曾根元吉のレビュー一覧

  • 日々の泡

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    日々の泡は、コリンっていう主人公とクロエっていう肺に睡蓮が咲く病気にかかった奥さんと、そのほか二組のカップルの話で滅茶苦茶悲痛だった…………

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    2024年04月25日
  • 日々の泡

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    大学生の時に初めて手に取ってから、何度も読んでいる。美しい幻想、まやかしの世界、どこまでが現実かわからないけど、恋する気持ちだけは本物なんだよね。初めはほの明るくパステル調で色彩豊かなのに、どんどん光が失われて最後は白黒の線描画という感じ。

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    2021年06月02日
  • 日々の泡

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    初めて読んだのが原文という、今思えばかなりの無茶だったなぁ…

    改めて日本語訳を読んだ時、不安だった原文の解釈がそれなりに外れてなかったことに逆に驚き、その時たまたま出ていた課題の仏作文を仏〝小説〟にして提出した(これもかなりの無茶だ)くらいの衝撃を受けた。
    変な転換だけど、それくらい挑戦的な文章に思えたのだ。

    今でも好きな小説として、最初に挙げる一冊。

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    2020年05月24日
  • 日々の泡

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    頭の中が色んな絵でいっぱいになった。家が丸くなるのとか、小さくなって行くのはとても微笑ましくて悲しかった。いい作品

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    2013年12月08日
  • 日々の泡

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    ネタバレ

    まず、描写が綺麗、美しい。脳内でその綺麗な映像が細かく、鮮明に思い浮かべられるし、その映像が本当に綺麗。文章力に、脱帽です。ところどころの表現はすこし非現実的で、けど内容はどこか現実味を帯びているような表現だなと思いました。
    アリーズとシックの結末、またハツカネズミのこと、残されたコランのこと。すべてなにをとっても切なくて、もう、本当にすてきな小説でした。
    ニコラとイジスの話が少なかったのが少し残念かな。でもあの二人はこの後も幸せに暮らしていくんだろうと思うからこそ書かなかったんろうと思いこむ!目に見えてわかるぐらいの展開に持ち込んで、あえてかかない。コランやシックたちのことを読んでいればわか

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    2015年06月08日
  • 日々の泡

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    幻想と皮肉と遊びと悲壮の入り交じった、美しいメルヘンです。根底に暗澹とした「不条理」が見え隠れしているところなんかは、いかにも当時のフランスらしい感じもしますが、簡単にフランス文学と一括りにはできないほど力強い作品だと思います。耽美で独特な描写は、このボリス・ヴィアンでしか見たことがありません。

    ストーリーだけ追ってしまうとなんだかいただけないのだけど、その見せ方は本当に秀逸です。ストーリーのトーンと同調して、描写の色合いも変化していくところはとても見事でした。おおまかに言うと、前半はライトでファンタジック、透き通った色水のようなのですが、物語が進むにつれてそこに濃紺のインクがぽたりぽたりと

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    2012年12月16日
  • 日々の泡

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    再読。もう何度読み返してるかわからない大好きな小説
    というか世界でいちばんこの本がすき
    あまりにも道化で可笑しいことばかりがあふれるのにどうしてこう悲痛なのかしら
    本当に悲しいことは真面目なもののなかよりも、ふざけたものの中にあるのだと思う
    幸せな時は全然長続きしないなぁ
    そんなことないっていうひと達はとても多いけど、人間関係の脆さと同じくらい壊れやすいものだと思う、私は。
    この小説だけが彼の作品の中で飛びぬけて評価されてるのも皆そのことに気付いてるのだと
    だからこそ、コランとクロエが二人で過ごした時や、シック、アリーズ、ニコラ、イジス達との楽しい時がよりいっそう、きれいにみえる
    酷い小説。残

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    2012年10月15日
  • 日々の泡

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    所々残酷なところがあり、作中で笑えるところはほぼ無し。退屈ではないが薄気味悪さが漂う。二組のカップルの最後は悲惨すぎた。

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    2025年05月16日
  • 日々の泡

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    純粋な愛に生きる登場人物たちの有り様が、幻想文学としての舞台装置と相まって不思議な読書体験を与えてくれる。市井の嫉妬や撓んだ幸せみたいな凡庸さから逃れたく手に取るなら、在り来たりな現実を遠ざけてくれる優れた非日常の媒介。

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    2018年04月22日
  • 日々の泡

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    ネタバレ

    読み始めと読み終わりでは全然印象が違う小説。

    最初はシュールだなあ、なんて笑いながら読んでいた。
    けれども、現実と非現実が絡み合い混じりあうように紡がれる文章が、どんどん笑えなくなってくる。
    シュールというよりサイケデリック。

    好き勝手に生きているように見えて、生きていくための手段を全くもたない登場人物たち。
    奔放に生きるというよりも、緩やかに死んでいくかのように。
    自覚のない自傷。
    彼らが痛ましくてしょうがない。

    自分を生かすことすらままならないクロエ。
    クロエを支えたいのに、気持ちばかりでなんの力もないコラン。
    ふたりの生は、どんどん小さく儚くなっている。

    しかしそれよりも、シック

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    2016年02月16日
  • 日々の泡

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    容姿端麗、有り余る資産、そつのない社交性。
    コランの優雅な愛と凋落の日々。
    シュールで戯画的な描写。
    美しくもあり、残酷でもあります。そして滑稽なのです。
    美しい悲痛な愛の物語の裏に、持たざる者の鬱屈を、シニカルな視線を感じます。
    愛を失い貧乏になったコランは無邪気に問います。
    何も悪いことをしていないのになぜ?と。
    でも彼が恵まれた生活を享受できていた理由も何も無いのです。

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    2013年10月26日
  • 日々の泡

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    最初のうちは真面目に読んでいたので、時折挿し込まれる不可解な表現に戸惑った。
    が、この独特な非現実性を理解すると、それを楽しめるようになった。
    豊かなリリシズムと、優しさと、残虐性の潜む大人のファンタジー。
    愛する人を失いたくなくて気も狂いそうなのに、それ以外の人間をあっけなく殺してしまうのだ。

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    2014年01月07日
  • 日々の泡

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    全く同じ内容であるという「うたかたの日々」(ハヤカワepi文庫)は翻訳文に抵抗があって、全く読み進めることが出来なかった。
    しかしこの曾根元吉訳の「日々の泡」(新潮文庫)は問題なく読むことができた。日本人作家でも合う合わないがあるから、それの違いかな?
    肺に睡蓮の花が咲く奇病に冒されたクロエと、彼女に恋をしたコランの物語なのだけど、シックやアリーズ、そしてニコラと、彼らを取り巻く人々までもが不幸になっていく。
    救いのない哀しい物語。
    もう少し、彼らに救いがあってもいいのではないだろうか?
    シックは致し方ないにしても…。

    カクテル・ピアノや素敵なギミックがあちこちに。
    部屋や街の様子、物事の描

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    2012年01月24日
  • 日々の泡

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    前衛的とか不条理って、こんな感じ?

    けっこう好きです。
    部屋がシャボン玉みたいに変わるところ。
    銃の育成
    心臓抜き
    最後のねずみの自殺方法

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    2011年12月25日
  • 日々の泡

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    初めてのシュールレアリズム文学でした。
    最初は、コミカルな印象を受けて、本当に面白いのかと思いながら読み進めました。
    中盤、斜陽文学の感じが出てきたので、谷崎の細雪に近いものを感じました。
    そして、終盤の急展開がまさに悲劇でしたね。読書会では意見が別れましたが、私はラストがとても強く印象に残りました。
    シュールレアリズム文学ってどうなのかなと思ってましたが、不思議な現象の描写が、逆に心理描写を際立たせている感じを受けました。

    クロエに関しては、悲劇のヒロインなのか、さげまんなのか考えるのはとても面白いと思います。
    そして、花が何を象徴してるのかという事も。
    カフカの変身の様に、何かの象徴何で

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    2011年11月29日
  • 日々の泡

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    途中までは機械的に読んでいたけれど、後半、坂を転げ落ちていくように不幸になっていく様に引き込まれた。強烈な印象。

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    2011年11月28日
  • 日々の泡

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    こういうの好き。駆け足で読んでしまったから、もう一度、ゆっくり再読したい。

    翻訳がちょっと、ずれているというか・・・。「ナイロン靴下」ってストッキング??他にも随所に、ええっ?と思うような表現で、夢の世界から現実に一挙に戻ってしまうことがあったのがとても残念

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    2011年11月18日
  • 日々の泡

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    とても素敵な小説だった。水道管のうなぎ、カクテルピアノ、肺の睡蓮などシュールな描写が散りばめられていて「!!?」となるけれど、読むほどにそのきれいで悲しい世界観に吸い込まれていく。静かな狂気がたくさん。きらきらしたものもたくさん。

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    2011年04月11日
  • 日々の泡

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    言葉遊びに溢れた幻想的な世界で刹那的に生きる若者達。儚さの中にしかない美しさを知っているからこそ、人々はこの物語を愛するのでしょう。

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    2021年01月04日
  • 日々の泡

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    毎日おしゃれをして、料理人の手の込んだ食事を食べて、乱痴気騒ぎをしている。仕事もしていない若い主人公がお金がなくなったらどうなるのか心配になる。しかもコラン夫婦は労働を馬鹿にしている。まるで『アリとキリギリス』のキリギリスみたいだ。
    妻のクロエが倒れたと聞いて慌てているのはわかるが、スケート場の案内人がもたもたしていたから殺すのは怖すぎる。
    読んでいくとだんだん、ファンタジー要素の強い本なのだとわかってくる。

    蒸気機関、肺に蓮ができて毎日花が必要になる病気、銃は人肌で温めて作る、など要素としては面白いと思うが、好きにはなれなかった。

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    2020年11月01日