【みきまるさん株式投資本オールタイムベスト2017年版第58位】
現代バリュー投資家の最高峰、
ジョエル・グリーンブラットの初心者向け投資本ということで
かなり期待して読んだが、
翻訳が読みづらく、なかなか内容がスッと頭に入ってこない。誤字も目立つ。
訳がひどいので、アメリカンジョークもそれほど笑えない。
もう少し読みやすかったら神本になり得ただけに、残念。
グリーンブラットの魔法の公式の要点は、
資本収益率(ROIC:return on invested capital)が高くて、
同時に株価収益率(PER)が低い銘柄を順位付けして、
その中で上位にランクされた銘柄を買えばいい。
それだけで市場平均を圧倒的に上回る成績を出せるというもの。
ただROICは計算が面倒なため、
もっと簡単にスクリーニングをするのであれば、
ROA(Return on Assets:総資産利益率)を25%以上に設定し、
PER(株価収益率)25%以下に設定、
さらに小型株効果に期待して
低時価総額の銘柄をピックアップすればいいことになる。
あとは選んだ銘柄を、短期的な価格の上昇に一喜一憂せず、
長期間に渡って保有し続けることができるかどうかがカギになる。
このことは名著「続・マーケットの魔術師で」
グリーンブラットが述べているように、
バリュー投資は必ずしもいつも、うまくいくわけではない。
短期的には、バリュー投資はうまくいかないこともある。
しかも、その状態が2、3年続くこともある。
それは非常に良いことです。
私達のバリュー手法が一定の間うまくいかないという事実こそ
まさに、長期的にはうまく行く理由なのです。
という有名なフレーズに集約される。
短期的な利益を期待する多くの個人投資家には、
頭ではわかっていても、実行するのは難しいんだよなぁ。