井田徹治のレビュー一覧
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いま、私たちのようなエネルギーをたくさん使う生活を続けると2030年までに2つ地球が必要となる。私たちの生活は地球の許容力を超えているのだ。
このことを解決するためにはどうしたらいいか?解決策は最近新聞をにぎわせている太陽光発電、風力発電、洋上発電などの”グリーンエネルギー”である。
本書はグリーンエネルギー推進にとりくむ中国・米国・欧州・韓国の例や、自然エネルギー100%で成立しているデンマークの島々を取り上げている。特に中国の取り組みは想像以上であった。例えば”一票否決制”という、省エネ対策のできていない各省幹部と企業幹部を問責する制度がある。さらに今の中国は風力発電量が世界トップで -
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ネタバレ国連環境計画によると、グリーン経済とは、「二酸化炭素の排出を減らし、エネルギーと天然資源の利用を高め、生態系サービスや生物多様性を損なわないような形での人々の収入や雇用を目指す経済」としている(本文より引用)。本著は、各国の取り組み例を示しつつ、グリーン経済について説明している。中でも、後進国の取り組みは新鮮なものがあった。例えば、ブラジルのトメアス州の取り組みは、現存する森林を利用したグリーン経済を展開しており、感心した。しかしながら、終章の日本人に関する記述の部分は非常に危機感を持った。即ち、このままの政策で良いのかという問題意識を持った。とりわけ、こうした環境に目を向けていくべきは東北地
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いつまでも、「安くて安全・いつでも豊富な品ぞろえ」は続かない。それがこの本の付き付ける地球資源の真実だ。
データのグラフを見ているだけで、放縦な無駄遣いのツケの重さを感じる。
食料品売り場の値札や品質表示以上に見ておかなければならない。
しかし、諸業界は忍び寄る資源問題をひた隠しにして、エブリデー・ロープライスを鳴り響かせる。
その謳い文句に洗脳され続ければ、私たちは、近い将来「パンとサーカス」を求めて暴動を起こしかねない。
実際、311の直後に、被災地でない所でガソリンやミネラルウォーターを求めて殺気立つ人たちが多くいた。
地球資源の危機が食卓を襲うことになったら、いったいどうなってし -
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生物がつくる炭酸イオンの結晶にはアラゴナイトとカルサイトという二種類があり、アラゴナイトというタイプの方がPHの低下に弱く、アラゴナイトの殻を持つ動物が酸性化の影響を先に受けるとされている。その代表格がサンゴだ。二酸化炭素は水温が低いほど海水に溶け込みやすいので、同じ大気中の濃度でもpHの低下は冷たい海で激しい。サンゴは比較的暖かい海の生物なので、酸性化の影響は受けにくいとされるが、酸性化した海ではサンゴの成長率が落ちることなども報告されている。さらに深海の冷たい海を好むサンゴも知られており、今世紀末にはこれらのサンゴが暮らせる海はほとんどなくなってしまうだろうとの予測もある。
アラゴナイ -
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温暖化に起因する海の熱波の発生による生態系の棄損、陸上の氷が溶けることによる水位上昇と水害の増加。
二酸化炭素の増加による海の酸性化によって甲殻類やサンゴの生存率が下がることで生態系が破壊され、サンゴによる高潮の防波堤機能が失われることで水害が発生する。
海に流れ着くプラスチックの増加による生物の生存環境の悪化や、マイクロプラスチックが高濃度の化学物質を吸着して生物の体内に取り入れられることによる生物への悪影響。
窒素やリンが海に流れ込むことでプランクトンが大量に発生して生じる貧酸素海域。温暖化で成層化が起こることによって生じる貧酸素海域。
乱獲や温暖化(成層化で表層部の植物プランクトンが減少 -
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前半は各国の先進的な取り組みを紹介。様々な具体的な事例が取り上げられている。
第4章では、UNEPが2011年に発表した「グリーン経済に向けて」の内容を紹介している。化石燃料の開発、乱獲につながる漁船、毒性の高い殺虫剤の購入など、持続可能とは言えない資源利用を加速する補助金が世界のGDPの1〜2%に上る。年間1.3兆ドル(世界のGDPの2%)を効率よく投資することによって、低炭素で資源利用効率が高いグリーン経済に移行することができる。分野別では、エネルギー供給3600億ドル、運輸1940億ドル、建築と観光それぞれ1340億ドルなど(p.160)。グリーン経済を進めることにより2050年には、 -
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環境負荷が大きい20世紀型の経済を「ブラウン(茶色)経済」、21世紀に目指すべき自然環境と調和した新たな経済を「グリーン(緑色)経済」と呼ぶそうだ。今や各国がしのぎを削るのはGDPでも軍事力でもなく、CO2の削減量であり、自然エネルギーによる発電量であり、低炭素や自然エネルギー・ビジネスのシェア争いというわけだ。
残念ながら日本は、3.11という未曽有の大災害を経験してもなお、今後原子力発電を何%にすべきかなどと延々議論をしていたような体質が表わす通り、見事なまでにズルズルその地位を下げている。本書はそのタイトル通り、世界各地のグリーン最前線をまるではとバスのように、手際よくぐるりと短時間で見 -
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[ 内容 ]
地球上の水のほとんどは海水である。
人類が使用可能な淡水は、大部分が私たちの足下を流れている地下水なのだ。
その量は地球上の水の0.66%にすぎない。
しかも一度使った地下水は、再び同じ量が涵養されるまでに、長い歳月を要する。
この貴重な資源を科学的に見つめながら、水脈の探し方、井戸の掘り方、汚染対策など最新知識も満載の「水」の見方が変わる本。
水質が一覧できる「名水百選ガイド」付き。
[ 目次 ]
第1章 その価値は石油にも等しい
第2章 地下水を味わう
第3章 こんな場所にも地下水が
第4章 地下水、その多様な姿
第5章 地下水を掘る、探る
第6章 過剰なくみ上げ、沈む地盤 -
- カート
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■土地の改変
「自然が破壊される時、命にかかわる病気が広がる」―世界が新型コロナウイルスのパンデミックにおののいていた二〇二〇年八月、英国の著名な科学誌「ネイチャー」にロンドン大学やオックスフォード大学の研究グループが発表した論文がメディアの強い関心を集め、英国の新聞ガーディアンは、その内容をこんな見出しで伝えた。
研究グループは世界各国の生物多様性に関するデータベースのデータを使い、世界約六八○○カ所の生態系の変化に関するデータと感染症の宿主となる可能性がある三七六種の動物の個体数や分布などを調べた。原生林などの自然が残っている場所、人間の手が加わった生態系がある場所、農地など人間が手を加 -
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日本の石炭消費量はいまだに伸び続けており、1965年から2008年までに約3倍に増えている。特に、第二次オイルショック以降、価格が安い石炭火力発電への転換が国策として進められ、2009年には総発電量の25%を占めている。電力と鉄鋼の両業界が、国内の石炭消費量の80%以上を占める。一定の熱量を得るときに出る硫黄酸化物の量は、天然ガスに比べて石油は1870倍、石炭は4300倍。微小粒子状物質の発生は石油が12倍、石炭は400倍。二酸化炭素の量は、石油が1.4倍、石炭は1.7〜1.8倍になる(アメリカのエネルギー省)。IEAは2010年の「エネルギー見通し」で、新規発見や未開発の油田からの生産量を含