ウィリアム・ケント・クルーガーのレビュー一覧

  • ありふれた祈り

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    ★3.5

    少年達のひと夏の思い出は、キングの『スタンド・バイ・ミー』や『IT』を彷彿とさせ、取り返しのつかない過ちを回顧する語りは、クックの『記憶』シリーズを思い起こさせる。ただクック作品とは違い、ミステリやサスペンス色はかなり薄く、事件は起きても爽やかさ(と言うには死が身近すぎるが)が前面に出ている印象だ。

    主人公兄弟の忘れ得ぬ夏は一人の少年の事故死から始まり、あまりにも痛ましい悲劇を経て否応なく子供達を大人へと成長させる。子供らしい好奇心がひとつの悲劇を生むきっかけを作ってしまうくだりは読んでいて痛ましいが、この後に迎える家族の再生と奇跡はその悲劇ゆえに心に響くものがある。

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    2017年09月17日
  • ありふれた祈り

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    ドイツ系住民の多い、ミネソタの田舎町の殺人。

    牧師の父とその家族が経験する夏。
    引き込まされる。

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    2017年02月04日
  • ありふれた祈り

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    他の方のご指摘の様に、スティーブン・キングの
    「スタンド・バイ・ミー」っぽい事は否めないかも。
    ですが、逆を云えばああいうテイストが好きならば
    十二分に楽しめる事間違いなしです。

    何より、行間から匂い立つような夏の強い日差し、
    カラカラに乾いた砂や土、ひんやりとした石切り場、
    咽るような草の香りに、汗。
    著者の表現力の素晴らしい事!
    死や悲しみ(差別的な事も多々)を根底に置きながら、
    美しくまとめ上げ、そしてこのさわやかな読後感よ。
    おお、神よ(笑)

    あと、地味に食べ物の描写が好きでした。
    ガスがドラム家の台所で作るポテトとチーズの料理が
    美味しそうです食べたいです。

    解説を読んで知った

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    2016年12月30日
  • ありふれた祈り

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    いろいろな事を考えさせられる深い本だった。ミステリーというよりも「祈り」と「赦し」の本。背景描写も登場人物の心理描写も 素晴らしく静かに落ち着いて心に訴えかけるのは 翻訳も良かったからだろう。ただ自然信仰と神道と仏教を足して割ったような考え方を持ってる私には どうしてもキリスト教の教えを骨にして書かれているこの本の作者が伝えたかったであろう事は 心の底からは やはり理解できない部分が残る。それでも 読んで良かったと思える 深い本だった。

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    2016年08月28日
  • ありふれた祈り

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    トマス.クックが好きなひとははまる。確かに、ミステリー色は薄いが、アメリカの片田舎の都市のよき文化と悪しき文化が匂いたつ。なぜか、行ったこともないのに、懐かしい気がするのはどうしてなんだろう。

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    2016年06月21日
  • ありふれた祈り

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    ボビー少年と旅の人の死、この二つの死の真相については結局語られなかったな。正し過ぎる人は周囲の親しい人達を追い詰めてしまう可能性があるのかも。

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    2016年03月03日
  • ありふれた祈り

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    コーク・オコナーのシリーズは未読のまま。ウィリアム・ケント・クルーガーの作品を初めて読む。

    あの夏のすべての死は、ひとりの子供の死ではじまった――。1961年、ミネソタ州の田舎町で穏やかな牧師の父と芸術家肌の母、音楽の才能がある姉、聡明な弟とともに暮らす13歳の少年フランク。だが、ごく平凡だった日々は、思いがけない悲劇によって一転する。家族それぞれが打ちのめされもがくうちに、フランクはそれまで知らずにいた秘密や後悔に満ちた大人の世界を垣間見るが……。少年の人生を変えた忘れがたいひと夏を描く、切なさと苦さに満ちた傑作ミステリ。アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作!

    教会付属の幼稚園に

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    2016年02月02日
  • ありふれた祈り

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    ミステリーというより,家族の物語としての重みが先に来て,読み応えたっぷりの満足感がある.現在の私が40年前を振り返って書くという形式で,13歳の少年にすぎない私の考察も重厚になって,一夏の経験というにはあまりにも次々起こる出来事に崩壊していく家族と踏みとどまる人の強さがぎっしり詰まっている.ニューブレーメンという街の様子もそこにあるかのようで,川や草原や吹きゆく風など匂いなども確かに感じられた.吃音の弟ジェイクに訪れた奇跡に感動した.

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    2016年01月25日
  • ありふれた祈り

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    アメリカの家族もの、とりわけ父子ものはちょっと苦手だけれど、これはおもしろく読めた。主人公の少年、父母、姉と弟、周囲の人々、それぞれの造型にリアリティがあって、しみじみ胸に迫る物語になっていると思う。

    ミステリとしての「真相」は、そういうのに鈍い私でも途中で見当がついたし、すごく派手な展開があるわけでもない。同じようなのをどこかで読んだような気もする。それでも最後までぐいぐい読まされた。あざとさのない語りがいい。欠点のない人などいないし、苦しみのない人生もないけれど、人は生きていくのだ。そんなことを思った。

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    2015年08月04日
  • 真実の眠る川

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     海外ミステリ あるある
    『日本人が登場すると作品のクオリティが下がる』

     クルーガー氏(他の海外男性作家もそうだが) 、日本人女性に対して幻想抱き過ぎだよ!

     出てくる日本人女性も変だけど、夫のインディアン(作品中もこの表記)も変なんだよね
     合わせ技で★1つ減点して★★★の評価

     長らく翻訳が途絶えている『コーク・オコナー』シリーズは好きなんだけどね
     本国では20作以上出てるそうなので、そちらを出してほしいね





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    2026年02月12日
  • このやさしき大地

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    アメリカ、大恐慌時代、4人の少年少女がインディアン救護院を抜け出し、カヌーでミシシッピ川を下ってセントポールのおばの家を目指す。黒い魔女と過酷な暮らし、虐待、神は竜巻。酒の密造、家族を失った農夫、癒しの伝導団、農園を失った家族、女の家。

    歴史小説なのですね。記憶に残る人がいるくらい、現代に近いように思えましたが。

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    2023年05月04日
  • このやさしき大地

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    1932年の米国、白人で孤児のオディとアルバート兄弟は、ネイティブアメリカンの子どものための教護院で暮らしている。暴力的な管理人にムチ打たれ、もとは監獄の独房だった反省室に入れられたり、過酷な労働をさせられたりしていた。そんな管理人に殺されそうになった時、逆に管理人を殺してしまう。兄弟は仲の良いモーズと竜巻で母親を亡くした幼いエミーとともに、教護院から逃げ出す。4人はカヌーで川を下り、兄弟の唯一の親戚であるおばの住むセントルイスうを目指す。

    エミーを誘拐した犯人として警察に追われながら4人は様々な出会いを経て川を下る。著者自身が「ハックルベリー・フィンの冒険」のアップデート版と書いているが危

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    2023年04月09日
  • このやさしき大地

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    オディッセウスが、イサカへと帰る物語。キュキュロプスは院長なのか?
    先住民や宗教団体の話も単なる挿話でなく語られるので、ちと長い。
    初だったので、姉妹編という作も読んでみる積りだが、メインたるシリーズ物の翻訳が途絶えていて、手を出しにくい。

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    2023年01月30日
  • ありふれた祈り

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    ネタバレ

    何故かはわからないがちょっと取っつきにくくて読み進むのに時間がかかった本だった。タイトルの意味が分かったあたりから盛り上った感じでしたが。主人公が男の子だったせいですかね?感情移入がイマイチ出来なかったような……

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    2016年01月30日
  • ありふれた祈り

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    始まりが1人の少年の死からなので、『トーマの心臓』を思い出す。
    少年の死は直接メインテーマではないけれど、この話の始まりとしてはすごく大事。
    子供のままではいられない、というさしせまってくる話。
    真実は残酷なものだったが、知りたいと思ってしまった以上、突き進まないわけにはいられないという心理は理解できる。

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    2015年05月27日
  • ありふれた祈り

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    「天にましますわれらが父よ、この食べ物と、これらの友と、わたしたちの家族への恵みにたいし、感謝します。イエスの御名において、アーメン」それだけだった。それで全部だった。実にありふれた祈りで、記憶にとどめるほどの理由もないくらいだった。だが、あれから四十年、その祈りを私は一字一句おぼえている。「ありがとう、ジェイク」母が言い、わたしは母の顔つきに変化が生じているのに気付いた。父は魅入られたような、ほとんど幸せともいえそうな顔をしていた。「ありがとう、息子よ」そしてわたしは、畏敬の念に近いものを持って弟を見、心の中で思った。神よ、感謝します。

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    2015年04月19日