内藤健のレビュー一覧

  • アズキの起源

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    これは面白い!

    ふざけた(?)文体なのに、内容は読者の事を全くナメてなくて、サービス精神の塊の様な人なんだろうなと想像します。

    序文からバッタのウルドさんやシジュウカラの鈴木さんの名前出してくるあたりからも、この本の読者を想定しながら、楽しませたるぞーって気合い入れてたんだろうなぁ、と。

    この勢いで、序文で予算取りに失敗するところから、クライマックスのヒリヒリする論文競争まで、一気に読まされてしまいます。

    科学的な内容は鈴木さんの本より少し難しいけど、科学に興味のある中学生ぐらいに是非読んで欲しい。


    最後に個人的に刺さった一言
    「別に舟から落ちても泳げるやろ」
    これや!

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    2026年09月28日
  • アズキの起源

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    ゲノムワイド関連解析により、アズキの栽培化にどんな遺伝子が関わっているのかは勿論、どれくらいの時期にどこで栽培化されたのかまでも知ることができるのにびっくり。
    論文投稿までの苦労をユーモアを織り交ぜて書いており、読んでいて楽しかった。文章表現はところどころ流行りの言い回しやフランクな関西弁を使っているのでメリハリがあって最後まで集中して読めた。研究は不断の努力と運と素晴らしい仲間がいるからこそ成り立つのだなと感じた。

    p.31 栽培化で起きた最も重要な変化は①種子の休眠性の消失、②脱粒性の消失、③可食部大型化の3つである。

    p.66 ナノポアシーケンサーなら15万円で3日間あればアズキのゲノムを読める。

    p.87 圧痕レプリカ法で土器づくりで混ざった種子を知ることができる。

    p.94 アズキの名前は漢字が日本に伝わるより前にあったと考えられる。

    p.116 核中のDNA解析では中国起源説が支持されるのを受けて、葉緑体中のDNAを解析した結果、日本起源説が支持され、さらに連鎖不平衡ブロックを調べると中国南部のアズキは雑種であることがわかった。

    p.171 コアレセント理論とゲノムワイド関連解析によって、種皮の色・黒斑の有無・莢がはじけない原因の遺伝子を特定し、さらにこれらの表現型がいつ頃から始まったのかも明らかにした。当時の栽培事情をリーズナブルに考えられるようになった。

    p.201 ウイルス・ベクターでANR1が上手くいかなくても、シロイヌナズナを使った実験でデータをきちんと出すことができた。

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    2026年09月21日
  • アズキの起源

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    ゲノム解析という難しい分野の研究内容をド素人でもわかるように、専門用語をあまり使わずざっくばらんに図や仮定の話満載で、少し強引に解説してくれて笑えた。

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    2026年09月12日
  • アズキの起源

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     すべての、あんこ&アズキ好きなかたに、読んでほしい!
     考古学と遺伝学のフュージョンです!
     一万年から数千年まえの昔、人々の暮らしの中でアズキがどう進化し、栽培化されたのか、わかります。
     読めばきっと、あなたの食べているあんこ、アズキをより滋味深いものしてくれますよ!


     著者は、内藤健(ないとう・けん)先生です。
     農研機構のジーンバンクのご所属。いざというときに、日本の遺伝子資源を守るのが「ジーンバンク」です。
     内藤先生は、成瀬あかりさんと同じ、滋賀県出身・京大卒の生粋の関西人。だからこの本、そののり全開で書かれています。とっても楽しく読めます。

     そして、あんこ・アズキ界隈にビックニュ~ス!(笑)
     今年の講談社科学出版賞を受賞されました!(第42回、2026年7月24日決定!)
     おめでとうございます! 内藤先生!
    \(^o^)/
     農研機構のHPにも、本書を手にニッコリの、アズキ顔の内藤先生のお写真がアップされていました。もちろん、おめしのポロシャツはアズキ色です!


     作物って、自然のなかの植物とは進化のしかたが違うようです。なにしろ人が強力に介入してきますから。
     アズキの原種は「ヤブツルアズキ」。その実は、ちっちゃくて、どすぐろ茶色です。
     そのタネをまいて育てた物好きな人がいたんです。一万年くらい前だそうです。そこから遺伝子がちょこっとずつ変化していきます。

     人が栽培をはじめた「ヤブツルアズキ」は、人々のライフスタイルに合った性質のタネが、だんだん増えていきます。どんどん変わって、3000年くらい前に「アズキ」になったそうです。
     本書では、ヤブツルアズキがアズキになるための、三つの変異が取り上げられています。その一つ一つが、人々の暮らしに結びついているんです。
     だから、アズキの遺伝子には、植物としての遺伝情報だけじゃなくて、一万年から数千年前のあいだに起きた、人のライフスタイルの変化を示す情報も、一緒に刻まれているんです。「ロマン」です。ロマン内藤先生と呼んじゃいます。


     それが分かるようになったのも、遺伝子を読む技術の進歩のおかげです。昔と比べて、コスト100万分の1、スピード200倍だそうです。
     「ナノポアシーケンサー」なんてUSBメモリーサイズで、価格数十万円(安っす!)、秒で400~500の塩基をよめるらしい。
     一晩電気泳動して、そこからX線フィルムを感光させ、やっと2~3百よんでた昔を思うと、腰抜かす!

     読んでると、難しいとこ、ありました。
     内藤先生によると、はじめに書いてある結論だけでOK、わかんないとこは飛ばしてくれ、とのことです。
     とにかく内藤先生の、わかってもらおうという姿勢がすごかったです。それが受賞につながったと思います。
     特に、遺伝子が年月とともに変化していく様子を、ひらがなの昔話フレーズで説明しているところがすごい!
     イメージだけでも伝えたいと、並々ならぬ努力を感じます。


     この本読んでよかったです。おかげで、ほんとにあんこの味が変わりました!
     みなさんも読んでから、アズキ、というか、あんこ食べてみてほしいです。絶対、おいしくなってますから!
    (笑)

     ちなみに、ロマン内藤先生の次の研究テーマは「マロン」らしいです。(笑)

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    2026年08月23日
  • アズキの起源

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     文句なしに面白い。

     アズキの起源は日本であった。

     結構キャッチーなフレーズである。なんかこう、これだけで日本人として誇らしいというか、なんかこう胸を張りたくなるような、不思議な感覚が生じる。やっぱり『○○発祥の地』ってキャッチーなんだよな。
     そんな軽い感覚で読み始めたし、導入の前書きの文章も軽妙で文体としては『バッタを倒しにアフリカへ』の前野ウルド浩太郎氏や、『僕には鳥の言葉がわかる』の鈴木俊貴氏のそれに近い。(ちなみに両者を事例としてあげているので意識はされているのだろう)とにかくわかりやすく伝えたいという気持ちがビシバシに伝わってくる。
     構成も素晴らしい。
     アズキの研究と著者の関係から始まっているが、現在の日本で作物の研究というものが具体的にどうすすめられているのか、ジーンバング、種子の保存についての重要性を真摯に解説している。
     また研究に関わる技術開発は日進月歩であることの悲喜こもごももあって面白かった。シーケンス・DNA配列、シーケンサー・DNA配列解読装置、ゲノム解析には欠かせない機械だ。それを使うことで数千万円かかっていた研究が、技術の発展で数百万に抑えられるという事実に驚くやら、感心するやらで……こうした時代の変化にも、食らいつく気概がないと、研究というものはなりたたないのだろうと思った。
     多様性が持つ可能性。
     考古学との関係。
     アズキの語源。
     系統解析では説明のつかない現象に対して、葉緑体のDNAを使うなどという臨機応変さなど……とても面白い。コアレヒント(合祖)理論など馴染みのない用語もある一報で、シロイヌナズナなどおなじみの植物や、それを使っての実験の紹介など、とてもエキサイティングで面白かった。

     アズキの起源は日本であった。

     これだけのフレーズであるが、それに至るまでの紆余曲折が面白い。それだけでは終わらない一冊だ。
     

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    2026年08月22日
  • アズキの起源

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    2026年3月刊。よくできた一冊。内装もオシャレにアズキ色。くだけた口調で、最先端の研究を紹介する。
    アズキの祖先種は、東アジアに自生するヤブツルアズキ。その種子は小さく、褐色に黒斑。一方、アズキの種子はその2.5倍の大きさ、しかも赤色。いつどこで、ヤブツルアズキはアズキという作物に変身したのか。
    ポスドク時代、イネのゲノム研究をNatureに発表。2010年、その著者が新たな就職先で任されたのはアズキ。調べてゆくと、中国起源だと思われていたのに、日本起源の可能性が急浮上。縄文・弥生の遺跡から出土する考古資料もそれを裏づけているように見えた。
    15年におよぶ「いつどこでどのように」という謎解き。ゲノム作成に始まって、系統解析、葉緑体DNAの作成、ウィルス・ベクターの使用……という長い旅。そして旅の終着点は25年5月。論文はScienceに掲載。アズキは日本起源、縄文時代!
    ギャグも頻出するアズキ奮闘記。著者のライフヒストリーも垣間見えて、おもしろい。
    (p.s.なぜ小豆はショウトウやショウズと読まずに、アズキと読むのか、昔からフシギだった。その答えも、そしてアズキの「ア」がなにを意味するのかも書いてある。作物の起源とことばの起源の収斂。そうか、そういうことなのか!)

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    2026年07月01日
  • アズキの起源

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    アズキのルーツを探る研究の旅に好奇心をくすぐられっぱなしだった。生物で学んだ知識を復習できたり、アップデートしたり、なにより二度見三度見してしまったのはナノポアシーケンサーなんだけれど(笑)クリの続報も気になります。

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    2026年04月28日
  • アズキの起源

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    日本版
    「プロジェクト・ヘイル・アズキ」!

    小豆に縁のなかった遺伝資源研究者が、
    アズキのゲノム解析に携わるようになり、
    どんどんのめり込んでいく。

    ゲノムを通じて、縄文人と会話しているようで、
    ユニークな語り口も面白い!
    まるでSFのような、全く実話のノンフィクション。

    日本人ならこれを読め。

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    2026年03月29日
  • ゲノムでたどる 古代の日本列島

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    ニュースでは、日本の科学技術の衰退が取り沙汰されているが、このように素晴らしく、面白い研究者の方々がいらっしゃるんだ、と感動すらしてしまった。中高生にもわかりやすい、多分習ってる範囲の知識で理解できるように書かれているのでぜひ読んでもらいたいなと思った。

    この本は、文部科学省の資金で5年間行われた新学術領域研究「ヤポネシアゲノム」をまとめたものである。こんな研究がされていたのを私は知らなかった!ニュースとかでやっていたのかな?もっと世に知られてもいいのでは?(単に私の知らないだけ?)

    研究は淡々と地道に努力を積み重ねるイメージがあったが、他の分野の人との関わりやつながりも大事なんだと思った。いろいろな分野の研究者の方がつながって大きな研究や成果が生まれていくのだなと感じた。

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    2024年05月16日
  • ゲノムでたどる 古代の日本列島

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    ネタバレ

    第3章「アズキはどこで生まれたのか」だけ読んだ。日経サイエンス2024/2「アズキ 日本から大陸に渡った作物」記事での物足りなさからこちらの記事へ移動した。
    栽培種アズキと野生種ヤブツルアズキ(アズキと比べて黒くて小さい)との遺伝子配列、特に実が赤色になる遺伝子を特定して比較し、栽培種アズキと類似の遺伝子配列を持つ野生種を見つけたと。それが長崎県の野生種。とはいえ鳥が運んでしまうこともあるので、西日本のどこかでこの野生種の先祖が居て、それが栽培種アズキへと分岐したと考えられる。つまり栽培種アズキは日本産との結論。なお他にも「栽培種アズキの起源が日本列島である強い証拠」を発見していて、いずれ論文にするとのこと。期待したい。
    なお日経サイエンス記事はインタビューによるものなので研究内容が要約されていたが、こちらの記事はご本人の筆によるもの。どちらかと言えば余談(前置き)が多く、そこが面白い(前野ウルド浩太郎氏に近い気配を感じる)。いずれ単著を著していただきたい。

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    2024年01月29日
  • アズキの起源

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    ヤブツル小豆から小豆に変化したのはいつでどこの国からなのか…
    小豆の遺伝子解明で起源を探るという遺伝子研究者のお話。
    砕けた書き方で親しみやすく、図や表なども用いてどのように導き出したのかを分かりやすく解説されており、中高生くらいから楽しく読める内容になっていると思う。
    わたし的に1番面白かったのは人も含めて必要な塩基配列はたった1.5%、残りの配列98.5%はけっこう適当ってところかな。

    装丁も可愛い。
    カバー下も小豆色で小豆がページの表記の横にも小豆が書かれていてこだわりも感じて楽しかったです。

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    2026年07月08日
  • ゲノムでたどる 古代の日本列島

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    研究内容やその成果についても非常に興味深かった。それに加えて、個性あふれる研究者の皆様の、研究に至るまでのお話など、面白おかしく語る様に引き込まれた。硬さと柔らかさのバランスが良く、読みやすい。

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    2025年04月13日