川向正人のレビュー一覧
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川向正人著、「小布施 まちづくりの軌跡」を読む:
確か、記憶に間違いなければ、司馬遼太郎が、「庭の景観というものは、一代や二代で、出来上がるモノでなくて、何世代にも亘って初めて、完成されるのである。」というような趣旨の発言を、「街道をゆく」シリーズか何かで、読んだことがあるが、景観のみならず、街自体を、「まちづくり」として、変貌させて行くことは、言葉で言う程、実際には、時間も金も掛かり、容易なことではない。今日、駅前のけばけばしい景観や、旧何々銀座と称された駅前商店街通りのシャッター化など、或いは、仏作って、魂入れず式の箱物行政、単なる土建屋向けの膨大な公共投資の問題やら、更には、観光客誘致合 -
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[ 内容 ]
毎年一二〇万人の観光客が訪れる長野県小布施町。
この小さなまちの何に、人々は惹きつけられるのか―。
そのヒントは、「修景」というまちづくりの手法にあった。
伝統的な町並みに固執しすぎない。
とはいえ、まちの歴史をまったく無視した再開発でもない。
いまあるもの、そこに暮らす人々の思いを大切にしながら、少しずつ景観を修復して、まちをつくってゆく。
奇跡ともいわれる小布施流まちづくりを内側から描き出す。
[ 目次 ]
第1章 北斎に愛された小さなまち(ヨーロッパのような印象深い景観;五感で楽しめる凝縮した集落;人口の一〇〇倍の観光客が訪れるまち ほか)
第2章 過去を活かし、過去にし -
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昨年、小布施若者会議でお世話になった小布施町のまちづくりの歴史を綴った本。あまり予備知識なく訪れてしまったが、泊めていただいた市村良三町長のお宅をはじめ、修景という一大プロジェクトが民間主導で行なわれたことが理解できた。
修景は建物単位で昔ながらの風情を再現する街並み保存と違い、あくまで現代社会の日常の暮らしを守りつつ全体のバランスを調和させる手法。建物単位ではそれぞれの家主や建築家の意図で、結果的には街並みがバラバラになってしまうところ、家の屋根の向きや角度を統一し、建物の位置関係で塀などを無くして生け垣や樹木による滑らかな境界線を描いている。
その結果、修景地区と言われる街の中心部には -
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長野県小布施町がいかに「奇跡」であったかがわかる本。
小布施に行く前に読むと、気付かなければ通り過ぎてしまうようなことが、
人々の尽力に依って成立しているかが理解できる。
そして、小布施に行くと「これで奇跡か」と考えさせられる本。
1万人の人口に対し、年間100万人の観光客がやってくることは素晴らしい。しかし、中心部の世界に通用するクオリティーと農村部の差は埋めがたい。でも文化だ、それも。埋めなくていいのだ。
もやもやする中、「オープンガーデン」の取り組みは素敵だ。
一般家庭のお庭を開放しているこの事業。「30年間でもっともお金がかからず、もっとも成功した事業」とは、確かにその通り。
日本でこ -
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人口1万2千人の長野県小布施町に年間120万人の観光客が訪れると言う。人口の実に100倍の観光客が訪れるまちとはどんなまちなのか、その秘密を知りたくて読んだ。
作者は東京理科大学の教授で、「小布施まちづくり研究所」の所長も務める川向正人氏。
建築士の観点から、利便性ではなくデザイン性を重視したまちづくりの経緯は興味深かった。
日本は高度経済成長時代から、景観やそのまちの文化を無視して、開発をやってきた。しかし、建築の文化、とくにまちの文化は、一度壊したら戻らない。そのあたりをふまえて、「修景」のまちづくりを学ばなければならない。
松岡正剛が初期の段階で目をつけたのが建築。
建築の内容を把握し