堀内勉のレビュー一覧
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東大法学部→ハーバード法律大学院→興銀→森ビル専務という資本主義の最前線を生きてきた著者が、読書を通じて「人間としてどう生きるか」という問いを見つめ直した一冊。正解のない時代に、安易な答えに飛びつくのではなく、古今東西の賢人との対話を通じて、人類の「集合知」を力に変えていく(p31)。そんな読書のあり方が、深く心に残りました。
特に、「労働者はゲームのコマであってもプレイヤーではありません」(p215)という言葉には、輝かしい経歴の裏で、組織の論理と自分自身の軸との間で葛藤してきたであろう著者の苦悩が滲んでいるように感じます。その葛藤の根には、「『つまらない夢をあきらめた』ことで一人前の大人 -
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200冊を超える本を紹介する「読書大全」の著書であり、大の読書家として知られる堀内勉さんが、ご自身の読書に対する考えをまとめた本である。
読書の価値がタイパ・コスパの点から疑問視する声も聞かれ、また一方で読書に「教養」を求める声も多く聞かれる中で、エリートビシネスマンとして人生の苦難のなかでも読書を続けた著者による本との対峙する姿勢は、多くの人にとって見習うべきものとなるだろう。
特筆すべき点は、著者の構造的な知識の整理の方法の一部が掲載されていることである。著者による古代哲学・思想から現代の科学に至るまでを網羅した叡智の構造化(特に前著、読書大全で明らかである) は、それぞれの思想のつな -
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辞書的本 著書が、ビジネスリーダたちに理解してもらいたい、人類の歴史に残る名著を理解してもらいたいが目的です。
構成は以下です。
序章 学問の構造と本書の構成
第1部 人類の知の進化
第1章 宗教と神話
第2章 哲学と思想
第3章 経済と資本主義
第2部 人類の歴史に残ろ200冊
第1章 資本主義/経済/経営
第2章 宗教/哲学/思想
第3章 国家/政治/社会
第4章 歴史/文明/人類
第5章 自然/科学
第6章 人生/教育/芸術
第7章 日本論
第1部は、各章に図があって構造が示されています。
哲学と思想、経済と資本主義については、20世紀の世界観かと
構造、流 -
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著者の趣味趣向でオススメの本を羅列するのだはなく、各分野ごとに体系的に勧めてくれおり、順序に沿って読み進めるだけどその分野のどのような推移を辿ってきているのかを大雑把に掴むことができる。第1章の大枠の流れを説明してくれている部分と合わせて、本書を通して総合的に学ぶこともできている、ありがたい。
学問の端緒は哲学にあり、そこから派生して自然科学隆盛の世界に偶然にも生きている私ですが、人間の究極命題、私とは?世界とは?を探究し続けるアプローチが仔細化しているだけで、目的は共通してるのではという印象。
200冊全てを読破できれば良いのですが、まずは今の自分により興味が惹かれたものから順にチャレン -
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好きに読めばよい、というが真理だと思う。
読書から何かを得たいという我欲もあるものだが、それはそれで目的を持った読書でも良いし、目的を持たない読書でも良いと、いずれも肯定されるべきなのだ。なぜなら、読書とはどこまでいても個人的な所作なのだから。自分自身が納得するか否かは、自分への問いかけでしかない。ページを開けば、そこに著者の語りといつでも出会える、無視もできる、後戻りして読むこともできる、素直にも読める。曲解もできる。
この本で紹介されるようなエピソードについては、頭に入れていつでも引き出す事ができたら素敵だなと思った。身につければ、誰かにそれを贈ることができるのだから。例えば、
瀬島龍