借りたもの。
人間を磨くことの重要性――著者の知性への探求と渇望、読書讃歌。
著者が体験した戦後~ゼロ世代(2000年代)の空気感がよくわかる。
昭和初期を思わせるカナ使いや文体がノスタルジック。
所々にとり上げられた近代文学のエピソードや引用に、好奇心を刺激され、関心を持てるような文体。
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...続きを読む年代の「キレる世代」による殺人事件についての言及で、「評論家が”いい子教育”の反動の事件と分析した事に眉唾」というような趣旨の事をいっていたが、私はその解釈にも眉唾。著者と評論家が考える”いい子教育”なるものに齟齬があるように読んでいて感じた。
児童の虐待死が親のヒステリー、自制心の無さから来るのは言わずもがなだし、それが何も身体的な虐待に限らないのは、2010年代に入った今は認知度が高くなっていると思う。
実は別の著者による同題名の本と勘違いして借りたという、為体。
だがしかし、これも一期一会で良い機会だった。