▼あらすじ
キックボクシング世界王者・岩瀬成人。
十六歳でプロデビュー、銀髪に引き締まった姿態は女性人気も高くついた呼び名は『剛腕の貴公子』――あれから十年。
引退した成人は職安で仕事探しの日々。
そこへ現れたのはメンズ下着ブランド社長で元スポンサーの豊坂だった。
我が社のヴィジュアルプレスになって欲しいんだ――。
実業家一族出身ながら己の才覚ひとつで事業を切り盛りする豊坂は、育ちも学も誇れない成人に惜しみない信頼を注いできて…。
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表紙に釣られて購入しました。
小山田あみ先生がイラストを担当する作品を読むのはかなり久し振りです。
ゲイやアスリート向けのメンズ下着をテーマにしたお話で、アパレル関係のお話が好きな私にはなかなか興味深いお話だったのですが、ところどころあっさり気味だったのが少し気になったかな…。
仕事の描写は割としっかりしている印象でしたが、受けの親の事や受けの生い立ちの事、ボクシングの件などはもう少し掘り下げた方がもっとお話に深みが増したように感じます。
それと、ご当地BLという事で名古屋が舞台のお話でしたが、残念ながら名古屋感はあまり感じられなかったですね…(笑)
地名や観光名所などは出て来るんですが、説明があっさり気味だからか、それほど印象に残る事なく終わってしまいました。
ご当地BLならもう少し全面的に名古屋感を押し出しても良かったかもしれません。
あと、何より引っ掛かったのが攻めが受けと対面して早々に手を出したこと。
いくら攻めがゲイとはいえ、自分に脈があるかどうかも分からないノーマル相手にいきなりアレをするのはどうなんだろう、と。
BLと言えど半分ファンタジーですからそんなこと気にする必要も無いのかもしれませんが、相手がノーマルなら下手すりゃ嫌われるどころか訴えられるレベルですし…(笑)
何より展開が早いな〜と感じてしまったので、出だしは少しマイナスポイントでした。
恋愛部分はもう少し慎重に、丁寧に進めて欲しかったというのが正直な感想です。
ただ、先述した通りお仕事の描写はなかなかしっかりしており、説得力があって面白かったのでそこまで不満という訳ではありません。
特に後半、会社が苦境に立たされてからの展開は読み応えがあり、全員でランウェイを歩くシーンなど華やかなシーンもあるので所々突っ込みどころはあれど総合的には楽しく読めたかな、と思います。
小山田あみ先生のイラストも作品の雰囲気に合っていましたし、好きな人は好きなお話なんじゃないかな、と思います(^^)
