曾根元吉のレビュー一覧

  • 日々の泡
    読みながら、自分の加齢をひしひしと感じた。昔読んだ時は描写の美しさと、コランとクロエ可哀想!みたいなピュアな感想しかなかったのに、今読むと「お金が無いって本当にツラいよな〜」みたいな感想になってしまう(恋愛部分はさして……。アリーズの肩を持ちたい)。

    果たして労働は尊いのか卑しいのか。金が無いと人...続きを読む
  • 日々の泡
    再読。葬儀の場面とクロエ悪女説以外覚えてなかった。全く印象に残ってなかったけど、結構人が死にまくってたんだ。この世界観はなんかちょっとラリってる感じやね。嫌いじゃないけども。
  • 日々の泡
    輝かしい愛の日々からの肉体と精神の病魔による転落劇というのはいまだ反復され続けているものだが、ただ若いというだけでない、あまりの純粋性がはらむ危うさは、やはりひとをたじろがせる。
    死して時代の寵児となったヴィアンの悲痛と諧謔の日々はどんなジャズを奏でていたんだろう。
  • 日々の泡
    「フランス文学の恋愛小説において死ぬのは必ず女」という法則にもれず、深い愛、愛による堕落、生活苦、もお決まり。けれど、椿姫やマノンレスコーと比べるとどことなく若くて甘酸っぱいところ、突然の猟奇的殺人と前ぶれもなく動物が喋り出すファンタジー要素がこの小説の個性であり現代と近代の違い。20世紀の小説はあ...続きを読む
  • 日々の泡
    こまかな描写がひとつひとつロマンチックだったり、おとぎ話だったり、極端に巨大だったり、いろいろと表情が豊か。そして物語も切なくてね。肺の睡蓮が咲いてしまう奇病とか。貧しくなっていく若者たちとか。イマジネーションがたまらなく愛おしいと思わせる。
  • 日々の泡
    「彼は不幸じゃない」・・・「彼には苦しみがある、そのことが私には耐えられないのよ。」

    ハナレグミのアルバムに「日々のあわ」っていうのがあって、
    それと同じ題名だったから買った。
    この作品がアルバムタイトルの由来になってるのかは、知らない。

    こういう作品はどうやって楽しんだらいいのか今一つよくわか...続きを読む
  • 日々の泡
    「日々の泡」、もしくは「うたかたの日々」という作品。

    『20世紀で一番悲痛な恋愛小説』だったかな?!
    っていうキャッチフレーズをひょんなきっかけで聞き、読んでみた本。
    『悲痛』ってなかなか言わないし聞かないよねと思いつつ読んでみたら、たしかに悲痛だなと。。
    こんな物語を思いつき作品として残せる著者...続きを読む
  • 日々の泡
    フランス文学な感じのまどろっこしさが読んでてしんどかったけど、バスマットに塩を振ったら泡が出てくるとことか、クロエの肺に咲いた睡蓮を他の綺麗な花々で脅すとことか本当に好き。
  • 日々の泡
    不条理を描いた小説を読むのがあまり得意ではないので、途中何度か辛くなってしまった。しかし、ラストのハツカネズミが自殺するシーンが素晴らしくて、嫌な気持ちになったんだか感動したんだかよく分からないことになりました。別に全然愉快なシーンではないのに、どうしてこの場面を気にいってしまったのだろう…。
  • 日々の泡
    ポツ、ポツと湧き出した夢幻の種が、幸福の絶頂とともに
    咲き乱れ、強い香りを放ちながら恐ろしい勢いで枯れてゆく
    という感じ?
    キリスト像とのやり取り、結婚式との対比が切ない。