藍沢季のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
自らのアイデンティティである名前を手に入れるのに、多額のお金を払うなんて自分の常識からすればありえないし、想像もできない。
それにしてもニコルの知識の多さに脱帽。
あんなに相手のことを考えてつけられた名前はすごいと思う。
自分の名前を大切にしたいと思わせた作品だった。
名前というアイデンティティのない人々は普段どうしているのだろうか?
そして童話のような語り口が好き。
少しキノの旅っぽい?
続きがあったらもっと読んでみたかった。
名前をなくしたら自分であることを証明できないような気がして怖い。
名前を奪われた青年の話が読んでて気になった。
アイオの不器用な愛情表現が読んでいて、もどかしくも微笑 -
Posted by ブクログ
名前を持つために多額の金銭が必要であり、名前を持つこと自体が社会的ステータスを表わすことになる世界。そこで名前をつけることを生業とする「名付け親」のニコルは人々に名前を授けるために旅をしている。彼を見守るのは天涯に光る星々。これはその星が語る物語。
なかなか面白い設定の物語です。公的な名前に金銭的価値と社会的地位がある世界で、名前を付けるということはどういうことなのかが語られます。
名前を付けられることを拒む人、付けられた名前をコロコロと変える人、名前を剥奪される人。それぞれの人に物語があり、ニコルはその物語を知り名前について考えを深めていくのです。
名前を持つことがステータスとなるならば、 -
Posted by ブクログ
(内容)
眠る前に読みたい、≪名前≫にまつわる切なくも優しい物語達。
その世界では、ほとんどの人が≪名前≫を持たなかった。≪名前≫を持つためには多額のお金が必要で、大半は名無しのまま死んでいく。
≪名付け親≫という職業につく少年・ニコルは、人々に≪名前≫を授けるために長い旅をしている。様々な国を訪れ、たくさんの人に出会い、ニコルは考える。
彼らの人生にはどんな物語があり、そしてどんな≪名前≫が相応しいのか、と。
長い長い旅の中、ニコルは数々の≪名前≫にまつわる切なくも優しい物語に出会っていき――。
(感想)
漢字が時々難しいですが、視点が星ということでかなり変わっていて面白い作 -
Posted by ブクログ
人が名前を持たない世界で、名付け親という職業をしている人がいる。
15歳の少年ニコルは相棒のセッタと共に、誇りをもっていろんな人に名前をつけている。そんなお話。
読んだ感想は、何となく星をテーマにしているからかな。銀河鉄道の夜とキノの旅を思い出した。
お金に困らない仕事っていいな~とも思うけど、ニコルが名付けという仕事に真摯に向き合って、(だからこそ辛いときもあるけど)いろいろと考えて成長していく姿に心暖まるし、自分の仕事に疑問を持ち、悩む姿に同情してしまう。
自分で選んだ仕事でも苦しいことはあるし、やりがいや目標は自分で持つことが大事だなとニコルの話から感じた。 -
Posted by ブクログ
そこは『名前』が特別な世界
万物のものへの名付けが、歴とした人や機関が行なうものであるように
その世界では人々の名前さえ、親が勝手につけることはない
全ては『名付け親』という職業に就く者によって、高額な料金を対価に授けられていた
名付け親になりたての少年は、
仕事の相棒のナナホシテントウと共に
長い長い名付けの旅を続ける
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語りの視点が夜空に瞬く星であるがためか、
ラノベらしからぬ文体、難関な読みにもルビを振っていないのが
まず印象的だった
作者は昔の童話なんかが好きなのかな
名前が高額のお金で取引され、
それこそ身分を証明するものとして存在している
もうちょっと、様々な人