水城正太郎のレビュー一覧
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本物の皇位継承者候補が登場して一気に世界と問題が拡張していく第11巻。これまでに出てきた要素をうまく使いながら世界の幅・危機の大きさを広げた印象があるので楽しめる。肝心の今回の件の黒幕が初出なのが惜しい所だが、CIMO8の内部分裂として賢人との関係性を出すことによって受け入れやすくなっていると思える。
以上のように自同律や魔王といった設定の凝り方は面白いのだが、以前のシリアス巻同様作者の小難しい考え方がどんどん出てきてしまっているのでテンポよく読めないのが難点。台詞ばかりで展開している部分も多いので気になってしまった。
それにしてもオリジナルの民族独自の言葉を用いて淫猥な台詞を言わせるとい -
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シリアス編が続いた後ということもあり、帝位継承を狙う用務員笹原望が引き起こすドタバタという共通点でまとめられた短篇集である第10巻。
淑恵が仲間になってから初のコメディということもありメインの話も用意されているのがいい所。作者いわくアニメ化による影響をフィードバックしての生徒会三役メインの回という今までにない視点も魅力的ではある。
しかし全体的には以前のコメディに比べパワーに欠ける印象があった。トラブルのきっかけの発想はやはり面白い所から来るのだがそこからのドタバタがもう少し欲しいのに不足気味で終わってしまうような気がした。キャラの動かし方自体は相変わらずうまいのでもう少し展開をじっくり広 -
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2Vが起こした大きな事件に対してのそれぞれの行動が描かれる巻。魔王という存在の謎が明らかになったり、帝国全体に関わる大きな事件となったりと真面目なシナリオ部分が大きく進むのだが、顛末に関わる重要人物がこの巻で初めて登場するキャラであるのが馴染みにくい。また、以前ほどではないにしろ作者の考え方が必要以上に展開に盛り込まれている上、その表現がややこしいので非常に読みにくい。
しかしころねのこだわった使い方やヒロシとリリィという新鮮な組み合わせをより深めること、また淑恵のパーティへの取り入れ方など、各キャラの動かし方は非常に魅力的で、シリアスだけに偏っていない印象を持てて良い。 -
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初の前後編となる大掛かりな話の前編にあたる第4巻。物語開始時期からの前提に関わる大きな展開が前編のうちに起こるので非常に劇的な流れになっている。待望の状況とさえ言え、この事態に対する各キャラの動向も阿九斗に近いキャラ程これまでに積み重ねて来たものを活かした配置になっているのでそれぞれの行動がどのように作用するかが非常に楽しみである。
しかし一方でこの事態に至らせるまでの過程がこの巻で初めて出てきた要素が多すぎるので、受け入れるのに少々難がある印象をもった。展開の大きな鍵になる望一郎の存在や、照屋家と服部家の娘以外の登場、神のシステムの中に潜む闇と核心的な部分でさえいくつも今巻ではじめてか、あ -
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1巻ではただの悪役でしかなかった不二子の素性に関係する話を持ってきたというのは非常に良い。しかしそうして考えると今回の事件に関する不二子の関与が少し控えめすぎるのが不満か。もう少し不二子について深める話として利用して欲しかった感は否めない。今回活躍する生徒会長ももう少し出番を増やして欲しかった印象。そういう意味で少し出番の偏りが見られるのは残念な所。
代わりに出番が多いのは新キャラの栄子だが、まだ詳しいことはわからない勢力のキャラであるため今回の話での活躍は今後を読んでみないと価値が分からない印象も。
全体的な構成については1巻のときと同様の魅力を出している印象。 -