矢野耕平のレビュー一覧
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日本語教育を達観した一冊 タイトルからはLINEと日本語能力の関係性のみに着目した本かと思ったが、教育現場・英語公用語企業にまで言及するなどなかなか奥深かかった。
・セミリンガル?母国語と第二言語の習得がともに育っていない状態をさす。人間は母国語で思考を巡らすものだが、幼少期(特に母国語能力を育成する時期)に早期の第二言語環境に置かれるなどした結果生じやすい。元々は帰国子女などを揶揄するなど、若干差別的な意味合いがある。現在は「ダブルリミッテッド」などという。
・LINE的人間関係?LINEの中ではビミョーな時にスタンプなどで言いにくいことを緩和したりする。その言いにくさが実際の人間関係でも言葉でうまく表現できなかったりする。
2004年の文部科学省文化審議会
〜これからの時代に求められる国語力について〜
「グローバル化が進む時代にあって、国際理解教育を進めていくためには日本語教育を深めることが近道」
作品内
「第二言語(英語)に合わせようと自国内で必死になっているのは日本くらい。せめて日本に来るときくらい、日本語を学んでこい」と言える国になりたい」
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Posted by ブクログ
ネタバレ(2025/10/06 初発の感想)
なかなかドキッとする指摘。
「ネオ・ネグレクトとは、衣食住に満ち足りた生活をしていても、親がわが子に関心が持てない状態を指す。」
いろいろな事例が紹介されており、驚くのもあれば、ちょっと自分も思い当たるものもあり。時代と環境的に仕方ないのもあるけど、う…痛いところ突かれた…という感じ。
発達心理学の先生などではないので、事例&背景考察が主で、子どもに与える影響などは言い切られていないけど(新しい事象でそもそも未知数だし)、直感的に「あまり良くなさそうだな」と思うことは、エビデンスがなくても避けておきたい。なので、こういう新しいことについて声を上げてくれるのは、気づきとしてありがたいなと思う。ましてや中学受験塾の先生という立場で。勇気あるな。
しかし、子育てに効率性(コスパ、タイパ)を持ち込んじゃならんというのは重々、ほんとに重々、認識しているんだけども。やはり仕事と家事には効率性を重視していて、忙しいとたまにバグりそうになるときはある。注意注意。
とはいえ、過干渉は最悪だし、良好な親子関係のためにはある程度距離が必要なときもあるし…。適宜バランス見ながら、なんだろうな。
著者の結びの言葉「子にとって親は世界そのもの」
わー、早く大きくなって世界を親以外に広げてくれ~(と思う時点で笑)
【知らなかったこと】
・縦抱きばかりだと、手合わせや足合わせの経験ができない。
・最近は臍ヘルニアの子が多い、腹筋を使う運動をしていないから。
・足上げの経験が乏しくて便秘。
(以上、小児科医より。もう遅いけど…)
【完全共働き家庭で育った夫の意見も聞いてみた】
・子どもの頃はそれが当たり前だったから、タワマン子ども食堂失敗の話、ターゲットの子が気づかないっていうのは確かにそうだろうなと思った。
・関係ないけど「子育てとは、何者でもないわが子を受け入れる作業」が響いた(インタビューの一節)
(2025/11/8 追記)
Xでの主義さんとのモメゴトを眺めていて…
まあ主義さんの話法が癪に障るのはわかるけど、中受全般の問題点を指摘されたくらいで名誉棄損と騒ぐのは、正直やり過ぎでは。個人的な誹謗中傷にあたるとまでは思えない。
それを言うなら、こちらの本ではタワマン民にだいぶ辛辣なので、タワマン民に訴えられてもおかしくない。(比較対象として山の手民を出すのもイメージトーク過ぎて、ちょっと半信半疑…)
自分が批評するのはいいけど、他からされるのには非寛容、というのはどうなのだろう?
こちらの本は、顧客(の一部)にケンカ売っているともとれ、勇気ある提言と思ったのもあって、残念な一件だった。
お2人とも、立場は違えど民間教育の側から子どもたちを支えていこう!というのは同じだと思うので、和解してほしいなー(業界の信用問題にも関わるし…) -
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ネタバレ●男女御三家vs.超進学校
→それぞれの学校に特色が色濃く存在しており、偏差値よりもその学校のカラーにマッチしているかどうかを考えないと、進学した生徒は苦しくなる。御三家は比較的自由でのんびりした校風が魅力的であるが、大学受験対策などは一切行わないためその点は注意。
●旧・一流進学校vs.新・一流進学校
→程度の差こそあれ、学校独自の取り組みやカリキュラム、優秀なスタッフによる教育が功を奏している。毎年優秀層を確保できる御三家や、ある程度ブランドを確立させることができた超進学校と比べて、一流進学校は常に「危機感」を抱いている。この危機感が、良質な教育を生み出す「軸」を形成していると言える。
●旧・大学付属校vs.新・大学付属校
→近年の「大学入試改革」により不安を抱えた保護者が、「消極的理由」で付属校を選択するケースが増えている。大学受験に縛られずに6年間ゆったりと学ぶことができる点は評価できるが、校風やある種の「ゆるさ」に順応できない生徒は苦しくなってしまうので注意。
●ブランド校vs.ニューウェーブ校
→ブランド校は、そこにあぐらをかいてしまうと急速に変化する社会の波に飲まれて低迷してしまう。その波に上手く乗って台頭してきたニューウェーブ校も、この先5年後、10年後を見据えて「学校として何が求められるのか」を模索し続けなければ、生き残ることはできないであろう。
社会はこの10年間だけを見ても急速に変化を続けている。その変化する社会の中で、何を「軸」として残し、何を切り捨てていくか。その点を常に考え続け、生徒と共に成長し続ける学校のみが、今後の社会において生き残れるのかもしれない。 -
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過去に中学受験について多数の発信を行ってきた著者が考える「さいきょう」の中学受験とは・・・。
「さいきょう」の言葉には「最強」と「最凶」の二つがかけられている。
親の価値観や選択次第で中学受験は良いものにも悪いものにもなり得るという意味である。
中学受験ブームの過熱に伴い、主にインターネット上で中学受験について様々な言説が飛び交い、良くも悪くも「一家言」もった親が散見される・・・。
本書は、そのような現状を受けて、よく論点になる点について、時に流布している風説に反論しながら、著者なりの考えを述べていく。
上記のような背景から執筆されているため、全体の印象はやや散漫・・・・というか詰込み感がある。それだけ世間で言われていることに対し言いたい事が多いのだとは思うが次々にテーマをピックアップし、次へ次へと話を進めていくので、あまり体系立っていない印象だ。
せっかくタイトルをこのように定めたのだから、本書の全テーマにおいて「最強」ルートと「最凶」ルートを対比させるような構成にしても面白く、読みやすかったのではないだろうか。
個人的には、中学受験に対する概論としては、著者の『令和の中学受験』を推したい。
勿論、本書には多岐にわたる話題が詰め込まれているので、裏を返せばお得感はあるかもしれない。かねてより著者の考え方はバランスが良いと思っているため、有益な情報はたくさん見つけられる。
なお、本書の章構成は下記の通り。
序章:中学受験の「理想」を掲げよう
一章:中学受験を始める上で考えること
二章:わが子の世界を広げる受験勉強
三章:塾が成績を上げられない理由
四章:氾濫する受験情報
五章:中高一貫校の特徴とその魅力
六章:中学受験での親子の関わり
七章:中学受験のお悩みQ&A
終章:ぼくのかんがえた「最強」の中学受験 -
Posted by ブクログ
言語学者の研究知見や、あるいは文筆業に携わるもの言葉のあり方に対するエッセイといったものでこういった題材を取り上げるものは偶に手を取るが
受験指導者の筆者によるものとして、教育に関する議論に近い立ち位置で、受験における国語教育の例を取り上げるもの。
その教育成果の是非は措いておくとして、高難度の中学受験ではどのように国語教育が測られているかは態々かかる学校の過去問を手に取る機会も少なく、まとまった形でパターン化されることで見えてくるものもあるように思う。
筆者の雑感に近い部分も個人的には興味深かったが、想定読者層としてはかかる年齢の子供を持つ親世代であろうこと。
紙幅的に仕方の内面もあるが、例題の解説にページが割けないために読み進めるにモヤモヤが残る部分が気になる。
教育現場の声として国語教育の危機が叫ばれるルポなどが散見される一方で、上位層が目指す教育と国語のあり方には劃然としたものがあるわけだが、家庭及び学校における教育は本著でもこれをすればいいで済むような安直な話が出るわけでもなし、難しい話である。