだと思う。

    日本が世界で勝ち抜くために必要なのは定型的な会話表現ではなく自分の意見であり、それは確かな文法力と理解力から始まる。

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    2012年11月19日
  • 英語と日本語のあいだ

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    「そうですよね、うんうん」という調子ですらすら読めた。
    というのも、私も中学から文法・訳読中心の英語教育を受けてきて、高校卒業時点では、英語は得意で好きだったが、全く聞けず、話せずだった。しかし、大学で発音記号を学び、かねてからの一種の憧れ・夢であった留学(語学留学)を経験し、今は多少聞けて話せるようにもなった。
    その時感じたのは、やはり基礎となるのは日本で積み重ねてきた文法・単語の知識、訳読の訓練であり、これらは外国語の習得には欠かせないものだということ。「よろしく」や「がんばれ」など、どうしても英語に直訳できない日本語もあり、その逆も然り。一つ一つ覚えていくしかないということ。など多くの点

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    2011年02月06日
  • 英語と日本語のあいだ

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    英検の二次でやらかした直後に読んだら、なかなかグサグサくる内容でした…。日本人としてどう英語と向き合うべきか?ヒントをいただいた気がします。まずは「インプット」を改めて徹底しようと思いました。

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    2022年11月24日
  • 英語と日本語のあいだ

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    英語の教育に当たる著者による、平成25年度から実施される高校の英語による英語授業の批判書。英語の基礎教育を重視すべきとの見地から、読むことの大切さを強調している。日本語と英語の違いや、訳読と翻訳の違いの記述は面白かった。

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    2018年11月13日
  • 英語と日本語のあいだ

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    日本語話者が英語を学ぶにあたって、文法と訳読のプロセスを重視し、両言語観の違いを正しく捕らえて進むことこそ大切と述べます。簡単な(=応用の利かない)口頭会話ができる一方で、英文を読み解けない人が増えることは確かに将来の国益を損なうといえるかも…堅実な英語、を自分も心がけて身につけたいです。

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    2012年08月22日
  • 英語と日本語のあいだ

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    訳読の重要性を謳い,平成25年度から始まる「英語での英語教育」に疑義を呈した本です。英語が嫌いになるのはある意味で仕方がないとは思いますが,訳読というのが単なる英語→日本語という変換に留まらないという観点を明示してくれています。こういう話は中学生にもしておく必要があると思います。

    新指導要領を作った文科省の役人は,この著者が務める東大の卒業生が多いはずですね。外務省の役人よりも英語ができないということはどこかで聞いたことがありますが,「自分たちは英語を読んだりすることはできるけど,英語でやり取りするのが下手なのは,英語教育にコミュニケーションの時間が少なかったからだ!」という短絡的な発想が新

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    2011年09月28日
  • 英語と日本語のあいだ

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    英語のみによる授業の導入に意義を唱え、ふつうの日本人の立場としてどう英語を学ぶべきかを考察した本。
    読解力、とりわけ訳読(いわゆる逐語訳含む)の重要性を指摘し、それが学習者にとってなぜ重要なのかの説明が明快であり、説得力もある。なにより、私自身が高校生活・大学受験を通して学んできた「英語」が、間違いでは無かったと確信できたことが嬉しい。
    なにかと槍玉に挙げられやすい「受験勉強」だが、英語に限らずすべての科目に、やっただけの成果はあがることをもっと認めてもいいと感じる。もちろん見直すべき点が無いということではない。だが少なくとも私は、あの頃の勉強が、肝要な土台を築きあげていたことを実感している。

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    2011年04月13日
  • 英語と日本語のあいだ

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    ネタバレ

    日本語環境に身を置く者として
    いかに英語力を高めたらいいか。
    日本語、英語、両方の力を高めたい
    私にとって重要な課題だ。
    その中、筆者が訴えるのは
    決して斬新な意見ではない
    「長文読解」。
    『読む力を向上させ読む体力をつけることが
     総合的な英語力を養う手段になる』
    『英語と日本語の間には変換が必要』
    『英語を日本語に訳し、英語を書いてみる』
    中学時代からやってきた地道なことを続けることが求められる。
    それなりの英語力になってきた今だからこそ、
    「長文読解」がリスニング、スピーキングも含めた
    英語力向上につながるのではないかとさえ思えてきた。

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    2011年03月21日
  • 英語と日本語のあいだ

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     「英語と日本語のあいだ」をつなぐために、読む力が最も重要であり、訳読の授業によって英文を理解する訓練を積むことが必要、ということを主張するもの。新学習指導要領の「英語の授業は英語で」を受けて書かれたもので、いわゆるこれまでの正統派の英語教育の重要性を訴えている。
     コミュニケーション重視の英語教育の風潮に対するアンチテーゼとなっているこの本であるが、内容的に目新しい部分はない。著者は文学が専門らしく、英語教育の専門外である。おそらく、「英語の授業は英語で」の意味を本当にそのまま捉えているのではないかと思われる。文科省側の説明が足りないことのあらわれと言える。
     さらに、英語教育や文科省の側で

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    2011年11月01日
  • 英語と日本語のあいだ

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    英語学習は「読む力」をきたえるべきだという主張について述べている本。「英語の授業は英語で行う」という文科省の方針への疑問から端を発しているもので、よく言われる「英語は英語で考える」という考え方は少なくとも日本語話者にとってはハードルが高く、むしろ「英語を日本語で考え、二言語間のギャップをきちんと認識する」ことが重要だという意見は納得できた。
    でもタイトルが柔らかい割に内容は硬めなのはなんだろう。編集の人がつけたのかな。

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    2018年10月07日