金丸マキのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ恋人に振られたばかりの流星が、バーで飲んでいると背の高い、かっこいい男に声をかけられる。そんなつもりはなかったけれど、したたかに酔っていた流星はその男と一夜を共にしてしまう。
名前も教えず、逃げるようにその男の元を去った流星だったが、翌日、その一晩限りのつもりだった情事の相手が、人気ブティックの販売員・流星の前に客として現れる。鮎川と名乗ったその男は、紳士だけれど時折食えない顔が覗く魅力的な男だった。
しかも男の気持ちが「信じられない」という流星に、鮎川は「本気だって信じるまで通うよ」と言い、連日大量に高価な服を買っていく。以来、スタッフの目を盗んでは狭い試着室で強引に迫ってくる鮎川を、なんとかかわし続けていた流星。
ところが鮎川が有名なベストセラー作家だとわかって……
鮎川はとにかく真っすぐに流星に迫っていって、毎日、大量の服を買って行く。流星もその服が好きで、そのブティックに勤めているわけだから、「気に入った」と言って買ってくれる鮎川のことは嫌いじゃない。
しかも、細身な流星とは違って、身長もあってがっしりした体格の鮎川は自分が似合わない服も完璧に着こなしてしまうから、彼に服を選ぶのも楽しい。
おまけに、好きな食べ物が一緒だったり、趣味も合う。
けれど、流星は追いかける恋愛に慣れているけれど、追いかけられる恋愛には慣れてなくて、鮎川の想いが信じられなくて逃げ腰になってしまう。
せっかく鮎川の気持ちが信じられるようになっても、職場では自分の性癖を隠している流星は、同僚に問い詰められて、でも本当は正直だからうまくかわすこともできなくて、心にもないことを言ってしまい、それを鮎川に聞かれてしまう……。
そして、更に二人はすれ違う。
個人的に、すっごく流星の気持ちはよくわかるから、何とも言えないよね。いくら理解のある職場だと言われても、自分の気持ちを認めることがそもそも怖いのに、それ以上に周りに理解を求めるっていうのは、本当に怖い。自分の力の及ばないところで跳ね返って傷つけられることもあるかもしれないしね。
でも、そうやってボロボロになっても、流星が傷ついた原因の一つでもある鮎川の部屋にいた女の人の正体にちょっとふいてしまうようなオチもあり。よく恋愛ものにありがちなパターンなんですが、こういうのもありなのか……と。確かにまだ23歳という年齢を考えたらそれは普通のことなんだけど、買い物の量と立ち振る舞いですっかり23歳ということが読者にも実感として入ってこなかったりしてるギャップにまんまと騙される……という。
こういうのもうまいなぁ……と、思わせてくれるこんな話は好きです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレある日、官能マンガ家の昂の元に、大手出版社から月刊の少年誌にマンガを描かないか? という執筆依頼がやってくる。当初、あまり乗り気ではなく、少し渋った昂だったが、アシスタントに背中を押されて、一度メールをくれた編集者と会うことになる。
その昂の担当になった編集者は、学術書から異動してきた一つ年下のエリート編集者・真行寺。真行寺は新作のネタ打ち合わせにはとても熱心だけど、セックスの描写の話になると、なぜか話題をそらしてばかりいた。
それを不審に思っていた昂だったが、ある夜、「あなたは経験豊富なんでしょうね」と真行寺に不意打ちでキスされてしまう。
戸惑う昂に真行寺は「つき合ってくれ」と告白してくる。
仕事相手とそんな関係になることに躊躇いを覚えた昂はその話を保留にしてしまうが、そんな時、昂の初体験の相手・上総と再会する。
再会した上総は、「この再会は運命かもしれない」と言い、「もう一度付き合わないか?」と昂に伝えてくる。
昂は、上総に懐かしさを覚えて流されそうになるものの、イマイチ一歩踏み込めなくて……
結局、どちらともから告白された昂は、悩んだ挙句に真行寺と付き合うことにするんです。
上総の執着は、昂には過去を懐かしむだけのようにしか、思えなくて。
まぁ、妥当な選択だとは思います。上総の気持ちはやっぱり、昂の立場だったら、昂のようにしか感じられないと思うし。
ただ、どちらかというと、話の比重的に、上総との関係に重点が行き過ぎてたような気はしてならない。意外と、真行寺の存在がかすんでたように思います。
まぁ、基本的に、この話のメインが、二人の男から告白された優柔不断な男の苦悩って感じのテーマだと思うし、いかに過去に蹴りをつけて、新しい恋に向き合うかっていうのが重要になってくると思うので。
過去をふっ切るために、過去の話の方が比重が大きくなりがちなのかなぁ……と思います。
もっとも、過去の男もまだ、完全にあきらめたわけじゃないようだし、今の男になった男も、なかなかに独裁的っぽい尻尾がひらひらと見えてるので、やっぱり昂は苦労しそうだな……と、思います。